第6話 神出鬼没の敵?ドーナツてるの!
登場人物紹介
明智桜子 ちろらし探偵社の所長
猫柳明美 通称ネコミ、新人探偵。
らっちーとバディ。
二階堂 通称シザー、霊能探偵。
らっちー しゃべる犬、探偵犬。
ネコミとバディ。
一柳裕子 レストランオーナー、所長の旧友。
加賀照美 レストランシェフ
有田帆夏 レストランウェイトレス
*登場人物その他名称は全てフィクションです。
私とらっちーは事務所に戻って来た。
シザーさんは、何か用があるらしく、レストランを出たところで別れた。
所長にどうしてもアノことを聞かねば!
「明智所長!」
「どうしたの?ネコミ。レストランの調査は?」
「シェフの加賀さんによれば、異変が起こるのは大体いつも夕方なので、この時間は大丈夫みたいです。」
それより、アレだよね。
「超常現象研究所って何ですか?」
「レストランの人から聞いたのね。じゃ話す時が来たってことかしらね。」
何で黙ってた?確かに普通の人なら混乱するよね。
「ネコミ、あなたと初めて会った公園のこと覚えてる?」
「あの時はショックもあったんで、詳しくは覚えてないですが、なんとなくあそこに行ったような…。」
アレ?言われてみればドコの公園だ?
「あの公園は、分かりやすく言えば異次元の公園とでも言えばいいかしらね。」
なにー?異次元!私にそんなスキルあったんかい?
「えっ、普通に歩いて入ったような気がするんですけど。」
「あなたには超常現象に対処出来る能力がある。普通の人はしゃべる犬とはバディを組まないわ。」
言われてみれば、そうだよね。らっちーと気安くいるけど、ザマス婦人の反応を考えれば納得。
「所長、私これからどうすれば…。」
「今まで通り、探偵いや超力探偵としてらっちーと一緒に案件を解決すればいいんじゃない。」
横でジッと聞いてたらっちーが近づいて来た。
『ネコミ、わしゃもう普通の犬じゃない。じゃが、お前さんとならやっていけそうなんじゃ。』
らっちーとなら私も頑張れる!
「明智所長、私なんかスッキリした感じです。最近の異変は今後も色々と問題を起こしそうですよね。」
「ネコミ…。そうね、まずはレストランの怪異を解決することね。」
決意も新たに明日レストランに向かうぞ。
所長から聞いたが、レストランで異変が起こる時間は『逢魔が刻』と言うらしい。
「らっちー、魔物だってさ。」
『何か妖怪とかも出るみたいじゃな。』
でも、異変をおさめないと加賀シェフも料理作れないよね。
「何か対策考えた?」
『ワシ、異変があった時の臭いについて考えた。』
えっ、らっちー探偵らしいじゃん。
「臭い?どんな?」
『動物には固有の臭いがあるんじゃ。あの異変もある動物に似てたな。』
「キツネとかタヌキみたいな?」
やっぱり、人を化かす系しか思いつかん…。
『何となく鳥の種類かのぅ。』
鳥?ハトとかカラスかな。
......カラス?何かカラスって頭いいって聞いたことある。しかも残飯あさったりするし。
「ねぇらっちー、カラスかな?」
『ふむ、カラスか。じゃが、ただのカラスではないじゃろうな。』
異変起こすくらいの動物だとすると、退治出来るのかな。
まあ、現場で何とかするしかないか。
レストランに着くと、既にシザーさんが準備していた。
「シザーさん、捕獲する道具ですか?」
「ネコミ。所長から話は聞いたな。」
「詳しくは分かりませんが、私らじゃないと出来ないみたいですよね。」
「そう言うこった。」
段々日が暮れていく。そろそろヤバい時間だな。
でも、何で厨房の奥なんだろう?異変が起こる場所って法則みたいのあんのかな?
「加賀シェフ。厨房の奥に何かありますか?」
「そこには裏玄関がありますね。食材とか搬入するんで。」
「ちなみに方角って北東ですかね?」
「よく分かりましたね。そうですけど。」
マジか!鬼門じゃん、昔風水とかでやってたヤツじゃん。
「まさか、裏玄関からの道って森に続いてたりして…。」
「そうですよ。さすが探偵さん、詳しいですね。」
あーー!コンボ完成してしまった!
『逢魔が刻』、『鬼門』、『怪異の森』。
最凶パラメーターの発動だな。
「シザーさん、この異変って...。」
「ネコミも分かって来たじゃねえか。」
ヤバいヤバいヤバい!
私らだけじゃ無理ゲーだよ。
「来るぞ!」
シザーさんの片目がマジだ。
厨房の奥が暗くなって、何か現れてくる感じだ。
「らっちー!」
唸るらっちー初めて見た。真っ直ぐ奥を睨んでる。
私も何かやらなきゃ!でも何が出来る?
所長から何か能力ありそうなこと言われたけど、ちょっと前までは一般市民だと思ってたのに...。
?能力…。確か所長、私のこと『超力探偵』って言ってた。
超力って何?
そうだ、私異次元の公園にいたとか言われた。
時空を何とか出来ないかな?
あの異変の何かは現れては消える。まるで出入口を行き来するみたいに。
なら、出入口を無くせば!
「シザーさん!何か出入口無くすみたいなものありますか?」
「そう言うと思って用意して来たぜ。ほらよ。」
輪っかみたいな道具を渡してくれた。
「こいつは俺じゃ使えない。お前なら何とか出来んじゃねえか。」
私専用のアイテム?どうすればいい?
「どうやって使うんですか?」
「そりゃ、俺にも分からんが、あんたなら分かるんじゃないか。」
なにー、トリセツもない、何だか分からんものどうすればいいんじゃー?
でも、やるっきゃない!
その時だ。頭に輪投げをしている自分が浮かんだ。
よし!
輪っかを厨房の奥めがけて投げる。
輪っかが裏玄関に近づくと広がり、壁に張り付いた。
瞬間、部屋が明るくなり、異変の本体が現れた。
やはり鳥か!翼があるが…?人の足もはえてる!
なんじゃあの生物?
「なんじゃあれ!」
「カラスの変異体だな。駆除するぞ。」
うちら害獣駆除もするんかい?
第7話 予告
ついに姿を現した異変の元凶。ネコミたちは駆除しレストランに平和を取り戻せるか。
いよいよレストラン怪異編のクライマックス!
次回 「ケーキよく!異変解消?!」
ついにネコミちゃん覚醒?シザー君もフォローしつつ次回はエピソード3の完結編です。そうそう、間もなくあの人がちろらし探偵社に戻って来る…。ではまた。