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悪役令嬢好きの女神の世界

【誰も】王子は何も知らない【知らない】

ふわっふわ思いつきだけのなんじゃそらな与太話です(´∀`; )

よければお付き合い頂けましたら幸いです〜ヽ(*´∀`)



「というわけで、私が行ったいじめというのは冤罪ですしこの婚約は王家からねじこまれたもので私は解消をお願いしていましたしあなたの真実の愛のお相手は側近の皆さんと寝まくってますし私との婚約があなたの立太子の条件でしたからあなたは国王にはなれませんし秘匿されてましたが私は神の愛し子ですので私がいなくなればこの国は滅びます」


 学園の卒業パーティー、王子にいじめの罪と婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢はその罪状をすぱっと切った。公爵令嬢の勝ちである。

 王子や王子の真実の愛のお相手こと男爵令嬢、またとりまき…側近たちはぐぬぬしている。


 公爵令嬢はあきれたようにため息をつき、

「少し調べればお分かりになることでしょうに…どうしてそんな事もご存知ありませんの?」

 ほんとですよね。


「余が教えなかったからだ!!」


 国王陛下があらわれました!!


 というかもとからいた!!


 卒業パーティーなのでそれぞれの家族や来賓がわんさといるのです!!


「父上!なぜ教えて下さらなかったのです!!」


 気になるところです。公爵令嬢に引け目を感じて関係がうまくいかなくなるとでも思ったのでしょうか?


「どれだけ馬鹿に育つか試したかったからだ!!」


「「「「は!!!????」」」」


「そ、そんな!次期国王を、この国をどうするつもりだったのです!」

「どうでもいい!すごく!

 余は昔心より愛した女がいた!しかし身分の違いから反対され、仕方ないので愛妾にしようかと思いきやそれも許されず彼女は暗殺されたのだ!

 それを指示したものも許したものも何も知らんとへらへらしてる国民もみんな好かん!滅びよ!」

 

 なんということでしょう国王はあほでした!


「そ、そんな…!!じゃあ俺は悪くないじゃないか!」

 のたまう王子を公爵令嬢が睨みつけます。

「いいえ!いくらだって気づくことができたはずですわ!説明されずとも自ら調べる程度の能力もないなんて…」

「抜かすな小娘!では貴様とそこな我が息子とされるものが父親を同じくする兄妹だと知っておるのか!!」

「「!!??」」


「貴様の父公爵は王妃とできておる!結託して我が愛するものを殺し、悪女を王妃に仕立て上げ、王家を簒奪しようと企んだのよ!

 尊い血を汚さぬためにとか言って我が恋人を殺したくせに!簒奪するくらいならやったのに!ばーかばーか!!」


 この王はだめです。


「そ、そんな…!!まさか父が!」

「お待ち下さい!乱心なされたか王よ!私がそんなことをするはずが」

 令嬢の父親である公爵が割り込みました。

「やかましい!証拠は確保してある!貴様が己が子供を番わせようとし、子供達はそれぞれ二分の一しか己の血をつがないが、二分の一たす二分の一で生まれる子供は一分の一、完全に王家をのっとるぜ!という発言も録音ずみだ!」

「「きもい!!」」

 異母兄弟の声が揃いました。

「ちなみに王妃は、この計画だと三分の一が公爵夫人の血になるのが不満で令嬢をいびっておったのだ!」

「「きもいーー!!!」」

 ほんとですね。あと公爵の理屈は間違ってますのでこいつもあほです。


「くっ…!!傀儡の王の分際で…!!」

 公爵がギリイしてます。

「ふはは!愚物とみせて時を待っておったのよ!どうだ貴様ら!そんな事も知らなかったのか!!?わからなかったのか!!?公爵令嬢よ、説明されずとも気づくべきではなかったのか!!?」


「そんな…!そんな…!!私、何も知らなかった…!!」

「やーい!俺のこと馬鹿にしたくせに!ばーかばーか!」

 王子が煽ります。こいつはだめです。

 あと公爵令嬢はちょっといきっただけなのに揚げ足とられて気の毒です…。


「では衛兵よ!!奴らをとらえ…」

「フハハハハハーーーーーっっ!!!!」

 王の言葉を高笑いが遮りました。


「「「「!!??」」」」

 そこには何かのスイッチをかがげる男爵令嬢。そうです王子の真実の愛の相手です。


「全員動くな!!この城には爆弾をしかけている!!」

「なっ!!?」

「公爵令嬢よ…いえ、娘よ!こちらへ!!」

「なあっ!!??」


 男爵令嬢が己の顔をバリッと剥ぎました。なんとマスクだったのです!


「公爵夫人!!?」

「お母様!!?

「我が妻!!?」

「「「オエーーーーー!!!!!」」」

「ふむ、なるほど…」

 王子が吐いています。側近もです。一人を除いて。やれやれです。


「何故などとは言うまいな!!政略とはいえ愛することはないなどとのたまいドス汚い企みをする夫!放置する愚王!娘の評判を落とそうとする王妃に王子!!それを信じる愚かなものども!貴様らなど滅びるがよい!娘よ!隣国へ渡るぞ!!お前の力を失えばこの国は滅びるであろう!」


「お、お母様!!?病で領地にいらっしゃったのでは!?お会いできないほどの重病と…あとそんなキャラでした!!?そんでからあいつらとそのあのその」

「監禁されておったのよ!子を成せば用済みとな!!あと積年の恨みが私をこうさせたのだ!」

「どうして男爵令嬢に扮して娘の婚約者を奪うなど!」

「娘に近づかせぬためよ!ついでに顔だけ男どもも食うてやったがな!カーーッカッカッカ!

 密かに領地を抜け出し、変装してかつての友人である男爵婦人のところへ身を寄せ娘の救出を狙っていたところ、街で女を漁っている王子に見そめられたのだ!!

 これは好機と娘に王子を近づかせぬ為学園にもぐりこみ運命の再会を演じれば、さすがクソガキちょろいものよ!!フハーーーーハッハーーーーーー!!!!」

「ひどいーーー!」

 王子が泣いてます。

「くっ…面白い女だったのか…!」

 公爵がなんかいってます。なんすかこいつ。

「さあ、娘よ、ともに参ろう!!貴様ら動くなよ!城ごと木っ端微塵ぞ!」

「けど、お母様…!私にも、私にもあのドス汚い男の血が…!!」

「いいや、あなたは私の子!辛い思いをさせてすまないね、あなたに出会えたことだけがあの男と結婚してよかったことよ」

「お母様…!」

「娘…!」


 じーんとしてたところを

 ヒュバッ!!

 風切り音が遮りー


「ふっ…!爆弾は全て解除したわ!」

「なっ…!!?」

 

 一瞬の間に母娘は捕縛され、そこには黒ずくめの女が!誰!


「そなたは…!!我が恋人よ!!」

「貴様!殺したはず…!!」

 謎の女が王とひしと抱き合います。どうやらかつて殺されたという王の真実の愛の相手でしょう。

「隠していたけど私ニンジャなの。変わり身の術で死を装いあなたを守る為ずっとそばにひそんでいたの」

「生きていたなら教えてくれれば……」

「曇らせ好きなの。悲しむあなたも愛しくて……」

「そうか…余は何も知らず……」

「いいのよ…」


 よくねえよと全員が思いました。

「さあ、心機一転、この慮外ものたちを皆殺しにして幸せな家庭をつくりましょう!」

「うむ!」

「うむじゃない!」

「私たちは被害者よ!」

「帰っていいですか!!」

「うちら関係ないんで!!」

 ついにその他の卒業生や親たちも割り込んでわーわー騒ぎになりました。


「お黙りなさい!」

 ピカーーー!!

 

 なんと王妃が光りながらでてきました。

「お、王妃よ!その光は!?」

「王妃とは仮の姿!私はこの世界をつくった女神です!」

「何い!!?」

「女神!!?」

「なにそれ!!」

「しらん!!」

「そんな神はしらん!!!」

 そうですね、この国で信奉される神は男神です。


「それよ!!ちょっと目を離してる間に私の教えを忘れて勝手な宗教つくってなんなのよ!」

「わ、私は女神なんてわけのわかんないもんを抱いたのか!?オエーー!!!」

 この公爵はなんなんでしょう。

「違うわよ!この王妃自体は普通の人間よ!!信仰が無くなりすぎて依代つかわなきゃ降りてこれなかったの!!もうほんとやだ!!愛し子に加護与えたのに神官もいないから神託だって伝わんないし!」

「神官???祭司様のことか???」

「愛し子様ならちゃんと……」

「そうよ!祭司さまがご真言を受けて私だと…!」

「違うわよ私の愛し子はこの王妃よ!!」

 

 ババーーーーーン!!!


「母上!?」

「そうよ!まったく、世界の正しいありかたも知らないで!!公爵令嬢あんたはただの嘘つき女よ!!」

「そんな…!!私は愛し子ではなかったの…!!?」

「そうよ!そんなことも知らなかったの!?」


「それは違うぞーーーーー!!!!」


 ジャジャーーーン。

 なんということでしょう。空間が引き裂かれそこから闇を纏った巨大な男が現れました。


「公爵令嬢よ!貴様は正しく我が愛し子だ!!」

「邪神様!」

「邪神様が降臨なされた!ありがたや!!」

「邪神様ーーー!」


「フハハハ!女神よ!貴様がサボりにサボっている間にこの世界は吾輩がのっとったのだ!!そんな事もしらなかったのか!!」

「きーーーー!!!なによーーー!!なにしてくれてんのよこの野郎ーーー!!!」

「やかましい怠け者!貴様はろくにこの世界をみておらん!!見るに見かねてこの世界を守ってきたのは我輩だ!

 ようやく気が付いたと思ったら吾輩が他の国いじってる間にクソ女に加護を与えて好き勝手させおって!」

「だってあの王真実の愛をみつけたとかいって婚約破棄しようとするんだもん!!王妃ちゃんがかわいそうでしょ!!」

「この悪役令嬢好きが!それなら公爵令嬢ちゃんこそがかわいそうだろうが!!貴様の干渉に気づいてすぐ加護つけたけど焦ってたからいまいちなっちゃうし!あの子はちゃんとしてんのに!」

「ハハーっ!だっさーー!!焦ってへまこいてやんのーーー!!!!」

「うっせえ憑代なきゃおりらんねえくせに!だーーっせ!!超だっせーーーー!」

「なんだてめえちくしょおおおーーーーー!!!!」


 ギャーギャー喧嘩をはじめた二神に、全員茫然としています。


「そんな…王妃たちの企ては女神とやらの導きだったのか…?」

「私いまいち加護ですの…?」

「神とは…?世界とは…?」

「……」




「「「「我々は、何も知らなかった……」」」」




 ……。


 「私」も、そう思います。


 そして「私」——あの双子神の親——が、天上から彼らを見ながら、もうほんとあの二人どうしてくれようかとはち切れそうな血管を揉んでいることを、彼らは誰も、知らないのでした——………!


 


完!!






 



 

 







 お読み頂きありがとうございましたー!

 婚約破棄する人何も知らないの、悪意で教えられてなかったら…がきっかけなんですが、公爵令嬢ちゃんがかわいそうなってしまいました!すいませんー!なんか救済があるにちがいない…(´∀`;)トホホ!

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― 新着の感想 ―
[一言] る~~~。(混乱中) 分らん。
[良い点] めちゃくちゃで面白かったです。 エンディングで前キャストが謎のダンスをする映画みたいでした。
[気になる点] キャラが多すぎて、最初はともかく中盤以降はどれが誰のセリフかサッパリ分からんので、疾走感しか楽しめなかったです……(・ꙍ・`)
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