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仲直り

 なんか、これでいいのか?って位に短いですが・・・。今後ともこんな調子でお付き合いお願いします。

 読み手側に出来るだけ苦痛や疲労を感じさせない程度の量で提供していこうと思っておりますので。

 逆効果だったら更にごめんなさいです。

 その夜―――――――――、君彦は自宅で浮幽霊のカナと一緒に過ごしていた。カナは幽霊なので食事をすることが出来ないが、君彦と一緒にテレビを見ながら大笑いしている。一緒に喋ったりテレビを見て笑ったり、君彦はカナの笑顔を見て少しホッとしていた。


(昼間に来た時のカナちゃん、少し様子が変だったけど・・・今は大丈夫みたいだな)


 家の用事、そして学校の宿題をこなしながら君彦はふと―――――――――猫又のことを思う。


(それにしても猫又の奴・・・、まさか今夜も家に帰らないつもりなのかな。二日連続で家出するなんて今までなかったのに。それに今やってるバラエティ番組はアイツが大好きなコントだから、今日位は家に帰って来てテレビに釘付けになると思ってたんだけどな。本当にアイツは・・・どこで何をしてるってんだよ! このオレに心配させるなんて!)


 そんな風に憎まれ口を心の中で叫びながら、君彦は眠りにつくまでずっと猫又の帰りを待っていた。




 翌日―――――――――、昼間の間は平気なのか・・・カナは君彦に挨拶だけすると一旦母親代わりである猫娘の涼子の元へ帰ると言いだした。君彦は気をつけて帰るようにカナに言うとそのまま何の変わりもなく学校へ登校する。


「―――――――――猫又っ!」


 その言葉に君彦は思わず周囲を見渡して猫又の姿を探した、しかしそれは誰かが猫又を見つけた掛け声ではなく自分に対して放たれた言葉であった。周囲を見渡した時に後ろを振り向いたらそこには響子が仁王立ちしており、少しバツの悪そうな顔で君彦を見据えている。君彦は響子とずっと気まずい別れ方をしていたことを思い出す、今まで忘れていたのは―――――――家に帰らない猫又のことを考えていたからであった。


「志岐城さん―――――――っ! えっと、おはよう」


「おはよう・・・じゃないっ!」


 乱暴に足を踏みならしながら君彦の近くまで来るも、やはりそれなりに一定間隔の距離を空けてはいる。男のことを極端に避ける傾向にある響子の今の行動から、君彦は目の前に居る人物がこの間のように色情霊に体を乗っ取られているわけではなく、正真正銘響子本人であることを察した。

 しかし当の本人は色情霊に乗っ取られた記憶がないのか、君彦の周囲に視線を走らせながら何かを探している様子である。君彦は響子の仕草を見て猫又を探しているんだと瞬時に判断し、少しだけ顔色が曇ってしまった。


「あ・・・ごめん、猫又の奴・・・今いないんだ。ちょっと色々あって・・・」


 抑揚のない声に響子は怪訝な表情を見せる、それから再びバツの悪そうな顔に戻るとあからさまに視線を逸らしながら話しかける。


「えっと、その・・・こないだはゴメン」


「―――――――――え?」


 響子の唐突な謝罪に君彦は目を丸くした、まず何のことで謝罪しているのかわからなかったのが一番の理由であったがそれと同時に気の強い響子が君彦に向かって素直に謝罪する姿を初めて見たので、驚きを隠せなかったのだ。


「ほら、昨日の! あの後家に帰った時に蘭・・・っ、親戚の人に教えてもらったの。あたしの様子がおかしかったって。あたし・・・昨夜寝てから学校に登校するまでの記憶がなくて、登校する時の親戚とのやり取りを直接聞いて・・・あたしの記憶がない間に何かあったんじゃないかって昨日ずっと考えてたわけ。あの場所であんなことになったのって多分だけど、あたしに取り憑いてる色情霊が何かやらかしたってことじゃないの!? ・・・別に何やらかしたのか知りたくもないけど、ちょっと気になったから」


 それを聞いた君彦は少し安心した、響子自身に大事がなくて良かったと胸を撫で下ろす。


「オレもずっと気になってたんだよ、志岐城さんに何かあったらどうしようって! でもオレ志岐城さんの家がどこにあるのかわからないから様子を見に行くことも出来なかったし、ごめんね。結局何も出来なくて。でもホント良かった!」


 君彦の素直な反応に響子は顔を真っ赤にさせながら突然否定的な態度を取る。


「ばっ・・・、別にあんたがどうとか・・・あたしは別にっ! ただあのまま何事もなくするのはあたしの気分が悪いってだけで!」


「うん、志岐城さんは優しいもんね」


(や・・・やめろぉぉおお――――――っ! 純粋無垢な眼差しであたしを見つめないでよ、自分がものすごく汚れて見えるじゃない!)


 君彦のこの「誰も何も疑わない真っ直ぐな心」に当てられて、響子は自分の屈折した心がひどく醜く思い知らされるようでいてもたっても居られなかった。すぐさま君彦を振り切るように早足で学校に向かう。それを見て君彦は全く自覚がないのか、一緒に登校しようと響子を追いかけた。




 徐々に、しかし確実に魔の手が忍び寄る・・・。

うまくいけば(?)次回には新たな展開へと突入いたします。

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