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無駄な努力

 黒依から質問されたまさにその時だった、始業ベルが鳴った瞬間に黒依は自分の質問を即座に抹消して君彦の手を引っ張った。


「大変、授業始まっちゃうよっ!! 君彦クン、早く教室に急がなくちゃ!!」


 そう言うなり黒依は君彦の腕を取ると急いでクラス別に区切られている下駄箱がある方へと連れて行こうとする、しかし猫又と響子のことが気になったのか君彦は少し戸惑いながら一人と一匹の方へと視線を走らせた。


「そんじゃ話は後でね、猫又こいつはあたしが預かっとくわ」


『はぁぁぁっ!? おいお前、何勝手なこと抜かしてやがんだよっ!』


 しっかりと両脇を抱えられている猫又は体をよじらせて抵抗するものの、響子の束縛から逃れられない様子である。


「ご、ごめんね志岐城さん! それじゃ1時限目が終わった後の休み時間にでも僕の方からBクラスに行くから・・・っ!」


『くぉら君彦っ!! 何あっさりと見捨ててんだテメーっ!』


 猫又の絶叫もむなしく・・・結局響子に抱えられたまま猫又は君彦から引き離されて、響子のクラス1-Bへと連れて行かれる羽目になってしまった。



  < 1-Bの教室内にて >



 響子は猫又をしっかりと抱えながら教室へと入って行く、すでに始業ベルがなっていたということもあり教室に辿り着くまでの廊下では誰からも声をかけたりはしなかったが、それでも内心ハラハラしながら教室のドアを開けた。

 開けた瞬間教室内にいた生徒の何人かが響子の方を振り向いたが、特に気にする様子もなくすぐにまた視線を逸らせる。

 そんな彼等(特に男子生徒)の様子を確認した響子は小声で呟いた。


「ふ~~ん、やっぱあんたがあたしの側にいることで色情霊とやらの効力はなくなってしまってるみたいね」


『つかお前のそのイモい格好見れば誰だって興味を示さねぇと思うけどな・・・』


 猫又は響子に抱きかかえられたままの状態で上から下まで眺めながら指摘する、響子は髪型こそ三つ編みをほどいているがセーラー服のスカートの下には春だというのにジャージをはいている。


「あのね・・・、色情霊がべったりとあたしに取り憑いてる間はどんな格好をしていようが男共がそりゃもうわんさか群がって来てうっとうしいったらなかったんだからねっ!?」


 響子が文句を言うように猫又に食ってかかっている途中で、何かが引っ掛かった。


「・・・ん? 待てよ!? ということは、いくらあたしがイモい格好をしていようが・・・結局のところ意味がないってことにならない? あたしに発情した男共が群がって来てたのが全部色情霊の仕業だったんなら、あたしがどんなにダサイ演出をしようが効果がないも同然なわけで・・・」


 まるで推理小説で犯人を探すように響子はゆっくりと順序良く、自分が今置かれている状況を整理し始めた。

 そんな時担任の先生が教室に入って来たのでとりあえず席に着いてからゆっくりと推理の続きを始める響子に、猫又はやっと『抱き抱えられ状態』から解放されると大人しく響子の足元に待機しながら、響子の推理に参加する。


『ま、お前がどんな努力をしようが全部無駄だったってワケだわな。お前に群がって来たって言う男共はお前の外見に惹かれてたワケじゃなく、色情霊の誘惑に惑わされてただけだし』


 猫又の無情な発言に響子は愕然とした。

 口をあんぐりとさせて顔面蒼白、それから急にめまいがしてくる。

 クラクラと揺らぐ頭を押さえながら響子は机の上に伏せってうなだれた、ぶつぶつと何かを呟きながら響子は今までの苦労人生が走馬灯のように脳裏を駆け巡っている。

 そんな響子のショックに、我関せずを決め込んでいる猫又は毛づくろいをしながらぼんやりしていた。


『はぁ~・・・、今頃君彦のやつどうしてっかなぁ?』


 遠くを見つめるような眼差しで猫又は、今夜の晩ごはんに思いを馳せていたのは言うまでもない。



 どんどん私の頭の中で物語が広がって行く半面、それをなかなか文章として表現出来ず、唸っている間に数日過ぎてしまいました。

これからの展開には、シリアスあり! 笑いあり! お涙あり! なものを構想中なので、ぜひともよろしくお願いいたします。

まぁ、基本「ほのぼの」を目指しておりますが・・・。

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