第1章 01
寝てる時に夢で見た物語を勢いで書いてます( ̄▽ ̄;)
誤字とか文章おかしいなってところは沢山あると思いますが、暖かい目で見てやってくださいっ!
『インウィディア~罪と救いのユースティティア』というゲームの世界に入ってしまった!という、よく分からない今どきのあるある物語である。
※この作品はフィクションです。
目が覚めるとそこは高級マンションだった。
モデルハウスのような寝室で目が覚めた私は、何が起こったのか理解するのに苦労した。まだ寝ぼけてるのだと思い、思考を放棄するために二度寝をかまそうとしたとき、理解がこの非現実に追いついた。
「あれ?もしかしてこれは、転生もしくは転移なのでは?」
と、私は常日頃から死んだら転生したいと考えていた。学校の友人にも転生したいと話し、何言ってんだお前とよく言われていた。そんな私が転生?転移?したかもしれない?!そんなの確認しないと気がすまない!私は無駄に広いマンションの中を走り回り、とうとう洗面所を見つけた。
桃色の髪に桃色の瞳に雪みたいに白くてぷにぷにの肌、これは主人公枠と言っても過言ではないのでは?!と思われる女の子が映っていた。
「まじか、まさかの親ガチャ大成功系現実の世界の美少女に生まれ変わったもしくは憑依した感じ?!この髪色は地毛?もしくは染めたのか?目は…、カラコンじゃないッ!!」
この感じは現代に近い感じの異世界だ!目の色がピンクとか漫画やアニメの世界しか存在しないし!
となると、ここは異世界だけど日本みたいな感じなのか?私はまず、このやたら豪華なマンションから情報を集めることにした。
………。
分かったことは、この家には私しか住んでいないこと、家族は生きていて別の場所に住んでいること、父、母、私、弟の4人家族だということ、私が18歳ということ、化学文化が発展している別世界だと言うこと、あと私は整理整頓ができる系だったということだけだった。
スマホが見当たらなくて、そういう娯楽がない世界なのかと思ったが、何とこの世界スマホはイヤホン化してたのである。仕組みはよく分からないが、装着するとSiriのようなものが映像で現れてやりたいものを勝手に出してくれる。頭で考えたことがそのまま操作できると言った感じだ。感心して操作してる間に1時間ほどたっていた。現代っ子には恐ろしいアイテムだ。そうして、この世界にちょっと慣れて来てきたとき、頭痛がしたと思ったら、頭に得体の知らない物語のようなものが流れ込んできた。
『インウィディア~罪と救いのユースティティア~』
これはある勇敢で心優しい少女の物語である。
この世界を侵略しようとする別世界の住人がいた。
少女は七つの大罪の罪を背負う7人の美男と共にこの世界を救うべく戦う。
傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・暴食・色欲・怠惰 この罪を背負う(性質を持つ)悪魔と関係を築き、敵と戦い、世界を救う…。
ヒロインである少女は銀髪に金色の瞳をもち、7人の攻略対象全員が揃った時に能力を増幅させるという力をもつ…。なお、揃わない時には発動しない…?
…クソゲーかよ!!
シンプルに難易度高!というか戦闘と恋愛ごちゃまぜの乙女ゲーとか意味わかんないんですけど。
てかなんだこの物語、急に頭に入ってきたってことは、この世界がその乙女ゲーの世界ってこと?!
てか私主人公でもヒロインでもなんでもないじゃん!ただの脇役?というかモブ?ありがたいけど、こんな美少女なのに勿体ないッ!!
まじか、てことは、金持ち美少女ライフ満喫するってことでいいのか?ここは天国かな??神様ありがとうございます!!
そんなことを考えながら部屋の散策をしていると日記を見つけた。
何で家族と一緒に住んでないのかなって思ってたけど、思ってたより可哀想な子に転生してたみたい。
親は私が小学生の時からネグレクトで、私はほぼ1人で生活していた。よそに子供がいたらしく、そっちの家に顔を出していたらしい。中学生に上がる時、親は再婚した。私より2つ下に弟がいたというのは、その再婚の時に知った。あんまり驚かなかったみたいだけど。そこから両親と弟は別の家で暮らすという話を聞かされ、私はそこから遠くのマンションに1人で生活するように言われた。生活するにあたって十分なお金を口座に振り込まれる形で。
もともと1人で生活することには慣れていたし、抵抗はあまり無かった。寂しさはあったが、ひと月も経つと慣れてしまった。1ヶ月に1度、生活できてるか使用人の人が確認に来るくらいで、家族との関わりは一切絶たれていた。
高校に上がる時、幼なじみである男の子と婚約することになった。もともと仲が良かったらしい。私には友達と呼べる友達もいなくて、普段からその男の子と一緒に生活し、寂しさを紛らわせていたらしい。その子の家の人と私はだいぶ仲が良く、家族のように接して貰っている…。
まじか、そんな男の子記憶にないんだけど、、。
これから記憶蘇ってくる感じ?それとも、1回会ってみないと記憶戻らない感じかな??わからん。
思ってたよりも壮絶な過去をお持ちの子になってしまったんだね、私。まぁ、前世の私は家族とも仲良くて俗に言う幸せな家族って感じだったから結構ショックだけど、今の私は幼い訳でもないしこの状況はむしろバレる相手もいなくて結果オーライか。
愛されてる子だったとしたら、急に記憶なくなったら家族も困っちゃうだろうし、これはこれで良かったのかもな。…うん。やっぱ寂しいけどね。
とりあえず、外ぼちぼち歩いてみようかなぁ。暇だしね。
家の鍵ないなぁと思いながらとりあえず靴を履いていると、玄関のドアが開く音がした。
「あれ?美月ちゃんもう準備終わってたんだね」
ふぁ?!なんでドア開いたんだ?いや、鍵もってたのか?というか、誰だこのイケメン。
紫色のサラッサラな髪の毛を後ろで束ねている褐色肌、金色の瞳…。くっっそ美男子。美丈夫?どっちでもいいわ!とにかくイケメン。てか知り合いなの?
そんなことを考えている間にイケメンがどんどん近づいてきた。
「まだ起きてないと思ったから起こしに来たんだけど、今日は早起きさんだったんだね。」
「あ、今日の服この間プレゼントしたやつだね!似合うよやっぱり、美月ちゃんにはこの色が似合うと思ってたんだ!」
「母さんも家で待ってるから、早速行こっか!この服着てるのすっごく喜ぶと思うよ!」
ちょい待ちちょい待ち!!どーゆう事?!今から君の家行くの?家族ぐるみの仲?!
キーーーーーーーンッ!!
思い出した、この人婚約者だ!幼なじみの!てか、それ以外でもなんか見覚えある、なんだっけ。
私の婚約者枠の人ってこんなイケメンだったんだ、役得すぎて無理。こんなイケメンとずっといたら寂しくないのも納得だわ。好みの顔ってわけじゃないけど、誰がどう見てもイケメンだわ、前世でもこんな顔なかなか見たことないよ。さすが異世界!アニメって感じでテンション上がるやばい!笑
前世でなんの徳も積んでないのに、こんないい世界に転生させてくれてありがとう神様!!感謝してもし足りないよっっ!!とそんなことを考えてたら家に着いたらしい。
玄関のドアを開けると、美魔女って感じのお姉様が出迎えてくれた。
「みっちゃーーーんッ♡いらっしゃーーい♡♡」
たわわ〜なマシュマロ爆弾ボディのお姉様にハグされて、顔がふわふわにダイブした。めっちゃいい匂いするし!ふわふわだし!何ここ天国?え、死んだ?一生ここに住みたい!!幸せ!!
このお姉さん身長高いな!私168cmあるのにお姉様のたわわ私の顔の位置って、この人何cmなんだ??
「姉さん、美月ちゃんのこと窒息死させるつもり?さっさと離れてよ。迷惑だろ。」
え、もう終わりなの?私は大歓迎なんだが?!こんなふわふわなお姉様欲しかったんだよ!?
「みーちゃんごめんねっ!嫌だった?」
可愛いっっ!!全然嫌じゃないよ!?幸せだよ?寿命100年伸びたよ?!
「嬉しいです!全然嫌じゃないです!…むしろ、そのぉ、もっとしてほしいなぁとか…あの、えっと…。」
……、何言ってんだーー私!?!!ただのキモイやつになってしまう!どうしよう!引かれたかもしれん!やばいって、もうハグして貰えないかも、やってしまったぁぁぁあ!!
「「か、かわいいっっ」」
「…へ?」
か、かわ?…今なんと?
「いつもの遠慮がちなみーちゃんも可愛いけどッ、今日はすっごく素直!何この子可愛すぎて食べちゃいたい…♡」
「姉さんじゃなくて婚約者なんだし、俺でよければいつでもいいよッ!」
え、え、なんかめっちゃ愛されてるぅぅう!!
この人たちと家族になれるとか、なにこれ私早死する?もしかして? とりま幸せすぎるっっ!!
これは幸せの致死量だ、なんか動悸がすごいことになってる。現在進行形でイケメンと美女にサンドイッチされてる。死因:幸せの限界突破で心拍停止?何それ1番いい死に方じゃない?転生したてだけどいい人生だった。
視界がだんだんぼやけて、私は意識を失った。
…。
……。
………、目が覚めるとそれはそれは豪華なリビングがあった。
あれ、また転生でもしたのか?とか思ってると、幼なじみで婚約者の、神谷紫苑が目の前に座っていた。
「美月ちゃん、姉さんがごめんね。大丈夫?体は平気?」
あ、神谷 紫苑って名前だったんだ。めっちゃ乙女ゲーの攻略対象みたいな名前してるな。
…ん?乙女ゲーみたい? …いや、この世界乙女ゲーの中じゃん!!え、待って、よくよく考えたらこんなイケメンがモブなわけなくない?どっかで見たことあるよ?この顔!なんだっけ……。
…、あぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!!!
嫉妬だ!!嫉妬の悪魔のビジュがこの顔だ!!!
今日の朝に見た物語の中に出てきてたわ!嫉妬ってこの人のことだったんだ!!
え、てことはこの人攻略対象だよね?でも、私の婚約者だよね?ってことは私、このキャラ攻略する時の悪役ポジってこと?!邪魔者だから最後にこのイケメンに殺されて、ヒロインとこのイケメンの幸せの踏み台になるキャラってこと?!
思い出せぇぇ、思い出すんだ!!確か、この乙女ゲーの物語的に、私は紫苑に殺されるか、この世界の敵ってやつが攻めてきた時に死ぬかだよね。BADエンドなら世界の敵に殺されて、ヒロインが別キャラ選んだ時にはどっちにしろ紫苑はヒロインを好きになってるから、私は婚約破棄の末敵の侵略時にみんなに知られることも無く死ぬ。ほんでもって、ヒロインが紫苑を選んだら、邪魔者の私はけっきょく紫苑に殺される。逆ハーエンドでも同じ…。
あーー、詰んだな。うん。全然幸せな人生じゃないじゃん。あながち早死ってのはあってたんだな。
神様に感謝して損したわ。…どうしようかな。
お金もあって、こんなに可愛い顔してるんだし、今婚約破棄したとしてもいい人見つかるよね、きっと。紫苑はまだヒロインと出会ってないし、今破棄しても、大学ですぐ出会うわけだから、そんなに揉めなさそうだな。私も大学でいい相手見つけるか。
…うん、悪くないね。これで行こう。婚約破棄しても、もともと幼なじみで仲もいいし、お姉様とかとも会えるよね。婚約したのだって、お互い仲良いしって感じなだけだったし、特に理由もいらないよな。こんなイケメンそうそういないだろうけど、もともと私の好みの顔は塩顔だし、好みならイケメンとかそうじゃないとか関係ないし、大丈夫なはず!
「ぼーっとしてるみたいだけど大丈夫?おーい、」
「…あのね、私たち婚約破棄しよう!紫苑のことが嫌とかじゃなくてね?お互い大学生になるし、新しい出会いとかもあるじゃん?だから、ッ」
「…何言ってんの?」
「うん、だからね?私にも紫苑にも、これから先大学で新しい出会いがある訳じゃん?紫苑イケメンだから、きっとすっごい美人の女の子とか可愛い子とかにモテると思う。だから、婚約破棄しとかないと、紫苑彼女作れないし、損なこと多いからさ!婚約破棄しとこうよって!いい提案でしょ?えへへ」
「言ってる意味が分からないんだけど…」
「だーかーらー、婚約破棄しとけばお互いフリーになるから、彼氏彼女作れるようになるじゃん?もう私のお世話しないで済むんだよ!私達もう成人したし、大人になってきたわけだからもう寂しくないよ!私の寂しさを埋めるために婚約して家族みたいに接してくれてたんだよね?ありがと!だから、もう紫苑は我慢しなくていいんだよ!婚約関係は今日で終わり!お互い幼なじみに戻って、お互い新しい人生をッ」
「あのさぁッ!!、、」
「俺別に我慢してる訳じゃないんだけど、ていうか、彼女作るって何?いらないんだけど、それに、美月が彼氏作りたいから婚約辞めたいって話?そういうことなら許さないよ?婚約だって俺がしたいからしてるの。だから俺が辞めたいって言うまで辞めないから。てか、何?美月好きな人いるの?誰そいつ。」
…あれ、なんか想像と違うぞ?
思ってたより私は好かれてたのか?温和なふわふわイケメンだと思ってたけど、結構黒い部分見えてるぞ?あれれ、あれぇー…?
「し、紫苑さん、、?私が好きな人いるとかじゃなくてね?紫苑に好きな人できた時に私って存在がいたら邪魔になっちゃうから破棄しとこ?って意味なんだけど…、」
「だから、俺は破棄しないって言ってんの。美月が邪魔だなんて思ったことないし、これから先もないから婚約は絶対に破棄しない。だからこの話はもう終わり。…分かった??」
「う、うん、、。紫苑がそれでいい…ならいいです。あ、でもしたくなったら言ってね?すぐするから!」
「そんなこと言う日は来ないから大丈夫だよ。」
…、まぁ今はヒロインに出会ってるわけじゃないからこうなるのも無理ないか…。
嫉妬の性質かは分からないけど、黒い部分は見えたな。というか、ヒロインと会ったらこれが加速してくんだよね?私を殺そうって思考が加速する前に早く破棄しないとなぁ…、はぁ…。、
「…じゃあ、冗談も終わったことだし、姉さんに起きたよって教えてくるね。
(なんで美月はあんなこと言い出したのかなぁ。美月が好きそうな奴は視界に入らないようにしてたはずだから、好きな奴なんていないはずだし。大学で出会い探そうとしてるのかなぁ。…そんなの絶対許さないけど。)」
扉がしまって、階段を降りて行く影を目で追いながら、私は今後の対策を立てておこうと心に誓った。
早速、攻略対象であるひとりと出会ってしまった美月。
まだまだこれからヒロインや攻略対象達が出てきます。じわじわ投稿していきます。よろしくお願いします。m(_ _)m