ゼロダの冒険
「譜瓶さん譜瓶さん! 次は何をしますか!!」
「いや、俺は酒でも飲みながらゆっくりしてるよ」
「えぇーつまんないっす」
「この前買ったあれは? まだやってねぇだろ」
「あぁ、ゼロダの冒険っすか。一人用はどうかなって思ったけど」
「興梠がやってるところを見てるよ」
「見てるだけでいいんすか? つまらなくないっすか?」
「そうでもないな。人がやってるのを茶々入れながら見るのも乙なもんだ」
「茶々は入れるんっすね!? まぁ、そこまで言うならやってみるっす」
そしてゼロダの冒険が始まった。
「そっち行ったら水かきがあるらしいぞー」
「何でネタバレするんすか!?」
「茶々入れもナビゲータの役目だからなー、ひっく」
「酔ってるだけじゃないっすか……」
「ビールに合う御菓子はやっぱりこれだなー、ポリポリ」
「ゲームにも合うっすよー、ポリポリ」
「その裏に宝箱があるって」
「あ、あった。このシリーズこんなにスムーズに進めるの初めてっすよ」
「二人だと楽勝だなー、ひっく」
「そ、そうっすね……」
「ん? どうした興梠??」
「な、何でもないっすよ。ちょっと嬉しかっただけっすから」
「だよなー」
「ふぇっ……?」
「水かきがあったら水場を泳げるもんなー」
「……そうっすね」
「ほらほら聞かせてくれよー」
「しょうがないっすね……。せーの」
テロリロテロリロッ。
「「ごまだれーっ!!」」
今日も楽しそうな声が狭いアパートに響いていた。