42.叙爵
実験的に〈アーティフィシャル・プレイグ〉を起動する。
人間と通常の動植物には全く影響がなく、魔物にのみ感染する疫病だ。
檻の中の魔物はすぐに衰弱した。
別の檻にいる家畜は無事。
もちろん檻の中にいる犯罪者にも効果なし。
――成功だ。
俺は魔物の弱体化を確信した。
▽
クラリスに機械トークンから得られる動力源の出力を回転力ではなく闇のマナとなるよう改造してもらい、〈アーティフィシャル・プレイグ〉を発動する魔法の品を作成してもらった。
円筒形のそれは、筒の上部から絶えず魔物に対する疫病を発生させるもので、これを街の外縁部に置いてからは、魔物が近づくことはほとんどなくなった。
この〈アーティフィシャル・プレイグ〉と疫病発生機を王都の魔術師学院に論文つきで送りつけた。
反応は劇的だった。
すぐに疫病発生機の量産依頼が来て、またもや大儲けすることになった。
王国の街には疫病発生機の設置が王国法で義務付けられ、王国で魔物が健在なのは都市部から離れた山奥か、ダンジョンくらいのものとなったのだ。
ちなみに例のダンジョン都市の領主は更迭され、いまダンジョンは王族の管理下に置かれている。
さてこの成果により、俺は辺境伯の騎士という身分から、一気に子爵に成り上がった。
一代限りではない、永代の貴族に出世である。
十八歳にしてマルカバッソ子爵家当主。
魔物は王国内に限定すれば駆逐され、俺は満足していた。
この技術が他国に広がることはないかもしれないが、女神の依頼はクリアしたも同然だ。
俺の人生はまだまだ先は長いが、マジックナイトの魔法とオリジナルの魔術の数々でどんな困難も乗り越えて行ける気がした。
かくして魔物の絶滅に寄与したとして歴史に名を残すことになったサン・マルカバッソの物語は続く――。
もうちょっとだけ続くんじゃ




