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機械技師のクラリスが生み出す機械トークンは、デッキをリセットすれば消滅してしまう。
しかし機械トークンを分解して破壊した状態にすると、その限りではない。
そのことを利用して、機械トークンをバラして動力源を取り出し、モーターを量産した。
動力源は空気中のマナを取り込み、回転力を生み出し続ける。
永久機関の完成だ。
「オーナー、この動力源、どう使うんですか?」
機械技師のクラリスが目を輝かせながら機械トークンをバラした部品を眺めている。
動力源以外の部品も金属製だから、鋳潰せば立派に使える。
動力源は磁石と銅線をつくって発電機にした。
クラリスはそこから通信機を作成して神算鬼謀のデルフィーヌに渡した。
デルフィーヌは通信機を軍事利用するために、通信兵の育成を始めた。
通信距離は比較的長く、この動力源を使った通信機は辺境伯にも献上された。
これで何かあったときには、辺境伯とすぐに連絡が取れる。
発電機から電灯を作り、冷蔵庫を作り、エアコンを作りと、クラリスは様々な電化製品を実用化していった。
これらは魔法の品として高額で販売することで、多額の利益を上げた。
動力源のパーツが実質タダなので、原価に対して利益が凄まじいことになっているが、そこは街の経済発展に大きく貢献しているから良しとした。
冷蔵庫などの発明により、国の端っこにあるこの街に、王都から商人がやってくるようになった。
商人も空荷でやってくるわけじゃないから、この街で王都の品を仕入れることができるようになった。
経済発展は留まるところを知らず、街の規模はいつの間にか一回りほど大きくなっていた。
戦争で国が変わったこの街だが、これだけの発展具合をまざまざと見せつけられれば、俺の支持率もうなぎのぼりである。
マルカバッソは辺境にありながら、王国で最も進んだ街になっていた。
▽
さて魔物討伐の話だ。
女神から依頼されていた件なのだが、実は目処が立った。
それは2年の間に何度か引いたブースターパックから出た一枚のカードだった。
(R)作為的な疫病 ②闇
俺も引いてからしばらく、この呪文カードの効果が魔物を駆逐するための鍵となることに気づかなかった。
作為的な疫病は、対戦相手の場にいる魔物に-1/-1の修正を与える呪文カードだ。
味方には一切、影響を及ぼさずに対戦相手にのみ影響を与えるという部分が素晴らしい。
この作為的な疫病を魔術化して、魔物のみに効果のある魔術にすることができれば、この世界の魔物を駆除、もしくは大きく弱体化できるはずなのだ。
俺は呪文の魔術化を研究してきた経験を総動員して、作為的な疫病の魔術化を進めた。
〈アーティフィシャル・プレイグ〉。
それが新しい魔術である。




