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マジックナイト ~TCG世界大会優勝者の俺が異世界で魔物を駆逐するまで~  作者: イ尹口欠


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23.ブースターパック購入

 マルカメーヌ辺境伯領にたどり着くまでに、話のストックを切らして魔術の話を延々とすることになった。

 馬車の中で光の魔術の練習だ。


 元々光属性に適性のあったナーシアはすぐに〈ライト〉と〈ヒーリング・ライト〉を覚えた。

 今まで覚えていなかったのがもったいないくらいあっさりと習得したのだ。


 エステルも得意属性ではなかったが、馬車旅の間になんとか〈ライト〉と〈ヒーリング・ライト〉を習得した。

 魔術学院に入るというだけあって、魔術は得意な様子だった。


 家庭教師の話は受けることにした。

 ただし家庭教師になれるのは俺とナーシアだけだ。

 ザザたち召喚されたモンスターたちの技は、魔術ではなく魔法であるため、家庭教師になっても教えることはできない。

 だからザザたち四人は冒険者として領都で魔物退治をしてもらうことにした。


 心配なので、ブースターパックを開けていき人間の固有名詞モンスターを二枚引くまで粘った。


 結果は、SRの粗野な古参兵ギュスターヴ、同じくSRのアカデミーの魔術師ヘランジェールを引き当てた。


 (SR)粗野な古参兵ギュスターヴ ②火火 3/4

 (SR)アカデミーの魔術師ヘランジェール ③水 4/2


 粗野な古参兵ギュスターヴはアタックかブロックに参加する度に味方モンスターを強化するという能力を持っている。

 これに孤狼の血筋というエンチャントをつけて強化した。


 (R)孤狼の血筋 地火 +2/+2


 孤狼の血筋は攻撃力と防御力に修正があるだけではなく、地属性と火属性のマナをつぎ込むことで一時的にワーウルフに変身して更に+2/+2の強化を受けることができる。


 アカデミーの魔術師ヘランジェールは、自分の攻撃力分のダメージを任意のモンスター1体に与えるという強力な能力を持っている。

 彼女には余っていた豊かな成長をつけ、巨乳……もとい好きなマナが出るようになった。


 豊かな成長は巨乳趣味でつけているわけじゃない。

 マナを出せるこのエンチャントがあることで、孤狼の血筋にマナを与え、ギュスターヴをワーウルフに強化することができるのだ。


 かくして前衛にザザ、フランセット、ギュスターヴ。

 後衛にシャルリーヌ、リュシエンヌ、ヘランジェール。

 六人のバランスのいいパーティが出来上がった。

 彼らには収納鞄と占術の鏡を預けて、主に討伐依頼を受けるように言っておいた。

 女神に言われた目的を忘れているわけではないが、このまま冒険者を派遣するばかりではちっとも魔物は減らない。

 どこかでやり方を変えた方がいいな、と思いながら六人を送り出した。


 ▽


 さて俺とナーシアはエステルの家庭教師だ。


 俺自身、火の魔術とエドワールから教わった魔術くらいしかないので、辺境伯の屋敷にある魔術書で勉強だ。


 ナーシアはさっそく木剣でエステルをやり込めている。

 ナーシアはなんだかんだダンジョンの深い階層に潜ってやっていける腕前がある。

 護身術には度が過ぎているかもしれないが、彼女の元で剣を振るうのはエステルにとって悪くない。


 俺は自身の勉強を進めつつ、エステルの得意属性である火属性と風属性の魔術について見ていた。

 偶然にも俺の習得している魔術と重なっていたので、しばらくは楽ができるかと思いきや……。


「〈フレイムジャベリン〉!」


 シュボッ! と炎の投槍が的を貫き、的の後ろにある土手に突き刺さった。

 俺の母ニーウの得意魔術だ。


 しかしエステルには上手く〈フレイムジャベリン〉を撃つことができなかった。

 どうもマナを集めるのに苦労しているようで、〈フレイムジャベリン〉を発動するのに必要なマナを集められないようだった。


 生まれた時からマナが身近だった俺には分からない感覚だ。

 仕方がないので、火属性のマナをマナカードから生み出して、マナのある状態にして撃たせてみる。


「ええい、〈フレイムジャベリン〉!」


 エステルの放った〈フレイムジャベリン〉は的を吹き飛ばして土手も破壊してしまった。

 どうやらマナを集めすぎたようだ。


「凄い! サン、あなたマナを集めるのが上手いのね。どうやるのか是非、教えて欲しいわ」


「マナが集められないと魔術が発動しないからね。マナを集める訓練方法がないか、ちょっと調べてみるよ」


 マジックナイトのマナカードを使わなくても、俺は〈フレイムジャベリン〉を扱える。

 ということは、エステルも訓練次第で扱えるようになるはずだ。


 俺は辺境伯の屋敷にある蔵書を片っ端から当たり、マナを集めるコツについて言及しているものをピックアップしていった。


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