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マジックナイト ~TCG世界大会優勝者の俺が異世界で魔物を駆逐するまで~  作者: イ尹口欠


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15/46

15.ブースターパック購入

 二パック目を開封した。


 (SR)太陽の王笏 ④

 (R)業火のヘルハウンド 火闇 3/2

 (R)残酷な剣 ②闇闇 +4/+0

 (C)炎の壁 火火 3/3

 (C)秘術の液体 ①水

 (C)詠唱の守護者 ②光光 2/4

 (C)恐怖の工作員 水闇闇 2/3

 (C)豊かな成長 地 +0/+1


 二パック目のSRはアーティファクトの太陽の王笏。

 起動することでオーナーやモンスターにダメージを与えるなかなか強力なアーティファクトだ。

 収納鞄のように、実際に手に持って起動すると思われる。


 Rの一枚目は業火のヘルハウンドだ。

 火のマナをつぎ込むことで攻撃力を上昇させる能力をもった強力なモンスターである。


 Rの二枚目はエンチャント、残酷な剣だ。

 高い攻撃力修正に目が行くが、この剣を装備したモンスターが倒したモンスターは、墓地に置かれずゲームから取り除かれ再利用などを防ぐという効果を持つ。


 Cの一枚目は炎の壁だ。

 これは名前の通り、攻撃に行くことができない壁である。

 攻撃力のある攻性防壁といったところか。


 Cの二枚目は秘術の液体。

 これは輝く薬液に劣るものの、オーナーのライフポイントを回復する効果を持っている。

 期待の回復魔術だ。


 Cの三枚目は詠唱の守護者。

 このモンスターが場にいると、呪文が打ち消されることがなくなるという能力をもった優秀なモンスターだ。


 Cの四枚目は恐怖の工作員。

 相手のモンスターにブロックされることなくオーナーにダメージを与えることができ、更にダメージを与えると手札を捨てさせるというエゲツないモンスターである。

 この世界ではどのような活躍をするのかは未知数だ。


 最後のCは豊かな成長。

 防御力に+1するうえに、モンスターが好きな属性のマナを生み出すようになる。


 さあ、デッキに使えそうなカードを入れて『イクイップメント』し、順番に召喚しよう。

 今回はワームなどの見るからに魔物のようなカードは抜いておくことにした。

 召喚しても味方に敵だと思われそうだからだ。


 茨姫シャルリーヌに野生の装束と豊かな成長を与え、太陽の王笏を持たせた。

 結果として、セクシーなシャルリーヌが出来上がった。

 特に豊かな成長を与えたところ、胸のサイズが見るからに上がったのは誤算である。

 しかし自前で地属性のマナを生成するためにも豊かな成長は必須だ。


 残酷な剣は俺の腰に佩くことにした。

 いざとなったら魔術ではなく剣で戦うこともあるし、シャルリーヌに王笏を持たせた以上、剣の使い手がいないからだ。

 恐らく竜巻の拳闘士ザザに持たせても使ってくれるだろうが、格闘家として通っているザザがいきなり剣を使いだしたらみなが不審な目を向けることは想像に難くない。


 準備は整った。

 早速、シャルリーヌを冒険者登録しよう。


 ▽


 翌日、パーティメンバーに新たにシャルリーヌを加えることを話したが、なぜかナーシアが涙目になった。


「ナーシア。別に俺とシャルリーヌはなんでもないぞ。純粋に実力を認めてスカウトしたんだ」


「……ほんとう?」


「ほんとだって。ザザだってスカウトして良かっただろ? シャルリーヌも実力者なんだよ」


「……ふうん」


 ナーシアがシャルリーヌの胸をガン見している。

 やはり豊かな成長はよくなかったらしい。

 いや野生の装束も際どいので、エンチャントを与える相手を間違えたようだ。


 エドワールは「そんな実力者がいたとは知りませんでした。どこでお知り合いになったのですか?」とシャルリーヌの出どころを探ってきた。


「偶然、この街についたばかりのところをスカウトしたんだ」


「この街に来る前は一体、どこで何をなさっていたのですか?」


 エドワールはシャルリーヌの登場に不信感を持っているようだ。

 いや、それとも単純にセクシーなシャルリーヌの出自が気になっているのか?


 リリアナは我関せずといった態度でいる。


 新しい仲間は波乱の加入となった。


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