14.ブースターパック購入
森の主を倒したことで、俺たちの中で森は卒業でいいかな、という雰囲気になった。
だから今日は山岳地帯での狩りとなる。
山岳地帯には身長が五メートルほどもあるヒルジャイアント、両腕が翼になっており両足が鉤爪の女性の魔物ハルピュイア、雷を放ち高速で移動するサンダーバードなど、森より凶悪な魔物が多い。
まず山岳地帯に入ってしばらくしたところで、ヒルジャイアントを発見した。
あちらは高身長なので見つけるのも逃げるのも楽な相手だ。
とはいえ魔物なので、狩ることに決めた。
ヒルジャイアントはこちらに気づくと、手にした巨大な棍棒を振り回す。
ナーシアとザザは近づくことができないため、リリアナの弓矢と俺とエドワールの魔術で攻撃するしかない。
俺は風のマナカードからマナを引き出しながら、〈ウィンドセイバー〉を連打した。
エドワールも隣で〈ウィンドセイバー〉を放っている。
何度か放った〈ウィンドセイバー〉が遂にヒルジャイアントの首を刈り、俺たちは山岳地帯で初の勝利を得た。
「ヒルジャイアントの換金部位はどこになるんだ?」
巨大な人間のような魔物だ。
肉などが換金部位になるとは思えない。
「確かヒルジャイアントは装飾品を好むとか……ほら、指輪をしています」
「本当だな。これ金じゃないのか?」
「多分、そうですね」
エドワールとザザがヒルジャイアントの指輪を外す。
巨大な指輪、これが金でできているならかなりの稼ぎになる。
「ところで、新しい道具があるんだ」
俺は収納鞄に巨大な指輪を入れて見せた。
「まさかマジックバッグ!? どこでそんな高級な品を!?」
「初めて見たわ」
エドワールとリリアナが驚いている。
ナーシアもポカンと口を開けている。
冷静なのは予め知っていたザザくらいのものだ。
「これでより多くの獲物を持ち帰ることができるだろう?」
言葉通り、片っ端から狩った魔物を収納鞄に詰め込み、その日の稼ぎは森での稼ぎを遥かに凌ぐものとなった。
▽
ヒルジャイアントの金の指輪、ハルピュイアの美しい翼、サンダーバード。
いずれも高額で買い取ってもらえたので、収入は俺とザザ、合わせて金貨一枚分、すなわちブースターパックふたつ分の稼ぎになった。
というわけで、早速ブースターパックを購入する。
今回はまずひとパック目。
(SR)茨姫シャルリーヌ 地地地 3/3
(R)野生の装束 ②地 +1/+1
(R)天界の戦士 ④光 4/5
(C)アカデミーの干渉 水水
(C)電光石火の義賊 ①火 2/2
(C)輝く薬液 ①水水
(C)風生みの修道士 風光 2/2
(C)ゾンビ使い ②闇 3/2
じゃあ順番に見ていこうか。
まず最初のパックのSRは、茨姫シャルリーヌだ。
彼女は地のマナを支払うことで、モンスターを一時的に無力化するという拘束能力を持っている。
素晴らしい支援役だ、是非とも召喚して仲間にしたい。
Rの一枚目は野生の装束。
モンスターの攻撃力と防御力に+1ずつするエンチャント呪文だ。
エンチャント呪文は、モンスターが破壊されない限り永続的に効果を発揮するのだが、逆に言えばモンスターを破壊されることで無駄になるとも言える。
実際のゲームではあまり使われなかったが、この世界では積極的に使っていけるだろう。
次のRは天界の戦士だ。
飛行能力を持った4/5のモンスターとあって、単純だが強力だ。
Cの一枚目はアカデミーの干渉。
対戦相手の呪文を打ち消すという効果で、この世界においては使い所が難しい。
Cの二枚目は電光石火の義賊。
こいつはダメージを与えたオーナーの手札を捨てさせるという効果を持っているが、この世界ではただの2/2だと思われる。
Cの三枚目は輝く薬液。
オーナーのライフポイントを大きく回復する呪文だ。
強力な回復魔術として使える気がするので、嬉しい一枚である。
Cの四枚目は風生みの修道士。
味方モンスターに飛行能力を与えるという能力を持っている。
一時的なものなので、この世界での持続時間が気になるところであるが、もしも空を飛べるなら飛んでみたい。
Cの五枚目はゾンビ使い。
味方モンスターを生贄に捧げることで、2/2のゾンビトークンを生み出す能力を持っている。
トークンというのはゲーム中に一時的に用いられる代用カードのことだ。
ゾンビを生み出す能力は強力なのだが、いかんせん見た目が悪い。
使うことは無さそうだ。
さて次は二パック目を開封しよう。




