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マジックナイト ~TCG世界大会優勝者の俺が異世界で魔物を駆逐するまで~  作者: イ尹口欠


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 さて初めてのブースターパックの開封をしたわけだが、内容を確認しよう。


 (SR)竜巻の拳闘士ザザ ①風風 2/2

 (R)予期した結末 ②水

 (R)丸呑み ②闇闇

 (C)城塞の弓手 ①光 1/2

 (C)大食いワーム ④地地 6/6

 (C)網投げ 地

 (C)脚長の蜘蛛 ①地 1/3

 (C)肉食鳥 ②風 3/1


 まずマジックナイトのカードは、SR(スーパーレア)R(レア)C(コモン)の三種類のレアリティに分かれている。

 SRには強力なカードが多く、Cにはデッキ構築に欠かせないパーツが多い。

 Rはそのちょうど中間で、玉石混交だ。


 ザザを見てみよう。


 (SR)竜巻の拳闘士ザザ ①風風 2/2


 ①風風とはコストのことで、これを支払うことで場にザザを召喚することができる。

 風は風のマナカードから支払われる風マナを用いなければならないが、①はどの属性のマナでも支払うことができる。

 だから①風風とは、風のマナふたつに不特定のマナひとつ、という意味だ。


 2/2という数字は、攻撃力と防御力を表している。

 果たしてこの世界で、2/2がどの程度の戦闘力を持っているのかは不明だが。


 実は竜巻の拳闘士ザザには、これ以外に能力を持っている。

 ザザが攻撃した際、ザザをブロックしたモンスター全てに攻撃力分のダメージを与えるという範囲攻撃能力だ。


 次はRのカードを見てみよう。


 (R)予期した結末 ②水

 (R)丸呑み ②闇闇


 攻撃力と防御力をもたないこれらはモンスターではなく、呪文カードだ。

 予期した結末は、デッキからカードを2枚引いて、1枚戻すというものだ。

 丸呑みは対象のモンスターを破壊するという除去呪文である。


 Cのカードも同じように、攻撃力と防御力をもったカードはモンスターで、そうでないカードは呪文カードだ。


 (C)城塞の弓手 ①光 1/2

 (C)大食いワーム ④地地 6/6

 (C)網投げ 地

 (C)脚長の蜘蛛 ①地 1/3

 (C)肉食鳥 ②風 3/1


 城塞の弓手は攻撃に行く代わりに、任意のモンスターに1点のダメージを与えるという能力を持っている。


 大食いワームは何の能力もないが、高い攻撃力と防御力を有している。

 対人戦では場に出すにはコストが重く、見送られるカードだが、俺のマジックナイトの能力では対戦相手を気にする必要がないため、強力なモンスターカードとして使い物になる可能性がある。

 要検証だ。


 網投げは呪文カードだ。

 モンスターの攻撃力と防御力を下げ、飛行能力を奪うことができる補助的な呪文である。


 脚長の蜘蛛は飛行能力を持ったモンスターをブロックできる能力を持った防御的なモンスターだ。


 肉食鳥は飛行能力を持ち、コストの割に攻撃力が高いモンスターである。


 ブースターパックを開封した感想としては……カードが足りなさすぎ、ということがまず言える。

 マジックナイトではデッキ枚数が六十枚と決まっているため、この中に一枚二枚のカードを入れたところで、引いてくるまでに時間がかかるという点が弱点になる。


 カードゲームと違って対戦相手を気にせずにカードを引いていけばいずれは引けるところが違うからなんとも言えないが、面倒であることは確実だ。


 ……やっぱり実戦で確かめるしかないか。


 そうなると問題は仲間たちの目だろう。

 いきなり人間を召喚したりしたら、どんな反応を返されるか分かったものじゃない。


 しばし考えて、俺は風のデッキにザザと肉食鳥を入れた。

 風デッキを『イクイップメント』し、デッキから初期手札を引く。

 全てマナカードだ。


 気にせずマナカードを場に出す。

 デッキから新しいカードを引く。

 そしてマナカードを出す。


 マナカードを三枚、場に出した時点で今度はカードを引いては墓地に捨てていく。

 十枚ほど引いて捨ててを繰り返したところで、竜巻の拳闘士ザザを引いた。


 俺は緊張する手で、ザザを召喚する。


 その場に満ちていたマナを消費して、――ザザが出現した。


「…………ザザ?」


「はい、オーナー」


 ザザは人間だ。

 だから会話も当然できる、らしい。


「いくつか聞きたい。ザザ、いつまでここにいられそうだ?」


「オーナーもご存知かと思いますが、私が破壊されて墓地に落ちるか、デッキがなくなってゲームが終了するまでです」


「じゃあ俺がこのままの状態で、カードを引かなければ、どうなる?」


「先程も言いました通り、私が破壊されるまで場に留まり続けます」


 何を当たり前のことを言っているんだ、そのくらい俺なら分かっていることじゃないのか。

 ザザはそう言っているような気がした。


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