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プロローグ

 スクランブル交差点―。これは、辞書の定義によると、

 「交差点の種類の1つで、横断歩行者と自動車の交通を完全に分離する方式の歩車分離式信号機が使用される交差点。」

と、いうものだ。

 もう少し詳しく説明すると、

 「一般的な交差点においては、交差する交通が交互に通行するよう信号機が制御されており、例えば十字交差点で歩行者が斜め向かい側(対角線上)に渡る場合、2回道路を横断することになるが、スクランブル交差点では、信号機表示のうち一時的に交差点へ流入する車の流れを全て止めるとともに歩行者信号が全て青信号となる状態が設けられており、歩行者はこの時に交差点内のあらゆる方向へ自由に横断することができる。」

と、いうことである。

 また、このスクランブル交差点が世界で最初に設置されたのは、アメリカ・ミズーリ州カンザスシティとカナダ・バンクーバーで、1940年代、ということだ。

 そして、日本におけるスクランブル交差点は、日付に諸説あるが、熊本県警察史によると1968年(昭和43年)12月1日、熊本県熊本市の子飼交差点が初めてとされている。しかし、今日本で最も有名なスクランブル交差点といえば、東京都渋谷駅北西側の渋谷駅前交差点(通称・渋谷のスクランブル交差点)だろう。これは、日本で最大規模のスクランブル交差点で、1回の青信号で多い時には約3000人が通行すると言われる。信号の切り替わりとともに大勢の人々が一斉に歩き出す様子は、その膨大な歩行者の量から、巨大都市東京を象徴する光景として紹介されることが多く、訪日外国人向けの観光ツアーの日程にも組まれるほどとなっているのだ。


 そして、とある街に存在する、スクランブル交差点―。これが、今回の小説の舞台である。このスクランブル交差点にも、渋谷のそれほどではないが、多くの人が往来し、賑わう街を象徴する交差点となっている。

 そんな中に登場する、4人の男女。これが、今回の小説の主人公たちである。人間の縁とは不思議なもので、例えば初対面で、全く知らないはずの人でも、実はスクランブル交差点で何度もすれ違ったことがあったなど、「縁が遠い。」はずの人でも、「よく見ると近い縁」だということも多い。(スクランブル交差点を横断する人は多いので、こういったことは、意外とよくあることなのかもしれない。)

 果たして、「この街」に住み、今回登場する4人の男女は、遠い縁なのか、それとも近い、近すぎるほどの縁なのか―。これは、そのような人間の「縁」に関する、物語である。


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