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三周目の幼女  作者: 夜月周
序章
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【不思議な空間にて】

初めまして、神代彗(かじろ すい)と申します。

異世界転生や、勇者召喚、それらに近しい体験をした方はいらっしゃるだろうか?

いるならばどうか、どうかこの俺にアドバイスをしていただけないだろうか?



ふと気が付くと目の前には長机とパイプ椅子があった。自分の隣にはまたパイプ椅子。

確かに自分は就活期間中の大学生ではあるが、先日そこそこの会社に内定をもらって就活は終わったはずではなかったか?

「夢か?」

就活に疲れ、夢の中でも就活の夢を見るようになったのか。

夢であると感じたのは、その部屋の様相があまりにも現実離れしていたからだ。

机と椅子だけ見ると簡易的な面接会場なのだが、その周りがあまりにも異常だった。

見渡す限りの闇、下は本当に自分が地に足をつけ立っているのかを疑いたくなるほどに吸い込まれるような黒。

どこまでも続いてそうな闇がその空間を覆っていた。

普通に考えてそれほどまでに光のないような空間であるならば机と椅子等見ることすらかなわないはずなのに、

それらはそのものが光を放っているかの如くしっかりとその形を視認することができた。

その様子が現実ではないと訴えていた。

『夢ではないぞ』

突如女の声がその空間に響いたかと思うと、空間の上方から光が降ってきた。

「うわっ」

あまりのまぶしさに光を手で遮る。その光は闇で覆われた空間を白へと塗り替え始め、光が収まるころには闇で覆われた空間は、

まるで誰にも踏み荒らされていない広大な雪の絨毯のようにすべてを包み込む白に覆われた。

「ふっふっふ。我、降臨である!」

先ほどと同じ声が前から聞こえ光遮っていた手をおろすとそこには法衣を身にまとい腕組をする幼女がいた。

「何を呆けておる?」

先ほどの光と言いこの空間と言い恐らくこの幼女は人ではないんだろう、そしてとてつもなく神々しい存在なんだろう、

「シュールすぎるだろ…」

法衣をまとう幼女の前にはとても質素な机、彼女が座るのはパイプ椅子、尊大な口調とは逆に背にもたれると倒れないかと心配なのか、

膝に手を置きちょこんと座っている。

さながら即売会のコスプレしている売り子さんだ。

「誰が、コスプレイヤーだ!!」

幼女を観察していると突っ込みが入った。

あれ?今俺は声に出していたか?

「声に出さずともお主は今魂のみの存在、遮るものがない以上我に対しては心の中もだだもれじゃ」

ふふんと腕組をして幼女が胸を張る、成長が見られないその小さな胸を。

「誰が貧乳じゃ!そちはちと無礼すぎるのではないか!?」

顔を赤くして幼女が怒る。

「幼女幼女うっさいわ!我の名はディーネ!創造神であるぞ!もっともお主のいた世界とは別の世界じゃがな」

どうやらこの幼女は異世界の創造神という設定らしい。

「設定ではないわ!たわけが!」

いや、事実なのかもしれないが即売会のようなこの机と椅子のせいで、コスプレイヤーにしか見えない。

「この机も椅子もお主のせいじゃろうが!」

「そうなのか?」

「ようやく、しゃべったか」

ふうと息を吐き、創造神を自称する幼女はパイプ椅子に座りなおす。

「俺のせいってどういうことなんだ?」

「それはだな、お主が楽にできるようにお主の記憶にある強く印象に残ってるものを用意したからな」

あのときか…。少し考え思い当たる。

仕事先が決まった後にあった面接会場だ、専門学校に進んだ後輩に頼まれ、入社したくもない会社の面接に連れていかれた時のことだ。

明らかにブラックで面接会場の設備すらもケチったのかパイプ椅子も机も錆が目立ち座れば軋み、今にも壊れるのではないかと

おおよそ普通の面接では心配する必要のないようなことを心配していた記憶がある。受かる気はなかったが椅子に座ったら椅子が壊れて転んだなんて

恥をかきたくなかった。そしてこんな会社、頼まれても入りたくないと思ったものだ。ちなみに後輩は落ちた、ここにすら入れない後輩の就活は大丈夫なのだろうか?

閑話休題、あのことは確かに最近であるのもあり強く残ってはいるが…

「ディーネ…様?、強く残るものはいいものばかりではないのですよ?」

思わず頭を押さえつぶやく、てことはなんだ強く残っているものであれば一生座ることはないであろう高級な椅子や机でも出せるのか?

後輩を恨むぞ、畜生。

「一応新品ではあるぞ?」

新品ではあってもパイプ椅子なんだよ。もっとふかふかしたソファがよかった。

「すっすまぬ、とっとりあえずお主も座ったらどうだ?」

パイプ椅子に座り意識を切り替え創造神と名乗るディーネを見る。見た目は10歳前後だろうか。

白い法衣を身にまとい白い髪は短く切りそろえられている。注目すべきはその美しさだ、別に幼女趣味(ロリコン)ではないがその顔の造形は中世的でありずっと見ていたいとさえ思えてしまうほどだ。

言動がどことなく残念さを感じるのだが…

「とにかくっ!説明をはじめるぞ!」

説明?

「ちょっと待ってくれ、先にここはどこなのか教えてくれ。俺は確か、大学から帰っている途中だったはずなんだが?」

就職先が決まり世話になっているゼミの先生に報告をした帰りだったはずだ。

駅のホームで電車を待っていたはずだ、でもその先が思い出せない。

「結論から言うとお主は死んだ、電車にひき肉にされて即死じゃ」

「…っ」

そうかもしれないとは思っていた。魂だけの存在、つまり肉体がないということだ。

では肉体はどうなったのか?考えるまでもない。

暇な時間によく読んでいたラノベにある展開、

予想していたとはいえ自分の死を知るのは結構ショックなものであるらしい。

「俺はどう死んだのですか?」

「就活?とやらにお主の思っていたより体は疲れていたのだろうな、報告も終わり安堵したから一気に疲れが来たのじゃろうな、そのままパタリと倒れた先は電車が来る直前の線路だった。そんな最後じゃよ」

なんとも間抜けな最後だった。生前の自分に帰るまでが遠足だという言葉を送りたい。

「整理はついたかの?それでは本題に入らせてもらうぞ」

さてと、そういいながらディーネは深く座り直し机に腕をつきこちらを見る。

「そなたには我の世界に来てもらいたい」

ディーネの口から飛び出したのはよく読んでいた小説のジャンル、異世界転生と呼ばれるもの始まりを告げる言葉だった。

全然進まない、ページは何文字くらいで区切ればいいのか?

わからないことだらけで手探りですすめております。

拙い文章ではありますがお付き合いいただけると幸いです。

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