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つくもいちっ!  作者: 花津 茉莉
1/1

少年、付喪神と出会う

僕の名前は時田羅針。至って平凡な、何処にでもいる十六歳の高校一年生。


突然ですが、付喪神はご存知ですか?


付喪神とは、我が国日本に古くから伝わる、想いのこもった物に宿る精霊みたいなものだ。


そして、今その付喪神であるトキネが、僕の前にいるわけだが。


「何遠い目をしているのです?羅針」


そう言った彼女は、何を隠そう、僕が持っていた懐中時計に宿った付喪神、トキネ。


まぁ、僕は昔のオカルト。というか迷信だったりについて調べていたりするわけで、付喪神自体にはあまり驚いてはいない。


その後彼女に聞かされた話に、僕は戸惑っていた。


「羅針?」


心配そうに僕をキョトンと見詰めるトキネ。その綺麗な黒い瞳に、はっと我に帰る。


「あぁ、ごめんごめん。で、なんだっけ?」


「ですから、付喪弌大戦です」


付喪弌大戦。トキネの説明によるとそれは、五十年に一度、付喪神の頂点、付喪大神を決める戦いらしい。そして、その付喪弌大戦には、特に優秀な、たったの十人の付喪神しか出られないそうな。


しかし、トキネは――


「それに選抜されたと」


「はい。“羅針の懐中時計”の付喪神である私が、選抜されたのです」


「えーと、何ゆえ?」


「愛です」


「愛」


「羅針は、他の女性との関係を持たず、その懐中時計だけを愛してくれました。その愛が、今回の選抜に繋がったのです」


確かに、僕はこの懐中時計をお爺ちゃんに貰ってから十年の間、肌身離さず持っていたし、女性との付き合いもなかったけど……。


「羅針、私と共に戦っては頂けませんか?私には、貴方しかいないのです!」


「うーん……」


「お願いしますっ!」


「……まぁ、女の子にそこまで頼まれたら、断るわけにはいかない……かな?」


僕がそう言った途端に、トキネの顔がパァッと明るくなる。


「ありがとうございますっ、羅針」


「ううん。頑張ろうね、トキネ」


「はいっ!」


そうして、僕とトキネの戦いは始まる。

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