一年後
「・・・うん!あの時は、ありがとう!
おじさんのおかげで、だいぶ楽になったよ!
それにね!琉斗も、今日で一歳になるんだよ!
もう、離乳食も食べる様になったのよ〜!
それに、伝い歩きだってできるのよ〜!」
黒電話を片手で持って耳に当てながら
もう片方の手で足にしがみついて立っている
琉斗の相手をする梨華は、
すっかり子煩悩な親バカと化した様子で
心底嬉しそうに笑いながら大賢者に報告する。
「・・・お、おう。
ずいぶんと、まあ、親バッ・・・コホンッ
子煩悩になったな〜。」
大賢者は、電話越しでも伝わる
その親バカッぷりに思わずそう言いそうになり、
慌てて咳払いをして言いかえる
「だって可愛いんだもん!
スプーンでツンツンってつつくと口を開けて、
離乳食をモグモグって食べてくれる琉斗も可愛いし、
どこまでも付いてくる琉斗も可愛いし!
それにねっ!ねーねって!
私のことねーねって読んでくれるようになったのよ!
ねー!すごくない!?」
「・・・ああ。そうだな。
とりあえず、君が琉斗を充分すぎる程
愛して可愛がってるって事は分かったよ。
安心した。正直ちょっと、心配だったんだ。
ホントは俺も一緒に育てられたら
よかったんだが・・・・・・」
申し訳無さそうに言う大賢者に、
梨華は、首を振って、それから電話越しだから
それでは伝わらない事に気づいて苦笑しながら
明るく笑って言う。
「ううん。別にいいの。
おじさんが、そんな事したら
悪目立ちしてバレちゃうかもしれないし、
王都だと貴族や王族がいっぱいで危ないし
おじさんがここに住む事も、
できないってのも分かってるしね。
・・・第一おじさん、そんな暇ないでしょ!
忙しいんだから!」
「・・・まあ、そうなんだが・・・
やっぱり一人だと心細くなったりする事もあるだろ。
まだ、梨華は、子どもなんだから・・・」
そう言って、心配する大賢者に、梨華は、
「もう子どもじゃないもん!
もう、十七だし!大学院も卒業してるし!
飛龍だって一人で倒せるのよ!」
意図せずに逆に子どもっぽい口調で主張する。
「そうかそうか。それじゃあ、
そんな大人な梨華と琉斗の様子でも見に行くかな。
君の十七歳と、琉斗の一歳の誕生日を祝いたいしな。」
そう、からかうように言う大賢者に
「んもう!・・・じゃあ、暇な時にでも来て。
それまで、琉斗の誕生日祝いは取っておくから。」
頬を膨らませてそう言って了承する。
「いやいや、それじゃかわいそうだろ。
先にやっててくれて構わんぞ。」
その、言葉に苦笑して答える大賢者に
「でも、二人だけじゃなんか寂しいもん。」
梨華は、唇を尖らせて言う。
「んー。仕方がないな〜!
それじゃあ、俺が今日行くってのでどうだ?」
そんな、梨華の様子に、
大賢者はそう言いながらも嬉しそうに言う
「うん!それが一番だよ!」
その提案にこちらも嬉しそうに答える梨華は
ふと、思い出したように心配する。
「・・・ああ、でも今から戻って来て間に合うの?
ていうか、大丈夫なの?
忙しいんじゃ・・・」
「大丈夫さ。嬉しい事に今は国内にいるもんでね。
しかも、何の用事もないから
すぐにでも行けるって訳さ!」
そんな梨華の言葉を遮る様にして言う
大賢者は、随分楽しそうに言う。
そんな姿と普段ならあり得ない程何も無い事に
(いつもなら大抵国外にいるか
何らかの仕事があって暇な時など殆ど無いのである。)
もしかして、これは始めからそのつもりだったな?
と、思わずにはいられない梨華は
思わず声を出して笑って言う。
「ふふっ!・・・そっか!
ありがとう。じゃあ、よろしくね。」
「ああ。すぐに行くからな。」
「うん!待ってる。
・・・じゃあ、またね。」
「おう!じゃあな。」
そう言って、電話を切った梨華は、
後、何時間かしたらだろうなー
楽しみだなー。なんて、思いながら
屈んで琉斗と目線を合わせ
「琉ちゃん!おじさんが来てくれる事になったよ!
一年も前の事だから覚えて無いかもしれないけどね、
琉ちゃん、おじさんに懐いてたんだよ!
よかったね!琉ちゃんの誕生日祝いしてくれるって!」
頭を優しく撫でながら話す。
すると、琉斗は理解出来ずに首を傾げながらも
「・・・だあ!」
と、元気よく返事をする。
その、愛らしい姿に
「にゃーっ!かわい〜い!」
思わずそんな声を上げて抱きつきギュッと抱きしめる。
「よおし!じゃあ、おじさん来るまで遊んでよっか!」
そして、そう言って、そのまま抱き上げ
遊び場のあるリビングまで連れて行く。
琉斗は、キャッキャッと笑い
「あー、あー!」
と、そう言う。
「そうそう!遊ぶの!あ~そ~ぶ!」
それに、嬉しそうにニコニコと笑って答えると、
「あ~そ、あ~そ!」
琉斗は、真似してそう言う。
「琉斗〜!ちゃんと言えたじゃない〜!
すごい!すごい!」
それに、梨華は興奮して喜びをあらわにして
「じゃあ、あ~そしようね!」
今度は、梨華が琉斗の真似をして言う。
「う〜!」
それに、琉斗も、
うん!・・・とはまだ言えないもの返事をする。
そうして、笑いあいながら
二人はリビングへと向かって行った。
(注)ここで、書かれている子育ては、
ほぼ全てがネットから拾ってきた物と想像です。
そもそも、魔法を使ってる時点で
普通の子育てとは全然ちがうんですけどね(笑)
因みに、梨華は、飛び級で大学院まで卒業してます。
小学校は、一ヶ月もしない内に卒業しました。
中学校は、そもそも入る前から
入らなくても良いって言われて
入学式の日に卒業証書をもらってます。
高校は、魔術学園に入って半年で卒業してます。
因みに高校に入ったのは十二歳の時です。
大学と大学院は合わせて半年程で卒業してます。
その時梨華は、十三歳・・・と。
ハイスペック過ぎんだろ!




