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灰と烏  作者: 胡子
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砂漠の国




砂を含んだ風が上空で荒れ狂っている。

この時期決まって吹く偏西風は、海を挟んだ隣国まで砂を運ぶらしい。

だからこちらに面した隣国の海岸線は真っ白なのだ、と誰かが言っていた。

この国の大半は砂漠だ。その砂は磨いたように白い。偉い学者たちは説く。

この大陸は大昔海底で、何億年か前に隆起して陸になった。

その時、海底を住家にしていた貝や魚の骨が砕けて白い砂になったのだと。

それを裏付けるように、この国には塩水の井戸が多い。

富める者は井戸水を蒸留して真水を作り出し、貧しい者は気まぐれな空を見上げ雨を待った。

各家に雨水瓶が有り、さらに各区画の地下に煉瓦と漆喰の貯水槽があった。

それでも水に飢えていた。

新鮮な真水は金と等価で取引された。




ここは白い砂漠の国。

塩をはじめとして、様々な商品が取引される交易の国。

対価さえ払えば、手に入らないものはこの世に無いと言われる国。

一日に何度も駱駝らくだを連ねた商隊が砂丘を行き交う。

その海岸線に近い花街の一つに、珠里シュリは売られた。






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