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三度目の目覚め

(う、うーん。やはり、体を動かせんのは気持ちが悪いのう。ちょっと聞いてみるか。)

ワシはそう思い、眼を開けてやはり、目の前にいた女性に尋ねた。

「少し、尋ねるが。この中で運動は可能か?可能なら、少し手足を動かしたいんじゃがの。」

ワシがそう尋ねると、女性が

「うーん、あまりその状態で運動するのは感心しないわね。理由を言おうかしら?」

「頼む。」

ワシの好奇心を良いことだと捉えたらしく、女性がニッコリと笑って

「まず、今のあなたの状態は母のお腹に入っている状態と同じなの。だから、その中で運動してもし筋力が必要以上に付いてしまえば、生まれた時に骨の成長が筋肉によって阻害される恐れがあるの。ここまでは良い?」

(筋肉とは力の事じゃな?そして、骨とは体を支えている物の事じゃろう。何となくは解る)

そう結論を出すと、ワシは頷いて先を促す。

「そして、本来なら幼児期にハイハイをしながら自分の体を動かすことに慣れていくのをその中で済ませてしまえば」

「しまえば?」

「体と頭が繋がらず、立ち始める頃には平衡感覚のおかしくなった状態で固定される危険がある。・・・ま、必ずそうなるとは限らないけどね?もしかしたら、生まれてから、直ぐに立てるようになる位成長するかもしれない。けど、私は自分の子にそんな危険な橋は渡って欲しくない。その為に、少し早いけど退屈しのぎに、私が知っているこの世界の知識、常識、歴史を教えてあげる。あ、運動にならない位の寝返りとかなら大丈夫だと思うから。貴方は耳を傾けるだけでいいわ。解らないことが有れば質問して?」

「解った。よろしく頼む。」

「はい、任せなさい。」


そうして、この星系に関する授業が始まった。


この星系は大凡3000年前、人類が自らの星、通称惑星ドハルから、一人の魔法士が自らの魔法と科学技術の全てを融合して、造った惑星間航行型全自動遊覧船オオハラ(なんと、船の中で惑星の中と同じ環境が送れる、正に小さな惑星だという事らしい。)に自分の創造した人型ガーディアンと希望した民間人、亜人、魔獣など、約1000万種、1000億の生命体を連れて惑星外に自由と新たな発見を求めて旅にでて、100世代を数える程に旅した先に見つけた新天地らしい。

勿論この時には件の魔法士はこの世に居ないが、その子孫と、創造したガーディアンが、その星系の中に移民してきた者たちの住める惑星を探し、物資を与え、それぞれが希望する惑星へと移住していった。中には、ここまでの移動中にSPに目覚めた新人類が、他の旧人類との確執を避けるため、コロニー群を作り(移動中に科学知識は基本修学科目であった。その為、皆、坊さんシステム(OOHARA・ORIJINAL・OUTOMACHIKKU・BLAIN)を標準装備したAI付き半自動稼働装甲エレファントスーツ、通称Eスーツを着用し、専用知識が無くともスーツが勝手に作業をしてくれた。)そこに移り住むようになった。これが、後のニューエイジの子孫との事だ。

SPサイキックパワーは、多岐にわたり、宇宙空間でも自在に行動できる(勿論、圧縮死の危険があるので宇宙服は着るが)念動力者サイキッカーや、コロニー内を自在に移動できる重力操者など人それぞれ決まった物が無い。中には、自分で新たに一から開発した物に命を吹き込む送命者や、ワシが転生前に居た世界にもいた、錬金術師の様に壊れた電子機器や機械、宇宙船の修理も可能とする、復元者もいるらしい。

・・・と、ここでワシの体が睡眠を訴えてきたので寝る事にする。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「寝ちゃったわね。」

「はい、それにしても凄い吸収力ですね。やはり、記憶が存在するというのが関係しているのでしょうか?」

「さあ、それは解らないわ。それに、彼の前にいた世界の魔道という形態も興味があるしね。私たちの知識を教え込んだ後は彼の知る世界の知識を教えて貰って、両方の知識を混ぜられないか、試してみましょう。丁度オーパーツ(オリジナル・パ-フェクト・サンプル)の一体、オオハラ氏の側近ガーディアンの一体、ガラハッドタイプが近くに来ていたはずだから、協力して貰いましょう。」

「・・・してくれますかね。唯でさえ、こんな、うんぜん万とする培養槽を7基も貸してくださったのに、まだ頼みごとするのは気が引けますが。」

「彼らも、この被検体を見れば考える筈よ。確か、サイエンタイプも何体か来てたから、上手く行けば、科学と魔道って奴の良いとこ取りが出来ると思うわ。」

「まー、その前に。我々が早く彼に知識の全てを教えなければなりませんが。」

「そーいう事ね。」


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