1日め
ホワイトデーの、お話です!
ぜひ、最後まで‼
『今日、水瓶座のあなたの運勢は、イマイチッ』
「えー〜⁉」
『今日は何をやっても上手くいかず、空回り。大きな行動をせず、静かに過ごすと良いでしょう。』
「ぶぅ」
『そんなあなたに!今日のラッキーアイテム‼ピンクの靴下!これでハッピー、間違いなし‼」
「よし!ママー〜、ピンクの靴下!」
私の名前は、水野 亜梨沙、高校2年生。簡単に自己紹介をします。
「恋する乙女です!」
「亜梨沙ぁ、これでいい?」
「うん!最高‼」
「今日は、たろちゃんの誕生日だもんねっ」
「そーなの!、14日!」
そう、今日はたろちゃんの誕生日なんです。たろちゃんとは、澤内 太朗。太朗じゃ、可愛くないから、私はたろちゃんって、よんでる。たろちゃんは、ホワイトデーが誕生日なのだ…。納得いかないなぁ。たろちゃんのくせに!私なんて、鬼が主役の節分なのにぃ。まっ、たろちゃんとは、私が愛してやまない人です。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい!」
今日は、なんて、いい日なんだろう。
私は、占い大好きだけど、
今日の占いは、ハズレだよ!
ピンクの靴下もはいたしね。
たろちゃん、はーっけん!
「たーろちゃん!」
「あぁ、亜梨沙か。おはよ」
「おはよぉ」
やっぱり、大好きだなぁ、たろちゃんのこと。高2の男子にしたら、ちっちゃいかもしれないけど。私と同じくらい…。でも、他の男子より、ずーっとたくましいし!私は、ちっちゃいの、可愛いと思ってるし!そして、今日は、やらなくちゃいけないことが…
「おーい!おいてくぞー」
「あ!まってよー〜!」
いけない!秘密の大作戦なんだから!ばれたら、せっかくのサプライズが、台無しっ。今日のために、バレンタインの時から、プレゼントを用意したんだから!まだ、ちょっと寒いから、グレーがベースに、白い水玉手袋を。それと、ホワイトデーだから、私の愛のこもった手作りクッキー。喜んでくれるといいな。そして、今年こそホワイトデーを、もらうんだ!たろちゃん、頼むよぉ〜。
「じゃあね!体育頑張って‼見てるっ」
「見んなよ」
「いーやーだ!」
「なーにが、いーやーだ、っだ!」
えへへ。実は、こんなに結ばれてる私たち、クラスが違うんです。神様の意地悪!だけど、赤い糸で結ばれてるから、大丈夫‼
「っ……」
ん?誰だろあの子。んー〜…今、たろちゃんのこと、見てたよね?むー……やだなぁ。でも、たろちゃんは渡さないからね!
「お!亜梨沙おはよう!」
「おはよう!」
あーあ。やっぱり、たろちゃんがいないのは、慣れないしつまらない。
「ねぇ、亜梨沙、今日なんでしょ⁇」
「そうなの!」
「え!何が何がぁ?」
「今日、澤内に告うんだって!」
「えー‼とうとうか!ガンバ、亜梨沙!」
「うん!精一杯頑張るよ!」
そう。実は私、今日、恋する乙女卒業したいと思っているんです!
「でもぉ、澤内って亜梨沙のこと、好きなんだと思う〜」
「あー、うちも!それ、おもった!」
「初めて二人見たとき、付き合ってるんだと思ってたもん。」
「えー、ただ幼馴染なだけだよぉ?」
「またまたぁー」
そうそう、私たちは周りから見ても、お似合いなんだ!
「はーい、席についてっ」
「あぁ、先生来たぁ」
あぁ、楽しみだなぁ。放課後、いつも通り一緒に帰ってる途中で、告白するんだ!どんな顔するかなぁ?まっててねっ、たろちゃん!
恋する乙女、脱!です‼
「はー、やっと終わったぁ〜!」
「亜梨沙、頑張りなよ?」
「応援してるよ‼」
「うん!ありがとう‼」
友達のみんな、一足お先に大人になるよ!
あっれ〜、たろちゃんいない。
「あのぅ、たろうどこ?」
「あぁ、水野さんか。澤内なら、さっき谷さんに、呼び出されてたよ?」
「え⁉」
「いいなぁ、澤内のやつ。谷さんと付き合えるなんてっ」
なにそれ……たろちゃんのバカ!なにかってに、呼び出されてるのさ‼
「はっ、はっ、」
谷さんって、誰?
「はぁ、はぁ、」
やだよぅ………あっ、朝の人?
「あっ、あの、澤内くん!私…」
「…。」
「あのね!」
やだ…
「私、澤内くんが、」
いやっ、
「好きなの!つきあってください‼」
………やだ。