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序 霜枯れ夜風
お久し振りです。桜雫あもるです。
長らく留守にしていましたが、思うところあり、このお話を書くことにしました。
私と同じく、自分勝手な男の物語です。少しずつ書き上げていきます。放置してしまっている作品もたくさんありますが、これだけは必ずや完結させる予定です。
それでは、目眩く図書の世界をご堪能あれ。
月よ、聞いてくれるか
こんな僕の独白を
どこまでも愚かで、いつまでも幼稚だった
ありふれた憧憬に青い永遠を誓い、脇目も振らず微睡んだ
そんな男の、滑稽で下らない独白を
笑ってくれていい、詰ってくれていい
キャンバスを引き裂き、絵の具を溶かしてくれたって構わない
なんなら、頭ごなしに否定してくれ
月よ
夜の静けさを攪てぬよう、そっと寄り添い
深い宙から見守る夜の主よ
物言わぬ君にしか頼めない
そんな男が、夜の冷気に当てられて謳う
星屑のような独白を