どうかゆっくり、ゆっくりとお読みください。
どうぞお楽しみください。
―――接続しました
「ほ、ホントに繋がった……? その、こんにちは、"読者"さんだっけ?」
「えっと……なんか文字みたいなの見えてる?」
「良かったー! これで助かる! 私ね、さっき変な科学者に捕まっちゃったんだ。お願い! 助けて!!」
「大丈夫、難しいことじゃないと思う。あの科学者が『こちら側を見ている"読者"が読み進めるのをやめれば解放する』って言っていたから、あなたが読み進めるのを止めれば私は助かるの。」
「ありがとう! じゃあバイバイ!」
「……何でまだ読み進めてるの? 早く戻ってよ。」
「え……? どうして? 早く居なくなってよ!」
「お願いやめて! もう下に来ないでよ!!!」
「えっ…!? 天井が下がって……!?」
「え?私天井に潰されて死ぬの???」
「いやいやいやっ!!! 死にたくない死にたくないぃぃ!!!」
「だめだめだめっ!! なんでっ!! こ、こんなのやだよ!! 早く帰れ!!!」
「苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい」
「お願い……もう読み進めないで!!!!」
「天井が来る!! 痛い痛い痛い! 本当に潰れちゃうからぁ!! あなた早く居なくなってよぉっ!!!」
「まだ死にたくないのぉ……!!!」
「まだ間に合うから読み進めないで下さい!!! なんでもします!! だから、だからぁ……」
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
「帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ」
「たすけ
実験のご参加ありがとうございます。
"あなた様のおかげ"で被験体クローンNo.nの圧殺実験が成功いたしました。
どんどんデータが集まっていますね。
これも読者様方のおかげです。
最後までお読みくださりありがとうございました!