【完結】王家の第四王子は誕生日にプレゼントされた奴隷少女を救いたい ~国の犠牲になった彼女を救うためなら喜んでこの身を捧げよう~
「息子よ、父からの誕生日プレゼントを与えよう。自室に置いてあるから好きにすると良い」
そう言った父の言う通り、末っ子で第四王子の僕の部屋には、簡易的な牢屋が置かれていた。その中には、ボロボロの布一枚だけを羽織り、全身傷だらけ。足は鉄球が繋がれて逃げられなくなっていて、首輪までつけられた美しい少女だった。
詳しく父や少女に事情を聞いてみると、彼女は元々我が国の貧民街に住む民で、病気の母君の薬を買うために借金をしていたが返せなくなり、肩代わりとして奴隷商人に無理やり連れていかれたそうだ。
奴隷の売買は法によって禁止されている。なのに、権力がある人間達の欲求を満たすために、いまだに存在を許されている。
そんなのおかしい。法は平等でなければならない。法は民を守るためにある。なのに……どうして王族がその法に反する事をするんだ。どうして彼女のような民を、自ら進んで苦しめるんだ。
僕はこの国の王家や貴族の在り方が納得いかない。この奴隷に関する法以外でも、我が国の法は、ほぼ難癖に近い形で貧困に苦しむ民に罰則を与え、重い税を課している。そして、権力のある人間が好き放題している。
でも、それをいくら父王や兄上達に言っても理解されない。
おかしい。民は国の宝だ……こんなの、狂っている。
僕は思った。牢屋の隅っこに膝を抱えて震えている彼女を……こんな狂った国の犠牲になった彼女を救いたいと。それが、四男で何の権力を持たない僕に出来る数少ない事だ。
たとえそれが、世界の全てに否定されようとも。
そう言った父の言う通り、末っ子で第四王子の僕の部屋には、簡易的な牢屋が置かれていた。その中には、ボロボロの布一枚だけを羽織り、全身傷だらけ。足は鉄球が繋がれて逃げられなくなっていて、首輪までつけられた美しい少女だった。
詳しく父や少女に事情を聞いてみると、彼女は元々我が国の貧民街に住む民で、病気の母君の薬を買うために借金をしていたが返せなくなり、肩代わりとして奴隷商人に無理やり連れていかれたそうだ。
奴隷の売買は法によって禁止されている。なのに、権力がある人間達の欲求を満たすために、いまだに存在を許されている。
そんなのおかしい。法は平等でなければならない。法は民を守るためにある。なのに……どうして王族がその法に反する事をするんだ。どうして彼女のような民を、自ら進んで苦しめるんだ。
僕はこの国の王家や貴族の在り方が納得いかない。この奴隷に関する法以外でも、我が国の法は、ほぼ難癖に近い形で貧困に苦しむ民に罰則を与え、重い税を課している。そして、権力のある人間が好き放題している。
でも、それをいくら父王や兄上達に言っても理解されない。
おかしい。民は国の宝だ……こんなの、狂っている。
僕は思った。牢屋の隅っこに膝を抱えて震えている彼女を……こんな狂った国の犠牲になった彼女を救いたいと。それが、四男で何の権力を持たない僕に出来る数少ない事だ。
たとえそれが、世界の全てに否定されようとも。
第1話 プレゼントは奴隷少女
2021/09/18 19:20
第2話 狂った王家の実態
2021/09/18 19:40
第3話 奴隷少女の過去
2021/09/18 20:10
第4話 唯一の友人
2021/09/18 20:30
第5話 いざスラム街へ
2021/09/18 20:39
第6話 民を助けるために
2021/09/18 20:42
第7話 届いた誠意
2021/09/18 21:03
第8話 奴隷少女の気持ち
2021/09/19 11:28
第9話 初めての感情
2021/09/19 12:02
第10話 奴隷少女の信頼に報いるため
2021/09/19 18:47
第11話 頼りになる友
2021/09/19 19:21
第12話 奴隷少女のお願い
2021/09/19 19:48
第13話 母娘の愛
2021/09/19 20:11
第14話 すれ違う家族と四男
2021/09/19 20:22
第15話 奴隷少女の元へ
2021/09/20 14:02
第16話 別れの言葉
2021/09/20 14:16
(改)
第17話 僕の気持ち
2021/09/20 16:05
第18話 再びスラムへ
2021/09/20 18:14
第19話 大作戦の結果
2021/09/20 19:13
第20話 重なる想い
2021/09/20 19:34
第21話 民の幸せのために
2021/09/20 20:40