第37話 忌まわしき痕跡
(脳幹を……結合するだと?)
確かに『シャム双生児(結合双生児)』という例はある。身体の一部が繋がって生まれてきた双子のことだ。が、それは受精卵の分裂が遅れることが原因であり後天的なものではない。そもそも身体の一部を他人に移植することはあっても身体を共有するような施術などは有り得ない。ましてや中枢神経の塊である脳幹に手を加えるなど正気の沙汰ではない。
「少年。それは違うぞ。脳を繋ぐなんて危険な事をするはずがないだろう。幾ら阿修羅像を見たからといって……」
『いえ。間違いありません。その痕跡も幾つか確認しました』
「……バカな。そんなことをして何のメリットがある?」
『分かりません。もしかしたら複数の人間の脳を結合することで『普通ではない能力』、例えば神がかり的な知力を得ようとしたのかもしれません』
馬鹿馬鹿しい。だがもしそんな事が本当に行われていたのだとしたら狂っているとしか言いようが無い。
「想像を絶する世界だな。どう考えても成功するはずがない」
そうは言ってみたものの同時にホフマン教授のことを思い出した。脳の機能、とりわけ脳幹の機能を細部にわたって解明したホフマン教授は、マウスの脳幹にドーパミンを注入してそれがどの部位にどのように作用するのかという実験を繰り返し、画期的な成果をあげたことになっている。だが、それは表向きのものかもしれない。もしも教授がここの情報を密かに手に入れていたとしたら? マウスの脳と人間のそれではまるで複雑さが違うはず、という疑問も解決できる。
(教授の功績には昔から人体実験の疑惑がついてまわる……確かに辻褄は合うな)
それにしても脳と脳を結合するなんて試みは常軌を逸している。
『僕も始めは信じられませんでした。アシム氏の手帳を見た時にまさかと思いましたよ。五千年前にここの人間は脳のことを『頭の芯』と表現していたようです。それに『根』という語がくっついて『脳幹』の意味になるのではないかと』
「頭の芯の根。なるほど分からないではないな」
『それに結合させる、繋げるという意の語を加えて現代語に訳すと『脳幹結合』になるわけです。手帳にもはっきりそう書かれていました』
「……先客もこの事は把握していたという訳か」
『はい。手帳には結構なページが割かれていました。その情報通り、この部屋の奥にはさっきの図書館のような小部屋があって脳に関する情報がびっしり刻まれていました』
「だとしても本当にそんな馬鹿げた手術をやっていた証拠にはならないだろう?」
『いいえ。あっちの部屋に生々しい痕跡がありましたよ。何なら見ますか? おすすめはしないけれど』
「痕跡……まさか! 骨か?」
『そうです。酷いものですよ。不自然な穴が開いた頭蓋骨が幾つも残っていました』
やれやれ。何という事だ。気分が悪いなんてもんじゃない。
「じゃあ少年。こうは考えられないか。ここはその時代に最先端の脳外科だった。で、穴が開いた頭蓋骨は死んだ患者の物だった、と」
『不自然に接着している頭蓋骨が、ですか?』
その言葉とほぼ同時に左目の画面に画像が挿入された。
(……これは)
絶句するしかなかった。それはチャンが言うところの『接着している頭蓋骨』だった。その物体は地中から掘り出したせいなのか茶色すぎて一見すると土器のようにも見える。しかし、その時代に悪魔グッズを生産・販売しているはずもないので恐らく本物なのだろう。よく見ると、ちょうど延髄から後頭部にあたる部分が垂直に削り取られた頭蓋骨がふたつ、それが背中合わせにくっついている。それはまさに先ほどの阿修羅像を連想させる。
「こんなのがゴロゴロしているのか?」
『ええ。探検隊が30年前に発掘してそのままにしておいたと思われます』
日本でも縄文時代の人骨が出土してその頭蓋骨に穴が開けられているのが発見されたことがある。それは手術の跡ではないかとする説もあったが、ここのはそんな生易しいものではないようだ。
『どうですか。これが動かぬ証拠です。でも、これで分かりました』
「……分かったって何がだ?」
『実は、僕が脳幹結合という言葉を聞いたのはこれが初めてではないんです』
(なんだって!?)
チャンの告白に驚きつつ説明を求める。
「それをどこで聞いた?」
『……学校です。ご承知の通り僕らは幼少の頃から特殊な環境に置かれていました』
チャンやサァラ達が育った学校。一応、全寮制の学校ということになっているが実体はC国の超人養成機関に過ぎない。それは以前チャンの口から聞いた…。
『僕らの学校は、表向きはスポーツ・エリートを育成する為の学校ということになっていました。実績もありましたし。でもスポーツで芽が出なかった生徒は皆、兵士になるものだと決められていました。なので、事故やケガで亡くなる生徒も少なくありませんでした。実弾を使った戦闘訓練を毎日のようにやっていましたから。ところが不思議なことに学校内ではお葬式をやらないんです。追悼式みたいなことも一切ありませんでした。仲間が死んだのにですよ。それをみんな不審に思っていて、ある噂がたったんです。「葬式をやらないのは死体が見せられないからだ」と』
段々と話がみえてきた。しかしそれは明らかに後ろ向きな、いわゆる『悪い予感』というやつだ。
「だが……親御さんに遺体を引き渡すだろう?」
『はい。でも遺骨だけです』
「それだと文句が出るんじゃないか。子供を預けている立場としては」
『どうでしょう。あまりそういう話は聞かなかったですけど……』
チャンの台詞にはどことなく投げやりな気持ちが含まれているような気がした。
「それも寂しいもんだな。幾ら離れて生活しているとはいえ家族には変わりないだろうに」
『……でも僕らの場合は大方そんなものですよ。もともと年に一回会うか会わないかの関係ですから。僕らにとっての家族は仲間だけなんです』
「年に一回? それ以外はずっと寮生活か?」
『ええ。旧正月の時だけですね。帰省するのは。でも半分ぐらいの生徒は家に帰りたがらないんです』
「なぜ?」
『居場所が無いんですよ。スポーツで成功した人間はいいですよ。歓迎されますから。でもそんなのは一握りです。それ以外の人間は両親にも歓迎されず、親戚にも奇異な目で見られ、寂しい思いをして学校に戻ってきます』
……酷い話だ。自分は人の親になったことは無いしなる可能性もゼロなのだが全く理解し難い。年端もいかぬ子を寮に預けっぱなしにしておいてよく平気なものだ。
「なるほど。それで?」
『話がそれました。で、その噂なんですが、僕らの学校の敷地内には必要以上に大きな病院があったんですね。しかもその病院のほとんどは立ち入り禁止で、何の為にそこまで立派な病院施設を作っているんだろうと皆、疑問に思っていました。多分、それがあったから消えた死体イコール『人体実験』という噂になったんだと思います』
「人体実験、ね。なるほど……」
ある意味、チャン達の存在そのものが大掛かりな人体実験といってもいい。DNAをいじくって超人的な能力を引き出そうなどという試みを国家ぐるみでやること自体が異常だ。
『それで一度だけ病院に侵入したことがあるんです。どうしても確かめたいことがあって……』
「どうしてまたそんなことを?」
『訓練中にエンという子が大ケガをしたんです。彼とは特に仲が良かったので心配していたんですが、命に関わるほどのものでは無かったはずなんです。なのにエンが死んだと聞かされて居てもたっても居られず死体を確かめてみようと思ったんです』
「で、遺体とは対面できたのか?」
『いいえ。院内は広すぎるし訳の分からない装置やら複雑な設備やらで結局迷っただけでした。それでその時、病院内の人が喋っているのを聞いてしまったんです。「今回の脳幹結合は成功しそうだな」って……』
「何かの聞き間違いってことはないのか?」
『いいえ。間違いありません。僕も(え?)って驚きましたから』
「脳幹」と「結合」という単語が合体するだけで恐ろしい意味になる。確かに普通では考えられない組み合わせだ。
『あの時はどういう意味なのかまるで分かりませんでしたが、今ようやくその意味が分かりました。やはりあの病院では人体実験が行われていたんです! そしてあそこでやっていたことは、こことまったく同じ。つまり、あの病院。いや、学校も含めてあそこはバベルと何らかの関係があると思われます』
サァラがバベルと繋がっていたかもしれないという件はまだチャンには話していない。だが彼はここの『忌まわしき痕跡』を目の当たりにして自分達の学校とバベルに関係があることに気付いたようだ。
『これから学校に行ってみようと思います』
「何? 早まるな」
『いえ。改めて気付いたんです。自分たちのルーツをこの目で確かめるべきだって』
(ルーツ……厭な言葉だ)
一瞬、イタチ男の顔が脳裏を過ぎった。
「待てよ、少年。自らのルーツに興味を持つのは結構だが今、学校に戻ることはリスクが高い。それにまだ君等の学校がバベルと繋がっていたかどうかは分からないじゃないか」
『だから確かめに行くんです』
「落ち着け。もし本当にバベルが君等の学校を支配していたのならなぜ航空機を誘拐したんだ? 説明がつかないだろう」
バベルが演出した『狂言誘拐』。それはまだ自分でも解決出来ていない問題だ。バベルはなぜ自らが支配する学校の生徒を拉致する必要があったのか? バベルがその気になればチャン達をいかほどにも利用することは簡単に出来たはずだ。それなのにわざわざ大掛かりなマジックを披露したその意図が分からない…。
とにかく、バベルの息がかかったところにチャンを行かせるのは危険だ。必ずしもサァラ達の時のように歓迎されるとは限らない。むしろチャンがバベルの秘密を嗅ぎまわっていることがばれてしまったら、それこそ命に関わる。
「いいか、少年。単独行動は慎め。俺が合流するまで待ってろ。いいな?」
『……アンカーさんがついてきてくれるのなら心強いです。でも、できれば今すぐにでもC国に行きたいです』
「相手は得体の知れない巨大組織だぞ。下手に動いて俺達がやっていることを察知されたらそれこそ殺し屋が飛んでくるかもしれん」
それにロッキー山脈で遭遇した特殊部隊のコウ中将みたいな連中もゴロゴロしているかもしれない。サァラがコウ中将に連れ去られたことはチャンには伏せておくが、少なくとも今は十分に注意を呼びかけなくてはなるまい。
「焦るなよ。なるようになるさ」
『正直、もどかしいです……』
その時、我々の会話にジイサンが割り込んできた。
『チャン! 気をつけな! 何者かがそっちに向かっておるぞい』
「なんだジイサン。寝てたんじゃないのか」
『お! その声はアンカーか。なんだ。お前さんもおったんか』
「叩き起こされたんだ。で、現場を案内してもらっているところだ」
『そうかそうか。いやいや、それどころじゃないぞい! いつの間にか外に車が停まっておるんじゃ!』
そこでチャンがジイサンに尋ねる。
『敵……ですか? ひょっとして入国した時に僕らを拘束しようとしていた連中でしょうか?』
『それは分からんわい。だが、こんな場所に目的も無しには来んじゃろうて』
「おいジイサン。監視をサボっていやがったな?」
『失礼な! チャンの送ってきたデータを徹夜で分析しておったわい。それで気がつかんかったんじゃい』
「いずれにせよ注意が必要だな。少年。ところで相棒はどうした? 確かハマドとか言ったな」
『あ、ハマドでしたら塔の方でデータ収集しています。もうすぐ終わると思うんですが』
「すぐに呼び寄せろ。で、隠れる場所を探せ」
『え、で、でも、もし敵がセンサーを使ってきたらどうしましょう?』
「ぶん殴れ」
『そ、そんな……』
「その隙に逃げるしかなかろう」
『……分かりました』
もし相手が敵だった場合、チャンに戦えというのは酷な話だ。はっきりいってチャンは戦闘には向いていない。どんなに厳しい戦闘訓練を受けたとしても根本的に人を殺めることが出来ない人間はごまんといる。なぜなら良心というやつには頑固な根っこが生えていて、それをごっそり抜いてしまうには相当の覚悟ときっかけが必要なのだ。
チャンは通信でハマドに合流を呼びかけた。そして彼の到着を待つ。
それから五分ほどして現れたハマドは息を弾ませながら尋ねた。
『本当に敵なのかい?』
チャンは自身無さそうに答える。
『分からない。でも普通の人間はこんな所に来ないと思う』
『弱ったね。とにかく隠れた方がいいんじゃない?』
そう言うハマドはチャンと年齢がさほど変らない普通の少年だ。カフィーヤ(男性用スカーフ)からのぞくその顔つきもまだあどけない。
チャンがライトを消すようハマドに指示する。
『と、とにかくハマドもライトを消して』
そして画面が暗転、暗視カメラの映像に切り替わった。
「おい少年。暗視カメラは止めろ」
『え? でもそれじゃ何も見えないんじゃ……』
「相手に明かりを向けられたら目をやられるぞ。暗がりで待ち伏せする時は肉眼が基本だ。暗闇に目を慣らせ」
『あ、なるほど。すみません』
そう言ってチャンが慌ててカメラを切り替える。その後、映像の視点が上にずれた。おそらくチャンがマルチ・スコープを額の位置にずらしたのだろう。チャンからの映像に頼っているこちら側としては不自然なアングルになってしまう。
「おいジイサン。相手は何人だ?」
『今、映像を遡っておるわい。フムフム……2人じゃな。30分ほど前に車を降りたようじゃな。その後、真っ直ぐそこの穴倉に向かっておるぞ』
「……ここの存在を知っているということか」
『軍の人間ではなさそうじゃの。武装はしておるがゲリラ兵っぽいぞ』
「まさか定期的にここを見回っているんじゃないだろうな」
それを聞いてチャンが否定する。
『そ、それは無いと思います。僕らがここの入口を見つけた時は草がボウボウで人が足を踏み入れた形跡はありませんでしたから』
「だとしたら……なぜこの場所を把握しているんだ? 尚更怪しいな」
バベルの差し金。それが妥当な線か。だが、たった2人しか寄越してこないところをみるとそれほど危機感を持っているようには思えない。
(ここの秘密を死守するつもりは無いのか?)
そんな風に思考を巡らせているとハマドが反応する。
『だ、誰か階段を下りて来るよ!』
「まずいな。仕方が無い。とりあえず階段の方へ行け」
そこでチャン達は足音をたてないように階段のある部屋へ移動することにした。
彼等はようやく暗闇にも目が慣れてきたようだが、カメラを通してしか現地を見られないこちらとしては相変わらず真っ暗な映像で我慢しなければならない。
ハマドが囁く。
『やっぱり下りてくるみたいだよ。このままじゃ……』
『シッ! 何か喋ってる』
と、チャンがハマドを制して集音レベルを上げる。
〔おいおい。いったいドコまで続いてるんだ。この階段は?〕
〔なあ。こんだけ下ってるってことは上りは相当キツいてことだよな? 割に合わなくねえか?〕
〔さぼりてぇのはヤマヤマだけどよう。これ持たされてっからそうもいかねえし〕
〔まったくだ。にしてもホント気味が悪いな。だいたいこんな地下になんでこんなもんがあるんだろ。作った奴は完全にいかれてるな〕
〔いや。たぶん中東戦争の時に作ったんじゃねえか。つまり秘密基地ってわけさ〕
〔それだ! おまえ頭いいな〕
会話の内容から彼等がこの長いらせん階段に辟易していることが直ぐ分かった。それと同時に彼等がこの場所について勘違いをしていることも。
(どうやら相手は2人組のようだな。しかも油断してる。よし。これなら何とかなるな)
そう思ってチャンに指示を出す。
「少年。奴等が奥に行くタイミングを見計らって入れ違いで階段を上れ」
『はい。わかりました』
そう言ってごくりとつばを飲む音がはっきりと聞こえた。
「……集音マイクの効きすぎだ。余計なものを聞かせるな」
『あ、すいません』
チャンとハマドにはすぐに階段を上れるような位置取りを指示した。敵に近付きすぎるのは危険なようにも思えるが、この場所自体は階段しか無いガランとした吹き抜けの部屋なのでここを念入りに調べることはしないはずだ。仮に二手に分かれたとしても恐らくは左手の手術室と前方の塔への通路に向かうと予想される。いわゆる『灯台下暗し』というやつだ。
正体不明の2人組が放つ明かりが円を描きながら徐々に下降してくる。次第に足音が大きくなり、目視は出来ないがその距離は確実に縮まっている。
〔やれやれ。やっと着いたぜ〕
〔どんだけ深いんだよ。まったく呆れたもんだ〕
〔おい。さっさと回って帰……ん?〕
〔どうした? トカゲでも踏んづけたか?〕
〔……畜生〕
突如、銃の安全装置を外す音がした。「畜生」と呻いた男が銃撃の準備をしたようだ。
〔おい。どうしたってんだ?〕
〔誰か居る!〕
(気付かれた? なぜだ?)
奴等を甘く見ていた。油断しているようにみえて何か特殊なセンサーを持ち歩いていたのかもしれない。
〔クソッ、出てきやがれ!〕
火花と銃声が3秒間続く。いったんそれが止むと同時に音が反響して上に抜けていく。厭な余韻だ。最も、昔からむやみに発砲する輩は『雑魚』と相場は決まっている。これなら強行突破が可能かもしれない…。
「少年。大したことは無い。相手はビビっている。その辺の石を一発食らわせれば突破できるはずだ」
そのコメントに対して声を漏らしそうになったチャンが息を飲む。
「お前さんがハマドを守るしかないだろう。何。あんなのはクロックアップの敵じゃない」
暗闇を映す画像が小刻みに振動する。
(震えているのか? この期に及んで……)
その表情は見られなくても今チャンがどんな顔をしているのか想像出来た。が、突然、耳をつんざく叫び声。
『うあああ!』
(何だ?)と、思った瞬間、前方に強く引っ張られるような感覚。
(クロックアップ!?)
身体が前に投げ出されるような錯覚。
そして視界に飛び込んできたのは目を見開いた男の顔!
音声は叫びに掻き消されている。視界は物凄い形相のアップに塞がれている。
何が何だか分からないうちに視界がぐるりと回転した。
再び加速するような感覚、と同時に別な男の顔面に何かが突っ込んでいくサマがはっきりと見えた。すぐにそれがチャンの手であることが分かった。
(チャンが暴走している……)
チャンの襲撃を受けた男の顔が画面下に崩れ落ちていく。すかさず加えられる二発目、三発目の打撃…。チャンの手には石のような物が握られている。
いつのまにか叫びは荒い息に変り、それは泣いているようにも聞こえた。同時に相手の顔面を打つ音が響く。視界に付着したのは返り血…。顔を背けたくてもそれもままならない。
「少年。もういい……」
頃合を見計らってそう声を掛けてみたものの反応は無い。
こちらに送られてくる映像は返り血のせいで視界が殆ど塞がれている。聞こえてくるのはチャンのすすり泣きだけだ。それはまるで絶望的に深い井戸の底で助けを求める子供の泣き声のように聞こえた…。