その88 遊園地で 2番目
昨日はかなり疲れていて更新することが出来ませんでした。
連続更新記録が……
時間は流れ、日曜日となった。
駅前に集合した彼らは、電車を乗り継ぎ、そこから送迎バスを利用し、ついに目的地まで到着
することが出来た。
本日の目的地。
それは、『サマラ島遊園地』である。
周りが海で囲まれている、一言で表現してしまうと、『浮き島』的な所である。
内部は、自然をイメージする場所から、大都会をイメージする場所まで様々。
中には時代劇風な場所もあるらしいが、それについては不明である。
それだけに、この遊園地はかなりの広さを誇っていて、来客数もかなりの物である。
本日も、夏休みに入ったばかりの為か、開場前だというのに、かなりの人が並んでいた。
一列辺り、ざっと見て数十人と言ったところだろうか。
それが何列もあるものだから、恐らくここにいる人だけでも、何百人と軽くいってしまって
いることだろう。
「いやぁ〜しかし広いね〜」
「そして人が多いな」
「さすが日本一広い遊園地ではあるわね。人気も半端ないわ」
それぞれこの遊園地について感想を述べている。
「所でさ、健太」
「何?」
吉行が健太に尋ねる。
「美咲ちゃんの分のチケットってどうするわけ?俺達は無料券持ってるからいいけど、
美咲ちゃんの分ってないだろ?」
「それなら心配ないよ。無料券なら余分に一枚持ってるから」
「なん……だと……」
何故か項垂れる吉行。
そう。
健太は、以前マコとデートしに行った時に、このチケットを手に入れていたのだ。
健太の分のチケットは、美咲の分として使用。
ちなみに、マコの分はと言うと、
「それで、二ノ宮の分は誰が出したんだ……?」
「それはボクだよ〜」
マコが手を挙げる。
(パシッ)
その手を大貴はしっかりと握りしめる。
その目は、かなり嬉しそうだった。
「……ありがとう。お前は最高の女だよ」
「え?あ、ありがとう……」
何のことかさっぱり分かっていない様子のマコ。
大貴の変動っぷりを見て、健太はすぐに納得した。
「開園まではまだ時間があるね」
かなえはそう呟いた。
「それじゃあ、今の内に行動班でも分けとこうぜ」
吉行がそう言った所。
(キュピ〜ン)
何人かの目がほぼ同時に光ったという。
「えっと、今ここにいるのが、僕・吉行・かなえさん・美奈さん・マコ・ミサさん・大貴・
二ノ宮さん・美咲の9人か……結構多くなったね」
「分けるとしたら、4人5人だな」
大貴はそう言った。
「じゃあ……何で決める?」
「いや、もうそこはグッパーでいいでしょ?二人ひと組になってさ」
「ただし、美咲ちゃんと健太は同じ組な。兄妹だから」
そんな理由で、健太と美咲は無条件で同じ班となった。
その時の美咲の顔は、とても幸せそうな顔をしていた。
「おっしゃ!女の子に囲まれてウッハウハになってやるぜ!!」
「吉行、そういう発言は少し控えろ……周りの人達が見事にひいてる」
(ササッ)
心の距離が開いていく瞬間を感じていた。
「ま、まぁとにかく、グッパーしちゃおうよ」
健太は、そう言って大貴とグッパーする。
健太はグーで、大貴はパーとなった。
「それじゃあ……グーはあっち。パーはこっちね」
ミサの言葉に、一同は頷く。
そして、それぞれ自分の場所へと向かった。