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その81 球技大会 6番目

ソフト編です。

この話も長くなりそうだ……

一回表。

まずは、相馬学園の攻撃。


「頑張れ〜!」

「ガツンと打っちゃいなさい!!」

「ファイト〜」


等、先頭打者に対して、様々な言葉が投げ掛けられる。


「頑張ってくださ〜い!」


そんな中に、えりなもいた。

しばらく出番がないえりなは、応援することに集中するのだった。


「まずは、塁に出ることが先決ね」

「……あれ?」

「どうしたの?吉行」


その先頭打者を見て、吉行は、何かに気がついた。


「あれって……副会長じゃね?」

「副会長って、生徒会副会長の、真鍋端穂さんのこと?」

「そうそう!ナイス相沢!!」

「あ……本当だ」


そう。

その先頭打者というのが、なんと生徒会副会長こと、端穂のことだったのだ。


「へぇ〜これは見物だな」

「あのね……」


吉行の言葉に、健太は呆れていた。

そんな健太達など置いていき、ピッチャーは、投球を開始する。

第一球。



(シュッ)



速度は、まずまずと言った所だろうか。

振れば、ひょっとしたらいいコースに飛びそうな球だったが、端穂は、あえて振らなかった。


「ボール」


カウントは、ボール。


「ボール?今のが?」

「分かんなかったぜ、今のは」


それぞれ、今のがボールだということが理解出来ていない健太達。

それだけ、今の球が難しい球だということが理解出来るだろう。


「よく見たわね……」


相手投手は、端穂に感心する。


「それなら……」


キャッチャーは、サインを出す。

そのサインに対して、ピッチャーは頷いた。

そして、第二球。



(ビュッ)



先程よりも、低くて速い球。

しかも、インコースギリギリの、ストライクコース。


「こ、これは打てない……!」


そう判断した端穂は、その球を見逃す。

次の球も、同様の球が来て、2ストライク、1ボール。


「くっ……」


端穂は、苦しみの表情を浮かべる。

相手ピッチャーは、そんな様子を楽しんで見ている。

そして、第四球。


「また……!?」


三球連続で、同じ球が投げられる。

しかも、今回もストライクコースだった。


「振るしかない……!!」


端穂は、その球に手を出す。

結果。



(パァン!!)



「ストライク、バッターアウト!!」


空振り三振。


「あ、あれは流石に、打てないわ……」


端穂は、悔しそうに呟いた。

他の人も、驚きの表情を見せる。


「な、何てピッチャーなの?」


相当のコントロールが、相手のピッチャーにはあるらしい。

その分速度は遅くなってはいるが、変化球のキレはかなりいい。

理想のピッチャーでもあった。


「けど先輩、試合は3回からですね」

「……そうね。この手のピッチャーは、スタミナを消費しやすいわ。きっと、後半には……」

「とにかく、今は点を入れられないように気をつけないと……」

「そうね」


試合は3回から。

その言葉が意味することは、スタミナ切れ。

彼女達は、相手ピッチャーのスタミナが切れる瞬間を待つ作戦に出たのだった。















そして、そのまま試合は、一点も入ることなく、問題の3回になった。














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