その67 体育祭 8番目
体育祭編終了です。
そして、次回から新章開幕です。
次はいよいよ、最後の競技。
その名も、クラス対抗リレーである。
これは、四色対抗リレーよりも白熱するものであり、何と1年から3年の各クラスの代表が
4人程集まって、走るという、何とも凄い競技なのである。
と言っても、実際の成績は、各学年毎につけるので、例え総合で8位だとしても、学年で1位
を取っていれば、1位としての点数が入ることとなる。
ちなみに、各学年とも4クラスあるので、コースは12コースとなる。
ちなみに、四色対抗リレーでの一位は、赤組であった。
惜しくも青組は3位に終わっている。
それだけに、最後のこの競技に、すべてがかかっていた。
「いいか、お前ら。この競技で一位を取ったら、めでたくクラス優勝だ。ここまで来たら、
総合優勝もして、最優秀クラス賞にも選ばれるぞ!!」
「「「「おー!!!!」」」」
「元気だね〜先生」
「まぁ、優勝すれば、先生としても鼻が高いんだろうな」
吉行が冷静に分析する。
「それじゃあ健太、そろそろ行こうぜ」
「あ、うん」
大貴と健太、その他二名が代表に選ばれているらしい。
「頑張ってね〜!健太君〜!!」
「ファイト〜!!」
「大貴、しっかりやりなさいよ」
「お前に応援してもらわなくても、頑張るっつの」
健太は、かなえとマコ、その他の女子に応援される。
大貴も、何故か美奈に応援されて、そういう風に返事を返す。
「さぁ、みんな!応援するぞ!!」
「アンタが一番やる気あるわね」
聞こえるような声で美奈がそう言ったが、もちろん外川は無視する。
そして、クラス対抗リレーが始まった。
『位置に着いて〜。よ〜い』
(パン!!)
第一走者が走り出す。
1−Bは、7位という、まずまずの順位だ。
ちなみに、学年毎で言えば、2位に値する。
1年トップは黄色組、総合トップは、3年の赤組だった。
「おし、次だ!」
「頼んだぞ!」
それぞれバトンを渡す。
順位に変動はなし。
「次は俺の番か」
第三走者である大貴が、準備に入る。
「大貴〜!頑張れよ〜!!」
「夏美ちゃんに良い所見せるんだろ〜!!」
「どこでそれを知った!吉行〜!!」
「俺の情報収集能力をなめるんじゃねぇって!」
長距離で言い合う二人。
それにしても、吉行はどこでその情報を得たのだろうか?
「ほら、渡辺!」
「分かった!この恨み、後で晴らすからな!!」
(ダッ!)
まるで今までの憂さ晴らしをするかのように、走っていた。
その甲斐あってか、9位まで落ちていた順位が、4位に上がっていた。
「作戦大成功〜!」
「あれ、作戦だったんだ……」
思わず吉行の言葉に、マコが突っ込んでいた。
「よっしゃ!健太、ラスト頑張れ!!」
「分かったよ!!」
(パシッ)
大貴からバトンを受け取る。
もはや1年生のトップは、青組となっていたが、それでも健太は走る。
「うおおおおおお!いっけ〜!!」
「頑張れ〜!!」
「頑張って〜!!」
応援に答えるように、健太は走る。
そして、ゴールする頃には、総合で2位という結果を残していた。
「では発表します」
壇上に校長先生が上がり、順位を発表する。
ここまでの順位は、4位が赤組、3位が緑組だった。
残るは、2位と1位のみ。
果たして、1位はどちらか。
「第2位……黄色組!そして第1位は……青組です!!」
「「「「「よっしゃ〜!!」」」」」
優勝は青組だった。
「よしっ!」
外川も、隠れてガッツポーズをする。
だが、残りはまだある。
「それでは、最優秀クラス賞を発表します」
辺りが一気に静まる。
「最優秀クラス賞を受賞したのは……1−B!」
「「「「わーー!!!!」」」」
「え?本当に?」
「マジで俺達が?」
「やった〜!!」
驚く者、喜ぶ者、呆然とする者。
その反応は、様々だった。
「それでは、表彰を行いたいと思います」
「代表は、健太だろうな!」
「え?僕?」
クラスメート達全員の意見により、賞状は健太が貰うこととなった。
壇上に健太が上がると、周りは一気に湧き上がる。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
校長先生から賞状を渡される。
その賞状と共に、トロフィーが送られる。
健太は、その二つを、クラスメート達に掲げる。
そして、長かった体育祭も、ようやく終わりを迎えた。
次回は、『サブキャラ紹介の部屋』を設けたいと思います。
まぁ、サブキャラ紹介と見せかけた、座談会ですけど。