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その61 体育祭 2番目

体育祭編その2です。

今回は、100m走の回です。

ちなみに、次回も続きます。

開会式が終了し、一旦自分たちの場所へと、一同は戻ってきた。

クラスごとに見学席が決まっていて、更に色ごとにも決まっている。

赤組の場所は、赤組のクラスが、青組の場所は、青組のクラスが使用していた。

1−Bの隣には、2−Bがいる。

ちなみに、もう片方の隣には、赤組である3−Aの人達がいた。


「先生、張り切ってるね」

「まぁ、あれは一種の末期症状ってやつだな」

「いや、病気にしないでよ」


美奈の言葉に、健太が突っ込んだ。


「えっと、最初は確か……100m走か。定番だな」

「つか、それって俺達全員出る競技だろ?一年生全員出場って書いてあるぜ」

「あ、ホントだ」

「最初は確か男子だったな」

「それじゃあ、俺達の出番だな!」


吉行が、気合い十分と言う顔で言った。

その顔は、かなり輝いていた。


「……一着でゴールして、カッコイイ所を見せようって作戦か?」

「何故バレた!?」

「やっぱりな」


大貴は、やっぱりという顔をして言った。


「吉行は、考えてることが顔に出やすいのよ」

「……何故美奈さんが解説を?」


突如解説を始めた美奈に、健太はそう言った。


「とりあえず、早く行こうぜ!」

「うん」


健太と大貴と吉行は、100m走に出場する為に、席を立つ。


「がんばってね!健太君!」

「健太君、ファイト!」

「うん!」

「大貴君、一番になってね!」

「ああ」

「……あれ?俺への声援は?」


一人声援のなかった吉行のやる気は、少し削られていた。















「はぁああああああああああああああああ!!」


先ほどの鬱憤を晴らすかのように、猛スピードで駆け抜ける吉行。


「凄い……吉行ってこんなに足速かったんだ」

「いや、あれは多分一時的な物だろうな」


順番を待っている大貴と健太は、吉行の走りっぷりを見て、言う。

吉行は、先ほどの鬱憤を晴らすのと、目立ちたいが為に、全力疾走をしていた。

そんな吉行に敵う者はおらず、距離にして5mは開いていた。


「それにしても、吉行の力って、凄いね」

「ああ……やっぱりあいつは、潜在能力だけはすごいな」


とうとう吉行は、一着でゴールしていた。


「へへっどんなもんだい!!」


ゴールした時の吉行は、輝くほど笑顔だった。

しかし、注目する女子は、いなかった。


「な、何故だ……」

「あ、へこんでる」

「哀れだ」


そんな吉行に、声をかけている人物が約二名ほどいたが、吉行は気づいていなかった。


「ま、次は俺だな」

「行ってらっしゃい、吉行」


大貴は、競技に参加するために、立ち上がる。

他の選手と並び、準備する。


「位置について、よ〜い」



(パン!)



スタートの合図を示す音と共に、大貴はスタートダッシュをした。


「速っ!」


健太は、思わず目を疑った。

その速さは、先ほどの吉行とほぼ同様であった。


「きゃー!」

「頑張って〜!!」

「・・・・・・もしや、二ノ宮さんにいい所を見せようと頑張ってる?・・・・・・違うクラスなのに」

「何?二ノ宮さん、だと?」


隣から、何やら男の声が聞こえる。

その声は、聞いたことのある声だった。


「この声は・・・・・・新庄君?」

「おお、お前は木村じゃないか。どうやら、同じ順番で走るらしいな」

「そうみたいだね」


健太は、そう言葉を返す。


「前回は負けたけど、今回はそうは行かねぇぞ!」

「あ、うん・・・・・・」


そうしているうちに、大貴達も走り終えたらしい。

一位はどうやら、大貴のようだった。


「それじゃあ、勝負だ!」

「受けてたつよ!」


とりあえず健太は、その勝負を受けた。


「位置について〜」

「勝ったら、夏美ちゃんから手を引けよ」

「僕が勝ったら、もうこんな勝負二度としないでよ」

「わかった」

「よ〜い」



(パン!)



健太と智也の勝負は、ここに始まりを告げた。
















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