その55 約束を果たす時 5番目
まさかの一日三回更新です。
いやぁ〜自分でも驚きました。
まぁ、学校がもうすぐ始まって、更新出来なくなるから、その為でもあるのですが。
「なんだか、奇跡が起きたって感じだね」
「うん。そうだね」
健太とマコは、先ほどのクイズ大会の様子を思い出しながら、街中を歩いていた。
その手には、チケットが握られていた。
あの問題で、健太達は見事に正解し、遊園地のペアチケットを手に入れたのだ。
期限は、一年間使用可能とのことらしい。
G.W中に行けばいいのではとも思ったが、残念ながら残り二日間、マコは歌手としての
仕事が入ってしまい、無理なのだという。
「そうなると、夏休みかな〜」
「多分、そうなるかも」
とりあえずチケットは、マコが持っていることとなった。
理由は、健太が持って帰ると、美咲が一緒に行こうって言いだすからだ。
「って、健太君って妹いたっけ?」
マコと初めて会った時には、美咲はいなかったので、マコは美咲のことは知らなかった。
「うん。いろいろあってね。美咲は義理の妹なんだ」
「義理か……新たなライバルの出現かも」
「何か言った?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
マコは、首を振る。
「あ、最後にあそこに行こう!」
「あそこって、どこ?」
「人気のなさそうな所を知ってるんだ。ちょっとそこで話をしていかない?」
「え?うん……」
健太に連れられて、マコは走って行った。
街外れにある、小さな公園。
と言っても、遊具と呼べる物はなく、小さな砂場が設けられており、ベンチが一つあるだけの、
後は木だらけという、公園と呼ぶには少し寂しい所だった。
ただ、ここから見る景色は、結構綺麗なので、隠れたスポットとなっている。
そこには現在、人はいなかった。
「誰もいないね」
「今の時間帯は誰も来ないんだ。休みの日にたまに来てたりする。と言っても、ここを
見つけたのは、つい最近何だけどね」
健太は、ベンチにゆっくりと座る。
マコは、健太の目の前で、立っていた。
「あれ?座らないの?」
「……ここなら、ちょうどいいから」
「?」
マコの言ってる意味が分からず、健太は頭に『?』マークを浮かばせる。
「六年前の約束、ここで果たすね」
「六年前の、約束……」
六年前の約束。
その言葉が出た時、健太は少し動揺した。
「……うん、聞かせてほしいな。マコの歌を」
「私も、健太君にだけ聞いてほしい。この歌は、健太君の為の歌だから」
マコは、一旦大きく深呼吸をすると、歌い始めた。
「……」
その声に、その歌詞に、健太は聞き惚れていた。
歌の内容は、六年前の出来事を思い出させた。
初めて出会った、あの出来事。
二人でいろんな話をしたこと。
『約束』を結んだこと。
しかし、それが果たされることがなかったこと。
会えなくて辛かったこと。
その後再会することが出来てうれしかったこと。
マコの想いと思い出が、すべてその歌詞に詰め込まれていた。
健太は、その一つ一つを聞き逃さないように、耳を傾けていた。
聞きながら、六年前のことを思い出していた。
マコは、歌いながら、『幸せ』を感じていた。
いつか、マネージャーに言われた一言を、思い出していた。
『奇跡と幸せはね、困難を打ち破る為に努力した人とね、笑顔で前を向いていられる
人にしかやってこないんだから』
その言葉を、頭の中で再生し、マコは自然と、こう思っていた。
『―――私、今とっても幸せだよ』
歌が終わり、辺りに静寂が戻った。
健太は、パチパチとマコに拍手を送る。
マコは、その拍手を笑顔で受け取った。
「それじゃあ、暗くなって来たし、帰ろっか?」
「……そうだね♪」
この日。
ようやっと、健太とマコの『約束』が果たされたのであった。
次回は、この話中の登場した、あの人物の紹介です。