その54 約束を果たす時 4番目
クイズ大会の模様です。
正直、この問題はないだろ……。
その後、健太とマコは、さまざまな場所を巡った。
昼食をとったり、本屋を見たり、いろんな場所に行った。
そして、アクセサリーショップで、
「これ買おうよ♪」
と、マコが提案したのは、ペアのマグカップだった。
同じ花柄のマグカップで、マコはこれを買いたいらしい。
「うん。お金は僕が出すから」
健太は、マグカップをレジに出して、それを買った。
すると。
「はい、半分こ♪」
「え……僕が一つもらっていってもいいの?」
「いいのいいの。それが目的だったんだし」
笑顔でそう言われては、何も言い返せない。
そう言うわけで、アクセサリーショップも後にし、二人は街を歩いていた。
「あれ?何かあそこでやってるのかな……?」
「何だろう?ちょっと行ってみようよ」
途中で、路上で何かの会場らしき物が設置されているのが見えた。
興味本位で、二人はそこに近づいてみる。
そこでは。
『只今より、カップル限定クイズ大会を始めます!!』
司会者らしき男性が、檀上に上がり、そう叫んでいた。
「カップル限定……」
「クイズ大会?」
二人は首をかしげて、その様子を見る。
『ルールは簡単!○×クイズです!!ただし、普通の○×クイズと違うのは、カップル同士で
違う答えに至ったりしたら、強制退場です!!』
「何だか、面白いのかどうかよく分からないイベントだね……」
「でも、ちょっと参加してみない?」
「え?でも……」
「いいからいいから♪」
「あ、ちょっと……」
マコに手を引っ張られて、健太も会場近くへと行く。
そのまま参加する形となった。
『最後まで残った方には、サマラ島遊園地のチケットを、ペアでひと組分プレゼント!!』
司会者がそう言うと、会場からは歓声が響いてきた。
「サマラ島遊園地って……あれか」
サマラ島遊園地とは、遊園地全体が海に浮かんでいて、自然を思わせるようなアトラクション
から、大都会をイメージするものまで、様々なアトラクションがある、今話題の遊園地だ。
「ちょうど行ってみたかった所なんだよね」
「それじゃあ、頑張ってみますか」
「そうだね♪」
『それでは第一問!!』
その言葉と共に、周りは一気に静まった。
『風は語りかけます。うまい、うますぎるのキャッチフレーズでおなじみなのは、
十万石まんじゅうである。○か×か!』
その言葉と共に、人々は移動を始める。
「○だね」
健太とマコは、即座に○へ行った。
半分くらいは○に来ていて、×にいる人も何人かいる。
ただ、真ん中で喧嘩している人もいた。
「……ってあれ、先輩だ」
よく見ると、言い争いしているのは、瑞穂だった。
相手は、充。
「あの人達は?」
「ああ、うちの学校の生徒会長と副会長らしいよ。何であそこにいるんだろう……」
健太達がそう話している一方で、
「だから、○であってるんですって!」
「何を言う!×だろ!!」
「何で私の言うことを信じてくれないんですか……」
「いや、これだけは何故か譲れないんだ!!」
という、何やら意味の分からない充のプライドによって、制限時間が過ぎてしまい、早々に
強制退場となっていた。
ちなみに、正解は○だった。
『さぁ〜て、この調子でどんどん参りますよ!第二問!!』
ハイテンションな司会者は、次の問題を読み上げる。
『この世に悪があるとすれば、それは人の心だ。○か×か』
「意味分からん!!」
誰かからそんな言葉が飛んできたような気がした。
「う〜ん、何だろうなぁ?」
「あ、これ確か、友達が持ってたゲームにあった」
「え?」
「確かね……テイルズオブファン○ジアとかいうゲームだったと思う」
「何でマコが知ってるの?」
とりあえず疑問が発生した健太だったが、即座に振り切る。
「これはじゃあ……」
「○だね」
「よし!」
というわけで、健太とマコは○に来ていた。
○に来ているのは、3,4組しかおらず、他の組は、×に2,3組と、分からず真ん中で
ウヨウヨしている組とがいた。
そうしている内に、時間が切れ、真ん中にいる人達はそこでリタイアとなった。
『正解は〜○だ!!』
「やった!」
「凄いよ、マコ!」
「あ、ありがとう……」
健太に褒められて、マコは顔を赤くする。
そうしていられるのも少しだけで、時間はあまり待ってくれなかった。
『それじゃあ後4組しかいないけど、第三問!!』
司会者が、ハイテンションで問題を読み上げる。
『ここまでに文章中に登場した○の数は、13個である。○か×か!!(ちなみに、第三問
の問題文中に登場する二つは、対象外とする)』
「え……今そんなこと聞かれたって……」
当然の如く、意味が分からない人達がウヨウヨいた。
健太とマコも、何のことやらまったく分かっていない。
「……何となく、だけど。僕、×って感じがするんだよね」
「健太君も?実は私も……」
「それじゃあ、×に行こうか?」
健太とマコは×に、残りは○へ向かった。
『おっと!ここでひと組のみのエリアが現れた!これで最後の問題となってしまうのか!?』
ハイテンションのまま、司会者は答えを告げる。
『では、答えは……!!』