その52 約束を果たす時 2番目
今回は、新たなキャラが登場!!
だけど、あまり物語に絡むことはない……。
何故出したかと言うと、しばらく出番がない副会長さんを出したかったから……。
同時刻。
生徒会の買い出しと言う名の、ただの買い物に付き合わされている少女がいた。
少女の名前は、真鍋瑞穂。
茶色くて長い髪の毛・若干釣り気味な目が特徴の少女だ。
隣には、長身で細身の男子生徒がいる。
その名は、大村充。
何を隠そう、この学校の生徒会長である。
二人とも、生徒会という口実を使っているので、一応制服で街を歩いていた。
そして、何故この二人が一緒に買い物に出かけているのかと言うと、
「……ったく、何で私が付き合わされなきゃならないんですか」
「いいじゃないか。どうせ暇してたんだろう?」
「そりゃあそうですけど……G.Wだというのに、両親は仕事でいないですし……」
「だったらいいじゃないか。減るもんじゃないし」
「……私、別に大村先輩のこと、好きでも何でもないんですけど」
「まぁ固いこと言うなよ。マイハニ〜」
「やめてください」
単純に言ってしまえば、充は瑞穂に恋しているのだ。
恋する男子は、輝いて……いるのかは不明だが、とにかく彼は瑞穂が好きである。
しかし、肝心の瑞穂はと言うと、好きな人がいるわけではない。
まして充など眼中にもない、と言ったような物だった。
そんな彼女にも、一人だけ気になる人物がいる。
「……」
「どうしたんだ?どこか遠くを見て」
「あ、いえ、何でもないです。それよりも、とっとと済ませちゃいましょうよ、その用事と
やらを」
「まぁそう焦るなって」
そう言って、充は瑞穂の言葉を防ぐ。
「今日はちょっとしたイベントがあってね。それには、君と一緒じゃなきゃ駄目なんだよ」
「イベント……ですか?それに、何故私が一緒じゃないと……」
「そのイベントはね、恋人同士で行かないといけないんだよね」
「……帰ります」
「あ〜ちょっと待ってって!」
(ガシッ)
帰ろうとする瑞穂の肩を、充は掴む。
それでも瑞穂は、帰ろうとする。
が、しかし。
「……あれは、ひょっとして」
「ん?どうしたんだ?」
「……先輩、やっぱりついていってもいいですよ」
「お?素直なのはいいなぁ」
充はこの時、瑞穂が何を見たのかは分かっていなかったらしい。
そして、瑞穂の目線の先に映っていたのは。
女の子と仲良く歩いている、木村健太の姿だった。
「それじゃあ、まずはどこに行こうか?」
「う〜ん、服とか売ってる場所ないかな?」
「服か〜あっ!デパートなんてどうかな?ここからすぐなんだけど」
「それじゃあ、そこに連れてって!」
マコは、元気に返事をする。
「それじゃあ、行こう」
「うん!」
(ギュッ)
健太がそう言うと、マコは健太の手を握った。
「え……」
「女の子とデートする時は、基本だよ♪」
「え、えっと……マコ?」
「えへへ……ボクもちょっと恥ずかしいかな」
少し顔を赤くして、マコは答える。
健太も、自分の顔が、自然と赤くなっていくのを感じていた。
そんな甘い雰囲気を醸し出す中、二人はデパートへと入って行った。