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その38 五月 2番目

「五月」編二番目です。

何だかベタな展開だなぁ……。

「……はい?」


あまりにも唐突な言葉に、思わず健太はふ抜けた声を出してしまう。


「そ、それは何故なのでしょうか?」


とりあえず健太は、何故自分が生徒会に勧誘されるのかを尋ねてみる。

すると、端穂からこんな返事が返ってきた。


「あなた、相当にこの学園内では有名だから」

「僕が……ですか?」

「ええ。なんでもできる凄いやつで通ってるわ。私のクラスでも女子の間では結構話題よ」


以前ハイキングの時に倒した熊の話が、ここまでもう伝わっているのだろう。

健太はそう考えた。


「でも、部活の方もありますし」

「……そう」


端穂はあっけなく、そう言った。


「それじゃあ、気が変わったら、教えてくれる?」

「はぁ……わかりました」


そうしている内に、ホームルームの時間が始まった。



















「では、転入生を紹介しよう」

「いっやほぅ〜!!」

「最高だぜ〜!!」


クラスメート達は、高校生とは思えない騒ぎっぷりを見せる。


「男子ですか?女子ですか?」

「女子は残念だったな。転入生は、女子だ」

「いっやっほ〜う!!」

「それって、帰国子女ですか?」


ピンポイント過ぎる質問にも、外川は答えた。


「いや、違う」

「あれ、転校生って帰国子女じゃなかったの?」

「ああ。確かにオレはそう聞いたんだが……」


転校生として女の子が来るという事態に、クラスの男子が歓喜の声を挙げる。

しかし、健太と吉行は、どうも腑に落ちなかった。

そんな様子の健太と吉行を見て、大貴が聞く。


「どうしたんだ?お前ら」

「ああ。なんかオレが聞いた話とは違うなと思って」


吉行は正直に答える。

ちなみに、1か月が経過したことにより、この教室では席替えが実行されていた。

健太の席は、窓側から2列目の先頭。

吉行はその後ろで、大貴は吉行の隣。

健太の左隣は、席が余った為に空白で、健太の右隣にかなえが座っている。

ミサはかなえの後ろで、美奈は、窓側後方2番目というなかなかのベストポジションだった。

ちなみに、席は男女混合である。


「んじゃ、とりあえず入ってきてくれ」


外川の合図と共に、転校生らしき女子が入ってくる。

だが次の瞬間。















「あー!」















健太が指をさして、その人物のことを指さしていた。
















「今日二回目の屋上だね」


健太と吉行はまた、屋上に来ていた。

現在は昼休み。

購買で買ったパンを頬張りつつ、健太と吉行は話をする。


「いやぁ〜予想してた人とは随分違ったけど。最高だな〜!!」

「興奮しすぎだよ。いくらマコが転校してきたからって」


そう。

この学校に、あの『MAKO』が転校してきたのだ。


「それにしても、帰国子女のことがどうなったか気になるな」

「奇遇だな。オレもだ」















「その帰国子女って、私のこと?」















突如、屋上の入口の方から声が聞こえてきた。


「おわっ!」

「うわっ!」


そのあまりにも突然過ぎる登場にびっくりして、手にしていたパンを落としそうになる。


落とさないように気をつけながら、健太はその女子に向かって尋ねてみた。


「えっと、君は?」

「神内えりなよ」


えりなは何故か胸を張ってそう答える。

銀髪で長く、背も高い方で、痩せているにも関わらず、出ている所は出ている。

本当に帰国子女って感じがし、お嬢さまって感じもする。

ちなみに、英語は完璧だそうだ。


「ん?もしかしてさ、昔オレ達と会ったことある?」

「あるわよ」


即答。

そして、謎が生まれる。

一体どこで会ったのかと。

そのことについて健太が訪ねてみると、


「えっとね、確かあれは……」


と言って、自分の過去の話をし始めた。
















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