その3 好きな食べ物 3番目
第3話更新です。
自己紹介も、ここで終わります。
この話までで自己紹介をしたメンバーが、主要登場人物です(後に増えますけど)。
「好きな食べ物は、カ、カレーです」
「さっきと言ってることが違う……」
健太は内心ホッとし、呆れた。
「趣味は散歩で、得意科目は世界史です」
「びみょ〜な特徴だな〜」
吉行はちょっとあきれたように言った。
「えっと、勉強を頑張っていきたいと思います。よ、よろしくお願いします」
(パチパチパチ)
なんとかスピーチは終了した。
「なぁ、相沢って可愛いよな」
「なぁ」
クラスメート達によって、そんな感じの会話が聞こえてくる。
というか、馴染むのが早すぎるだろう。
しばらく何人かのスピーチがあり、吉行の番。
「さて次は海田吉行君。よろしく」
この老人は男の子となると、妙にテンションが低くなる。
「オレの名前は海田吉行。好きな食べ物はアジで、趣味は、オンラインゲームだ!」
「だから吉行はパソコンを持ってないでしょ」
「おっと、そうだった」
しかし、この吉行の言葉を聞いて、クラスの空気がみごとに冷たくなってしまった。
「え〜と、趣味は石集めで、得意科目は体育。勉強は駄目だけど、よろしくな!」
一気に言った。
しかし、拍手が起こらない。
「あれ?」
冷たい空気はすぐには戻らない。
「す、スパイラルチョープ!」
突然一発ギャグをかました吉行。
そのギャグを聞き、
「ワハハハハ〜!」
クラス中は、北極の寒さから、一気にブラジルのような温暖な温度に変わった。
「すげぇ……初めて受けた」
「え?今までこのネタ何回も使ってたの?」
横から健太がそう突っ込んだ。
「え〜、おほん。では次は……木村健太君。よろしく」
健太に対しても、やはり冷たい態度だった。
「え〜と、初めまして」
その声にクラス中の女子、男子は一斉に憧れの眼差しを向けている(一部殺気が目立つ)。
おいぼれのじいさん先生まで、すごい目で見ている。
かなえはちょっと顔を赤くする。
おそらく、さっきの会話を思い出したのだろう。
吉行は、健太のことを自慢するかのように辺りを見回している。
これが噂の友達自慢なのだろう。
そんな中、1人だけ漫画本に熱中している奴がいた。
しかも、○○禁の物を……。
「これ、面白い」
小声でそう言った。それは、美奈であった。
「木村健太といいます。好きな食べ物はみかんで、趣味はサッカーです。得意科目は数学
です。1年間よろしくお願いします」
「うお〜!」
「きゃあ〜!」
(パチパチパチ〜)
かなえの時と同じくらいの大きさの拍手が聞こえてきた。
「かっこい〜!」
そんな言葉まで飛んできた。
「あ、いや、どうも」
健太はちょっぴり嬉しいそうだ。
さらに、何分か経って。
「では次は、中川美奈さん。よろしくっちょ!」
やはり女子に対してはテンションがあがります。
「私の名前は中川美奈。好きな食べ物は、カロリー○イトのチョコレート味」
そのセリフを聞いた時。
(ズシン)
クラスの雰囲気は結構重くなった。
「趣味は漫画を読むことで、得意科目は体育」
「男かよ、あいつは」
教室の1番端にいる、顔は健太と同じぐらいにハンサムだが、とても黒く、髪は短い、
出席番号40番、渡辺大貴が呟いた。
「とにかく突っ走るのでよろしくお願いします」
はたして何を突っ走るのだろうか?
だいぶ時間が経ち、ついに最後の1人となった。
「さて、最後になるのじゃが・・・、渡辺大貴君、頼んだぞ」
「はい」
その声に健太とかなえの時のような勢いで、大貴の方を振り向くクラスメート達であった。
「ふぁ〜あ」
限界が来てしまったらしい吉行は、とうとう眠りこんでしまった。
「オレの名前は渡辺大貴」
いきなり敬語なしの挨拶だった。
「好きな食べ物はパン、趣味は野球で得意科目は生物。勉強もスポーツも頑張っていきたいと
思ってる。どうかよろしく」
大貴は、クールに挨拶を終わらせる。
すると。
「きゃ〜、かっこいい〜!」
女子による黄色い歓声が浴びせられた。
「ねぇねぇ、木村君と渡辺君、どっちがタイプ?」
挙句の果てには、こんな質問まで繰り広げている女子もいた。
そんな中、美奈はと言うと、
「ははは、やっぱり面白いな〜、この漫画は」
やっぱり漫画を読んでいた。
それにしても、このクラスの人達は、馴染むのが早いらしい。
次回はここまでの登場人物紹介のコーナーを設けたいと思います。