表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/297

その33 とある少女との過去 5番目

過去編もついに佳境です。

次回より時間軸が現在に戻ります。

何だか、ありがちな展開っぽいですが、ごめんなさい……。

もう少しストーリーをしっかりさせないと……。

次の日。

健太とマコは、二人で海で遊んでいた。

そして気づけば夕方となっていた。

そこで、砂浜に座りこみ、話をしていた。


「ねぇマコちゃん」

「何?健太君」


話の内容は、将来の夢について、だ。


「将来の夢って、何?」

「ボク?ボクの夢は、歌手になること!」

「歌手?歌が好きなの?」

「うん!」


笑顔でマコはそう言った。


「ボク、小さい頃から歌うのがとっても大好きなの。だから、大きくなったら、テレビに出て

 自分の歌を聞いてもらいたいって思ってるの」

「へぇ〜。叶うといいね」

「健太君は?」


今度はマコが尋ねて来た。

健太は、少し考えて、


「今の所はまだ分からないかな」


と答えた。


「そっか。そのうちいい夢が見つかると思うよ?」


マコは、健太にそう言った。


「ねぇマコちゃん」

「何?」

「約束、しよっか?」

「約束?」

「うん。マコちゃんが歌手になったら、僕とマコちゃんだけのコンサートをやるんだ。

 マコちゃんが歌って、僕が聞くの」

「……なんか、それちょっと恥ずかしい気もするけど、いいよ!」


元気よくマコは言った。


「それじゃあ、指きりげんまんだね♪」

「うん!」


そして二人は、自らの小指を互いの小指に絡めて、


「「指きりげんまん、嘘ついたら針千本の〜ます。指きった!!」」















二人は、約束を結んだ。

しかし、この約束は、未だに果たされていない。















マコは、夕方まで遊んだあと、早々と家に帰ってしまった。

マコの家族の方が一日早く沖縄に来ていたため、一日早く帰ったのだ。

その後、何故か雨が降ってきたため、すぐに健太達は部屋に戻ってきた。


『次のニュースです。あの格差婚で話題のカップルが、まさかの離婚の危機……』


部屋で健太達はテレビを見ていた。


「ほぉ。あの二人がついにね……」

「聞けば、D○の疑いもあるって言ってたけど」

「まぁ、あれは嘘だな、きっと」


父親と母親は、テレビのニュースに何かを言うことが趣味でもあった。

ちなみに、仕事とは全然関係ない。

そうしていると、突如アナウンサーの声が緊迫した物へと変わっていた。


『ここで臨時ニュースです。本日午後5時25分沖縄発の大型旅客機が、太平洋沖に不時着

 した模様です!!』

「……?」


この時健太は、何かを感じた。

大切なものを失ってしまうのではないか、という不安だった。

そして、この不安の正体をあらわにしたのは、皮肉にも、アナウンサーの言葉と、画面に表示

された無数の文字だった。


『あ、今行方不明者のリストが来たようです!』

「……え?」



(パッ)



アナウンサーの姿は消え、画面にはたくさんの文字の螺旋が並ぶ。

その中から、健太は見つけてしまった。















―――雛森マコの名前を、見つけてしまった。















「あ……あ」

「健太。これが何を意味するか、分かるな?」

「……え?」


いつになく父親は、真剣な顔をして、言った。


「……マコちゃんが、事故に巻き込まれた」















この日以降、健太はマコに会っていない。

健太の母親は病気にて死去。

そのために、飛行機事故のニュースについては、見ることが出来なかった。

その後、父親は再婚し、途中で美咲も加わった。
















マコの安否は、未だに不明である。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ