その27 ハイキング 4番目
多分このハイキング編を機に、更新速度が遅くなると思います。
ここまでがすでに載せてある物で、次以降は親エピソードばかりですので。
でも、一日一本更新を目指していきたいと思いますので。
「うわっ!」
クラスメートたちの行動は早かった。
彼らはあっという間に健太たちを取り囲み、弁当の中身を聞き始めた。
おもな犠牲者は、健太・大貴・かなえの3人。
そんな彼らの様子を見ていた外川は、
「いやぁ〜青春だね〜」
と一言吐いた。
「こんな歪んだ青春を好んでいるのかあんたは」
誰かが外川にそう突っ込んだが、外川はまったく気にしない様子だった。
「つ、疲れた……」
健太たちがクラスメートから解放されたのは随分時間がたってからのことだった。
かなえも大貴も、いろいろと疲れてしまっていた。
そんな彼らに、
「お〜い、こっちこいよ〜」
という吉行の声が降り注いだ。
健太たちは、吉行の声が聞こえた方へと歩みを進める。
そこはクラスメートたちから少し離れたところだった。
そこに、吉行と美奈とミサの3人がスタンバイをしていた。
弁当の蓋は、まだ開けていない。
「いやぁ〜倉本がさ、相沢たちを待ってるって言うから」
どうやらミサが、健太たちが来るのを待っていたようだ。
「わざわざ待ってなくてもよかったのにな」
「まぁそう言うなって大貴」
健太は、吉行たちの座っているところにシートを広げ始める。
同じようにかなえもまた、美奈とミサの隣にシートを広げた。
「さて、お3方も来ましたところで、そろそろ昼食といきますか?」
「まぁ、もうすぐ下山の時間だろうと思うから、早く済まさなきゃだけどね」
「それではみなさんご一緒に……」
「私がどうかした?」
吉行が『いただきます』と続けようとしたところで、美奈が即座に反応した。
「いや、今のはお前の名前を呼んだわけじゃねぇから」
大貴がそうやって付け加えておいた。
「え〜ごほん!それでは改めまして……」
「「「「「「いただきま〜す」」」」」」
6人が声を合わせて、食事の時間は始まった。
だが、弁当箱を開ける気配は見当たらなかった。
「弁当の中身を公開するのは、ある意味このハイキングの通過儀礼みたいなものよね」
「いや、そういうわけではないと思うけど……」
美奈の言葉に健太が突っ込みをいれた。
「とにかく、蓋を閉めてちゃ飯くえねぇし、早く弁当箱開けようぜ」
「本邦初公開!これがオレの弁当の中身だー!!」
なんだか奇妙なセリフを言いながら、吉行は思い切り弁当箱を開ける。
同時に、健太たちも弁当箱を開けた。
「おお!」
「あっ」
「え?」
「うわぁ〜お!!」
「う、うそ!!」
「まじで?」
ずいぶんと奇跡的な出来事が発生した。
それはどんなことなのかというと、ぶっちゃけ中身が同じだった組がここで誕生したのだ。
「んな!お、オレかよ……」
「そして、よりにもよって私とはね」
なんと大貴と美奈のペアだったのだ。
「まぁなんというか……予想外です」
「ソフト○ンクのお兄さんか」
吉行のボケに、大貴が突っ込んだ。
「しかし、まさか健太と同じ弁当の人がいないとは……この先どうなるんだ?」
しばらくの間、健太たちはいろいろ談話をしながら食事の時間を過ごした。
この弁当占い、今年のは当たらないのかもしれない。