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その26 ハイキング 3番目

3番目です。

前回出て来た大きな熊さんが出ます。

果たして彼らの運命は……?

健太と大貴以外の人達は、もうパニック状態だ。

いきなり熊が登場して、驚くなというほうが難しいものだ。

本来ならば、一番落ち着いていなければならない外川も、


「みみみみみ皆!おおおおおおおおおお落ち着け!!」

「あんたが一番落ち着けよ」


と、大貴に突っ込みを入れられる始末だった。


「け、健太君!危ない!!」

「え?」


かなえの叫び声に、健太はゆっくり後ろを振り向いた。

そこには、今にも腕を頭上に下ろそうとしている熊一頭。


「や、やべぇ!」

「け、健太!!」


次の瞬間。
















(ドカッバキッドコッ)















「……」


その場にいた人全員は、そこで一体何が起こったのかまったく分からなかった。

それほどの、一瞬の出来事だった。

一体何が起こったのかというと、


「ふぅ。危なかった」

「いや、全然平気だったろ、お前」


なんと健太一人で、熊を撃退することに成功したのだった。

しかも、生身で。


「す、すげぇ……」


あまりにも現実離れ(?)した光景に、クラスメートの誰かがそう呟いた。


「さ、さぁ。早く行こうか」

「は、はい」


外川の声につられて、他の生徒達も再び山頂を目指すために登りはじめた。

その際に熊の横を通り過ぎることとなったのだが、気絶しているようで、動く様子はまるでなかった。


「や、やっぱり凄いぜ」


木陰でその様子を見守っていた直樹は、小さな声でそう呟くのだった。















「さぁ着いたぞ」

「おお〜」


生徒達の感嘆の声と共に姿を現したのは、自然を優雅に視界に映し出してくれる山頂だった。


「さぁ皆。ここで昼食といこうか」

「はぁ〜い」


外川の合図で、皆が思い通りの人達と並んで食事をとろうとシートを広げる。

その中には、まだ誰とも知り合うことの出来ていない人が何人か、ぽつんと一人で食事をとる人の姿も見られた。

そんな様子を見て、外川が、


「ほら、もっと固まって食べるようにな〜」


と叫んではみた。

そのおかげもあってか、何人かの人は、軍団の中に人を招いたりもしていた。

というか、ここは小学生の集まりではないだろう。

更に外川は言う。


「そういえば、この弁当にはある伝説があるんだ」


いかにも胡散臭いことを言いますよという風に、外川はその言葉を口にした。


「何のことですか?」


大貴が尋ねる。


「この弁当にはな、実は全員中身が微妙に違う風に作られているんだ」

「え?そうなんですか?」


と言って、周りでは、自分の弁当箱と、他人のを比べっこする風景が映し出された。

確かに、鳥のから揚げがあるはずの部分が、野菜炒めが入っている人もいたり、何故か

サイコロステーキが投入されている当たり弁当も入っていた。


「あ、ずりーよお前」


という声まで聞こえてくるほどだった。


「まだ話は終わってないぞー」


騒ぎだした生徒達をなだめるように、外川は更に話を続けた。


「しかしだな、この弁当の中には、実は、ペアになるように中身がまったく同じという弁当が

 存在することがあるらしんだ、というより、あるんだ」

「それはつまり何を?」


今度は吉行が尋ねた。

すると外川は、笑顔でこう言った。


「その弁当の中身が同じだったペアは、必ず結ばれるという伝説、もとい伝統があるんだ」



(ピキーン!)



女子の目が一気に光り、男子の目も同様に光った。


「現に、その伝統にのっとって結婚にまで繋がっている人達も何人か、というより今のところ

 全組結婚しているなぁ」


その外川の一言がとどめとなり、彼らは一気に行動を始めた。
















ところで。

熊って生身の人間で倒せるんですか?

武器なしで。

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