その250 終業式 3番目
本編は、この話にて完結です。
終業式も終わり、今年度最後のHRも終了した。
残すところは帰宅のみとなった健太達は、現在校門を出た所にいた。
「いやぁ~終業式ってのは疲れるよな」
「そ、そうですね」
吉行が腕を伸ばしながら、そう言う。
慌てて隣にいた美空も同意した。
「確かにね。校長先生の話が長いかな……」
「貧血で倒れちゃった生徒も何人かいたしね」
「校長、恐るべし」
毎年校長の話になると、誰かしら貧血で倒れるらしい。
ちなみに、今回は10人程倒れている。
「倒れすぎだよ、入学式とか始業式とかはまだ少なかったのに」
「今回のは浮かれてたんじゃねえのか?明日から春休みだってな」
「つか、夏休み前とか冬休み前とか……ひょっとして終業式に倒れるって傾向なのか?」
ここで吉行が、別に気づかなくてもいい所に気づく。
「まぁ……頻度はそっちの方が多いってだけだろうな」
大貴は少し戸惑いがちに答えた。
「でもさ、どうして立ってられないのかな?ライブとかだとみんなずっと立ってるのに……」
「マコ、それとこれとは違うってものだよ」
「え?そうなの?」
思わず健太は、マコにそう語りかけていた。
「さて、いつまでもこんな所で長話してるわけにもいかないって物だよな」
「そうだね。そろそろ家に帰らなきゃ、ですね」
大貴の隣にいた夏美が、大貴の言葉に同意する。
「それじゃあ、そろそろ動きますか」
「あ、僕今日ちょっと用事があるから、一緒には帰れないや」
「なんだよ、終業式の日くらい一緒に帰ってもいいじゃねえかよ……最も、後何日後かには再会する
わけなんだがな」
手を挙げて答えた健太に、吉行がそう言った。
「それじゃあね、みんな!また四月に会おうよ!!」
「いや、春休みにもう一度みんなで集まって、そこで遊ぼうぜ!」
「あ、それ賛成!」
珍しく吉行の言葉にマコが同意を見せた。
「そうね……その日はみんなで吉行イジリでもしましょ」
「何で俺!?」
「理由はムカつくからよ」
まったくもって理不尽な理由で、吉行イジリをすることが決定した。
「そりゃ理不尽過ぎるだろ!」
「所で、かなえも反対方向じゃなかったかしら?」
「放置プレイ!?」
偉い勢いで、吉行は無視されていた。
「あ……そう言えば」
吉行達とは逆……つまり、今日の健太が行く方向と同じ方向だと言うことなのである。
「あらあら。愛しの彼と一緒に帰宅出来て、幸せかしら?」
「!!も、もう美奈ったら!!」
顔を赤くして、かなえは美奈に対してそう言葉をぶつける。
「愛しの……彼?」
三学期に入ってあまり学校に来ることがなかったマコは、その言葉の意味を理解出来ずにいた。
しかし、教える者は誰もいない。
実は、校内でも健太とかなえが付き合っていると知っている人は、ほとんどいないのだ。
理由は、健太が恥ずかしいからと言って、隠している為だ。
だから、ここにいる、マコを除いたメンバー全員と、生徒会の人、そして美咲と杏子くらいなのである。
「ほんじゃま、俺達はそろそろ退散……もとい帰ると致しましょうか」
吉行の言葉に、健太とかなえを除いた全員が同意する。
「それじゃあ、今度の始業式の日に会いましょう!」
「またね!」
「じゃあな」
みんな、健太とかなえに挨拶をして、自分達の家まで帰っていった。
そして、
「……行っちゃったか」
「そうだね」
「これで次に会える日が分からなくなっちゃったね」
二人で、勿体ぶるように話す健太とかなえ。
「……所で、健太君の用事って、買い物?」
「う……正解だよ」
実は、今日は健太の買い物当番の日なのであった。
「奇遇だね。私もこれから買い物に行こうと思ってた所なんだ」
「それじゃあ……一緒に行こっか?」
健太がそう尋ねてみると、
「うん!」
と言いながら、かなえは健太に抱きついてきた。
「うわっと!」
慌てて健太はかなえを受け止める。
同時に、その唇と唇が重なる感触を感じた。
「!!」
「……えへへ」
「大胆だね……かなえさん」
健太は、かなえのその行動力に少し驚きを見せていた。
「それじゃあ健太君……行こっか?」
「……そうだね」
(ギュッ)
手を握り、二人は歩き出す。
彼らの物語は、これにて一旦幕を下ろすことにしよう。
だが、これからが本当の物語の始まりなのかもしれない。
いずれにしろ、この小説で語れる部分はここまでである。
なので、もし次にこの物語を語れる機会があるのなら、その機会に健太達の話をすることにしよう。
願わくば、末永くお幸せに……。
私立相馬学園 ~a daily life~
THE END
次回、あとがきらしき物をやりたいと思います。