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番外編その25 二月の贈り物 2番目

「な、夏美?」

「それにかなえさんも?」


見ると、扉の近くにかなえと夏美が立っていた。

顔は、少し赤くなっていた。


「どうしたの?かなえさん」

「夏美もどうしたんだよ」


二人は、未だに立ったまま動こうとしない。

不審に思う、健太と大貴。


「……うん」


やがて二人は決意したのか。

中に入って、それぞれ目的の人物に近寄る。

目の前まで来ると、そこで立ち止まった。


「……かなえさん?」

「夏美?」


二人は、ほぼ同じタイミングで尋ねる。


「あ、あの……チョコ、作って来たんだ」

「食べて……頂けませんか?」


鞄から取り出したチョコを、かなえは健太に。

夏美は大貴に差し出した。


「「あ、ありがとう……」」



(スッ)



ラッピングされたチョコを受け取ると、そのままそのラッピングを外し、中身を取り出す。

健太が貰った方は、ハート型のチョコに、少しばかりの飾り付けがしてあるもの。

大貴の方は、同じくハート型のチョコだが、こっちはホワイトチョコのソースで名前が書かれていた。

『大貴 Love』と。


「な、なんだか二ノ宮さんも随分と大胆になって来たね……」


大貴の持つチョコを見た時、健太は思わずそう呟いていた。


「んじゃ、いただきます」



(パキッ)



チョコを口に入れた時。

中で、ふんわりと甘さが広がっていくのが感じられた。

そのチョコは、手が込んでいるだけあって、とても美味しいものであった。


「お、おいしいよ……かなえさん」

「あ、ああ……うまい」


そのおいしさを、互いの相手に伝える健太と夏美。

その言葉を聞いた時、


「本当ですか!?」

「よかった~」


ホッとした様子を見せるかなえと夏美。

そんな光景を見た吉行は、


「よっしゃ!俺も今ここで食べるぜ!!」


先ほど美空に貰ったチョコのラッピングをはずし、中からチョコを取り出す。

それを一口、齧ってみる。


「う……うめぇ!うまいよ、美空!!」

「あ、ありがとうございます……」


吉行が素直な感想を述べると、美空は少し恥ずかしそうに答えた。


「これが……バレンタインのチョコか……くぅ~!感激のあまりに涙が出そうだぜ!!」

「今だけは……許す!」


大貴はチョコを食べながら、感激している吉行に向かって、何故かそう言う許可を出した。


「そ、そんな!大袈裟ですよ!!」


慌てて美空が止めるも、吉行は止まらない。


「な、何なのこの状況は……?」


いろいろとカオスな状況と化している1-Bを見て、たった今入って来たばかりのミサは、思わず

そう呟かずにはいられなかった。

ちなみにマコは、今日はバレンタインデーイベントがあるらしくて、学校には来ていない(チョコ自体

は先日の内に渡しておいてあるらしい)。


「……これが、1-Bクオリティよ」

「え?」



(ポン)



ミサの肩を叩いてそう言ってきたのは、美奈だ。


「……今日も騒がしい一日になりそうね」


美奈はそう呟いていた。














ちなみに、最終的な結果を言うと、健太は7個、大貴は3個、吉行は1個。

その他、充や明久などの生徒会の男子生徒は、2,3個は貰っていたとかいないとか。

ついでに、直樹は1個も貰っていない。


「な、何で俺の情報までのってるんだよ!!」















残り後3話!!

完結に向けて走り抜けたいと思います!!

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