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その246 告白 6番目

「初めてかなえさんに出会った時、最初は綺麗な人だなって思ってた……それはこれからもずっと一緒

 で、大切な友達なんだなって思ってた……けど、それは違った」

「違った?」



(コクッ)



かなえは、健太に尋ねる。

健太は黙って首を縦に頷かせ、その先を続けた。


「勿論、大切な友達だとも思ってる……けど、それだけじゃないんだ。いつの間にか僕は、かなえさん

 のことをそれ以上の目で見るようになっていた……」


健太の想いは、それだけでは止まらない。

かなえは、黙って話を聞くことに徹していた。


「だから……かなえさん。僕は今日、かなえさんに言うよ」

「……うん」

「もしよければ、僕と……僕と……」


そしてついに。

健太はかなえに、その言葉を、言った。















「僕と、付き合ってください!!」















「!!」


分かっていたとはいえ、その言葉の破壊力はすさまじい物だった。

一度聞いてしまったらもう二度とは聞けない、その人からの初告白。

それが、自分の好きな人ならなおさらだ。


「……健太君」

「何?」


答えが気になるのか、間髪入れずに健太は尋ねて来た。


「私も言いたいことがあるって、言ったよね?」

「え?……うん」


先ほどのかなえの言葉を思い出して、健太は頷く。


「だから……私もここで、健太君に言うね」


そして今度は、かなえの話が始まった。


「私は、最初に健太君と会った時……と言うか、最初に健太君に助けてもらった時、優しくて強い人

 だなぁって思った。そして、そんな人と友達になれたら、どれだけいいことか……なんて考えてた」

「優しくて強いだなんて、そんな……」


言われて健太は、少し顔を赤くする。

恥ずかしいのか、右手を頭の後頭部にあて、頭を掻いていた。


「でもそれだけじゃ留まらなかった……」

「え?」

「私は、それだけじゃ満足出来なかった……健太君に対する想いは、いつの間にかどんどん膨らんで

 来てるのが、分かったの」


自分の胸に手を当てて、かなえはまるで独白するかの様に言う。


「今でも心臓が、ドキドキって鳴ってるの。健太君にこうして話してるだけで。目と目を合わせて

 話してるだけで……私の心臓は、音を立ててるの。こんなの、つい最近からじゃないよ。もっと前、

 正確に言えば……オリエンテーション旅行の日から」


オリエンテーションの日。

あの日愛にあんなことを言われなければ、自分はこの想いに気づくことはなかっただろう。

しかし、かなえはその日から今まで、その想いを胸に秘めていたということになる。

その日時は、健太より長いのは明らかだ。


「かなえさん……」

「私……ずっと想ってたの。健太君のことを、ずっと……今までずっと……そしてこれからも」


少し。

かなえの瞳には、涙らしき物が光っているようにも見えた。


「だから……私からも、健太君に言うね」


そしてかなえも、自分の抱いている想いを、健太に告げた。














「私―――相沢かなえは、健太君のことが好きです。私と、付き合ってください!」















いよいよクライマックス!!

残りは後4話!!

……番外編入れて後6話あった。

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