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その24 ハイキング 1番目

ハイキング編突入です。

ここからしばらく登場しないキャラも出ます。

まぁ……美咲とか瑞穂とか、全然出番ないですが。

「……トイレに行きたいな」


午前1時。

健太は突然目が覚めた。

原因は、トイレに行きたいという生理現象からだ。


「……みんな寝てるよね」


健太は、誰にも気づかれないようにドアを開けて、閉めた。















「しかし、こんな時間に起きちゃうと、眠れなくなっちゃうよなぁ〜」


とか、ぶつぶつ呟きながら、健太はトイレへと入っていった。



(バタン)



「……やっぱり誰もいないよね」


トイレに入った健太の第一声はそれだった。

やはり、誰もいなかったと健太は認識した。

ところが。


「いや、オレがいるぜ〜」


聞こえるはずのない場所から声が聞こえてきた。


「ええ!吉行!?どうやってここに!?さっきまで寝てたよね?」


そう。

そこにいたのは吉行だった。

そして、健太の問いに吉行は答える。


「いやぁ、忍法、変わり身の術というやつ?」

「……忍者?」


お風呂でもやっていた突っ込みを、再び健太はした。


「ところで、そこで何をやってるの?」

「何って、用を足しているんだけど?」

「いや、中からカチャカチャって音が……」



(カチャカチャ)




吉行は、普通に用を足しているだけと言ったが、健太の耳には、なにやらキーボードを

打つような音が聞こえていた。


「ああこれ?これはな、ちょっとエ○ゲ作ってる所なんだ」

「……ゲーム?」

「ああ。何か、無性に作りたくなってな」


吉行は、さも当然と言ったように答える。


「……もっと他に場所はなかったの?」

「いや、ここならばれないからさ」

「だったら、押入れとかでも大丈夫だと思うけど……」

「はっ!」


どうやら吉行は、押入れという案には行き着かなかったらしい。

健太の言葉を聞いて、素直に驚いて見せたからだ。


「オレ、戻るわ」

「うん。そうした方がいいと思う。くれぐれも、先生には見つかんないようにね」

「オレをなめんじゃねぇよ!!」


と、吉行は自信を持って言って、トイレを出た直後。


「……ちょっと来い」

「せ、先生……」


外川にまんまと見つかってしまった。


「……すみません!!」



(ダダダダダ)



「あっ!お、おい!!」


吉行は、猛烈な勢いで走り去っていった。


「……まぁ、これくらいにしといてやるか」

「追わなくていいんですか?」

「まぁな。さすがにあれを取り上げるのは一苦労だし、何より面倒臭い」

「それもそうですよね……」


少し会話を交わした後、外川も自分の部屋へと戻った。


「……先生も大変だなぁ〜」


と言ってトイレを出た直後のことだった。


「あ……」

「……かなえさん?」


トイレから出た直後だったらしいかなえと偶然にもであった。















午前6時30分。

起床時間となった。


「ふわぁ〜あ」


健太は大きなあくびをする。


「……結局昨日はあんまり寝られなかったような気がするな〜」


話は5時間前に戻る。















「あ……」

「……かなえさん?」

「け、健太君?」


トイレから出て偶然にも出会ってしまった2人は、とりあえず多少の会話を交わし始めた。


「かなえさんも、こんな時間に起きちゃったの?」

「うん。なんだか急に目が覚めちゃって……」

「とりあえず、戻ろっか?」

「あ……ちょっと待って、健太君」


かなえは、健太を呼び止める。

その声に反応したように健太は、動かしていた足を止めた。


「どうしたの?かなえさん」

「あの……早乙女さんって、どんな人なの?」

「え?愛のこと?」



(コク)



健太の問いに、愛は無言で頷いた。


「愛は……幼稚園から中学校までずっと同じクラスだったんだ。いわゆる、幼馴染ってやつかな?」

「そう、なのですか?」

「うん。そうだけど……それがどうしたの?」


「あ、いや、何でも、ないの……」


かなえは頬を赤くしてそう答えた。


「じゃ、じゃあ、私、戻るから……」

「あ、ちょっと……行っちゃった」


健太がかなえを呼び止めたが、かなえはそのまま走り去ってしまった。


「……どうしちゃったんだろう、かなえさん」


健太は、1分間くらいボーと突っ立ていた。
















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