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その195 旅先でのクリスマス 7番目

先手を打ったのは、吉行だった。


「うおおおおおおおおおお!唸れ!俺のスピリッツ!!」

「ば、馬鹿!勝手に行動なんかしたら……!」


大貴が吉行を戻そうとする。

だが、もう遅かった。


「喰らえ!」



(ベシャッ)



まずは一発。

智也からの雪玉が当たる。

次に美咲からの一発。

そして、とどめに音羽からの一発が当たり、吉行はKO。


「こ、こんなに早くに敗れるとは……無念」



(ガクッ)



吉行は雪の中に倒れこんだ。


「いや、邪魔だからどけよ」


大貴がそう突っ込んだのは、必然だったのかもしれない。


「おし!相手は一人倒れたぞ!この調子でどんどん相手をつぶしていくぞ!」


和秀が一同にそう言う。


「雪玉を作るのは女子、投げるのは男子ってことで」


健太がそう提案する。

反対する者はいなかった。


「そこっ!」



(ビュッ)



わずかなすきをついて、夏美に向かって雪玉を投げてくるミサ。


「あ、危ない!」


和秀が叫んでみるが、もう遅い。

夏美が一つの雪玉を作った後に前を見た時には、ミサによって投げられた雪玉が……。



(バシャッ)



「なっ……!?」


なんと、その雪玉を健太は撃ち落としてみせたのだ。

しかも、極普通の雪玉で。


「うそ〜!?」


あまりの技術力に、ミサは脱帽した。


「あ、ありがとうございます」

「気にすることないって」

「……」


夏美と健太のやり取りをあまりよく見ていなかった人物がいた。

大貴だ。


「お前にだけは……絶対当ててやる!」

「え?大貴……って、うわっ!?」



(ブンブン)



大貴の玉を投げる速さは、凄かった。

片手で雪玉をつくり、それを投げる。

なかなかに高度な技術をみせていた。


「くっ」


その内の一発が、健太に当たる。


「負けるかよ……こっちも喰らえ!」


今の大貴は、健太しか狙ってないことから、他の角度から見ると隙だらけの状態であった。

このチャンスを逃す程、和秀も馬鹿ではなかった。


「新井、雪玉を!」

「分かってるわよ!」


真緒は玉を三発渡す。

和秀はそれを受け取ると、


「テヤァ!」


三発を、大貴目掛けて投げた。


「渡辺!危ない!」

「え?」


言われるが、もう遅かった。

気付いた頃には、攻撃を受けている所だった。


「ヤリィ!」


和秀は、思わずガッツポーズをする。


「なるほど……こちら側の男子を先にKOする作戦か……だけど、果たしてそれが意味をなすのかな?」


和樹が、笑みと共にそう言った。


「どうなるかは時の流れに任せるしかないよ……けど、この勝負は、僕達が勝つ!」


健太が宣言する。


「……かかってこい!」


その言葉と共に、健太達は再び雪玉を投げ始めた。
















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