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その189 旅先でのクリスマス 1番目

今回の話より、旅行に行きます。

そして、旅行当日。

集合時間に間に合うことの出来た健太達は、予定通りの時間に出発することが出来た。

泊まる場所等は、美奈の知り合いの経営しているペンションに泊まるということで決まった。

新幹線等の料金は自腹なので、結構ダメージを受けていたりする。


「うう……今月のお小遣いがこれでパァ……」

「まぁそう落ち込むなって吉行……きっと、向こうには新たな出会いとか……」


ちなみに、あの後健太達は、何人か他の人も誘ったため、若干人数が増えていたりする。

最終的に旅行に行くことになったメンバーは、健太・吉行・大貴・かなえ・美奈・ミサ・

マコ・美空・智也・夏美・音羽・美咲・杏子の13人となった。

元のメンバーより三人増えたことになる。


「しかし……増えたな」

「だね。三人だけど」

「男が一人増えて本当に良かったな……」


大貴は、智也が増えたことを本当に良かったと思っていた。

理由は簡単だろう。


「何せ、このグループは女性率が高いからな……」


13人中、実に9人が女性という今回の旅行メンバー。

さすがは健太の周りの人物と言った所だろうか?


「さすがは色男……」

「ん?何か言った?」

「いや、何も……」


何のことかさっぱり分かっていない様子の健太を見て、智也はもはや何も言えなくなった。


「見てみて!雪が見えて来たよ!!」

「トンネルを抜けると、そこは雪国だった……」

「川端康成だな、それ」


美咲の言葉に、大貴が反応を示す。


「リアルでそんな経験したのは初めてかも!」

「そうか……そりゃよかったな」

「何だよ大貴!音羽ちゃんに対してそんな冷たい反応をするなんて……」

「……音羽、『ちゃん』?」


その部分に、杏子がやけに反応を示す。

その顔は、若干引いている感じの目だ。


「な、何だよ杏子……そんな顔しないでくれよ!」

「最低……お兄ちゃん。そんなに軽い人だったとは思わなかった……この度、兄妹の縁を

 切らせてもらいます」

「……って待て待て待て待て!何でそんなに話が肥大化してるんだよ!!」


突然の展開に、吉行は動揺する。


「と言うわけで、今日からよろしくお願いしますね。健太お兄ちゃん♪」

「コラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「うわっ!ついに吉行が奇声を発した!?」


吉行が、車内に響くような奇声を発したその時。


「静かにしろ!!」

「……はい」


そのことを、乗客に注意された。















「やっと着いたぜ〜!……寒い」

「厚着して来たからいくらか大丈夫ですけど……寒いです」


新幹線から降りて、駅を出た健太達が最初に発した言葉は、それだった。

一同揃って、『寒い』という言葉を連呼していた。


「大丈夫?かなえさん」

「うん……大丈夫」

「大丈夫って言ってるけど……」


両腕を胸の前でクロスして、体が震えているかなえを見て、健太は心配する。

そこで、健太が取った行動は。



(パサッ)



「え?」

「僕の上着を着てなよ……少しはましだと思うから」

「あ、うん……ありがと」


何と、健太は自分の上着をかなえに貸したのだ。

それを見た吉行が。


「に、二ノ宮……俺のを貸してやる」

「え?いいんですか?そのままだと、渡辺君が寒く……」

「大丈夫だ。寒さには慣れてるからな」

「そうですか……?ありがとうございます」


大貴も、夏美に上着を貸す。

借りた夏美は、笑顔で大貴にお礼を言った。


「その笑顔が欲しかっただけなんじゃねぇのか?大貴の奴……」


誰にも聞こえないような声で、吉行は呟いた。


「ここから迎えの車が来るはずだから……」

「けど、こんな人数、乗れないんじゃないのかな?」


マコがその疑問を口にする。

すると。


「心配ないわよ。車なら二・三台あるから」

「そうなの?……美奈の親戚の人って、どんな人なんだろう」


ミサがそんな疑問を呟いたその時だった。



(キィッ)



一台の車が、健太達の前で止まった。
















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