その18 オリエンテーション旅行 6番目
今回でオリエンテーション編は終了です。
まぁ長かった。
そして、新キャラ多かった。
これからも増えます。
ただし、次回以降はしばらくは新キャラでません。
(ガチャ)
ドアを開けて中に入ると、
「おお健太か。懐かしい奴がここにいるぞ」
という吉行の声が聞こえてきた。
「懐かしい奴?」
その言葉に、少し疑問を持った健太だが、目の前に現れた人物を見て、それが誰なのかすぐに
判別した。
「よぉ健太。久しぶりじゃねぇ〜か」
『愛ちゃん命』と書かれたハチマキをして、『愛ちゃんラブ』と書かれたハッピを着ている
あいつが、ズカズカと健太の前まで歩みを進めてそう言った。
「……直樹か。久しぶりだね」
呆れ感じで再会の挨拶を交わす。
そう。
今健太の前に立っているのは、財前直樹であった。
「さっきこの部屋の前にいるところを見つけてな。帰れって言ったんだけど無理やり……」
吉行がこう付け足した。
「おい直樹。この直樹様を忘れて、よくも愛ちゃんとイチャイチャしていられたな!!」
「へ?何のこと?」
もちろんこれは直樹の勘違いなので、健太が知るわけがない。
「何のことだと?ふざけるな!お前、いくら顔がいいからって、いきなり愛ちゃんを抱くとは
いい度胸じゃねぇか!!」
「いや、それはやってないし……」
当然だが、健太はそんなことはしていない。
ここら辺は直樹の妄想であった。
「問答無用!!」
直樹は叫んだ。
だいたい、この一言が原因で、勘違いが大きくなり、仲を悪くしたり、時にはバッドエンドを迎えたりする。
「こうなったら……決闘だ!!」
「決闘って、何するの?」
あまり緊張感のない声で健太は尋ねる。
対して直樹は、
「何って……ジャンケンだ!!」
微妙なことも騒がしく叫んでいた。
「……ジャンケン、か。もっとましなこととか出来ないの……?」
「な、何だと?健太、オレはまだお前を許したわけじゃねぇんだぞ!!」
直樹の口がだんだん悪くなっていた。
「おいおい口が悪いぞ。それにもう少し静かに……」
「吉行、お前は少し黙ってろ」
「ほ〜い」
余計なことに口を出す吉行は、今回も口を挟み、予想通りに直樹に突っ込まれた。
そして、言われた様に横になって寝た。
しかし、こんな状況下で寝ようとする吉行は凄い奴なのかもしれない。
「じゃあ、行くぞ!」
「本当にやるの?」
「最初はグー、ジャンケン……」
その時、いきなり襖が開き、そこから時速120kmくらいの速さで枕が飛んできた(見た感じ
なので、本当はもう少し遅い)。
(ドカッ)
枕は、直樹の顔にジャストヒットして、めがねが吹っ飛んだ。
そして、直樹はぶっ倒れる。
「あんた、人の学校に迷惑かけて、楽しいの!?この、オタクが!!」
ミサが直樹に向かって、言ってはならないことを口走る。
「くっそ〜!よくも、よくもこのハチマキを!!」
「いや、とりあえずめがねは?」
健太はとりあえずそう突っ込んでおいた。
「なぁ健太。この女、誰だ?」
直樹は健太に向かって問いかける。それを聞いたミサは、
「あれ?木村君、もしかしてこの人、知り合い?」
と健太に尋ねてきた。
一気に2つの質問をされた健太だったが、
「えっとね、この人は僕の学校のクラスメート井上ミサさんで、こっちは財前直樹。中学校の 時のクラスメート」
最初に直樹の質問、次にミサの質問について答えた。
「そ、そうなの!?」
ミサの顔に驚きの色が見える。
この騒ぎのおかげで、さすがの吉行も、すぐに目を覚ました。
襖のところには、かなえが覗きこんでいて、入り口のところには、何故か大貴と美奈の姿もあった。
「なんだか、面白い展開になりそうね」
「……そうだな。てか、その漫画、しまえよ」
ことの成り行きを見ながら、何故か美奈は漫画を読んでいたのである。
「ところで、あんたどういう人なんだ?」
大貴が直樹に対してそう尋ねてきた。
その質問に対して直樹は、胸を張り、直樹お気に入りのポーズまで決めて、
「オレの名前は、愛ちゃん愛好会会員番号000番、財前直樹だ!!」
とか言っちゃっている。
「やっぱりオタクだ……」
「何だと!そこ!!今なんて……」
「もういいよ」
(バコン)
まず大貴が直樹のことをオタクと言って、直樹が大貴のことを指差して怒り、健太がその
直樹の怒りを静めるように、頭をぶん殴った。
「あのめがね、○ーチだったらどんなにいいことか……」
「ここでアニメを出すなよな」
美奈と大貴は、相変わらずの漫才を繰り広げている中、直樹と健太が対峙していた。
すると、
(ピンポンパンポン)
突然チャイムが鳴る。
そして、
「早く集合してくれ!!」
という、外川による無茶苦茶なアナウンスが流れてきた。
「おっと、もう時間か」
そう。
この後はミーティングの時間なのである。
「じゃ、オレ達は行くから」
「早く出ろよな」
吉行と大貴は、ここぞとばかりに直樹を責める。
「……わぁ〜たよ!出てきゃいいんだろ!出てきゃ!!」
(ダダダダダダ)
直樹は、入り口近くにいた大樹と美奈を軽く突き飛ばして、ドアから駆け足で走り去った。
「じゃあ、僕達もそろそろ行こうか?」
「そうだね」
健太達も、ミーティングのある場所へと移動しに行った。
次回は、ここまでの登場人物紹介です。