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その183 社会科見学 4番目

「ひゃ〜なんて絶景だ!」

「ホント、建物が小さく見える〜」


健太達は今、球体展望台にいる。

そこから、自分達が住んでいる街……と言うわけではないが、街を見下ろしていた。

見る所によっては、東京タワーも見えたり見えなかったり。


「ふ〜ん。これが東京……ウフフ」

「な、何考えてるんですか?中川さん」

「別に?何も……ウフフ」


隣で奇妙な笑いを浮かべている美奈に対して、美空は怯えながら尋ねる。

しかし、美奈は変なことを言うばかりで、質問に答えようとはしなかった。


「まったく、何なんだこいつは……いつもながらの変人っぷりだぞ」

「しょうがねえだろ。中川なんだから」

「……そうだな」


どうやら『中川美奈は変人だ』という情報が生徒の間で流れているらしい。


「あれが相馬学園……かな?」


望遠鏡を覗きながら、健太が呟く。


「え?どれどれ?」


健太の所に体を寄せるマコ。

見えるはずもないのに、懸命に覗こうとする。


「いや、マコ。それじゃあ見えないから……今どくからちょっと待って」


ちょっと顔を赤らめて、健太は慌ててどこうとする。


「どうしたの?顔、赤いよ?」


マコは、不思議そうな顔をして、健太に尋ねる。


「い、いや……別に……何も……」


かなり動揺しているみたいだった。

何せ、女の子の体が、密着している状態だ。

こんな嬉し恥ずかしイベント、男として嬉しいはずがない。

鈍感で有名な健太だが、さすがにこれには顔が赤くなるってものだ。


「そう?なら……」

「うん。分かった。どくよ……」


健太は、慌ててその場をどく。

そして、マコは望遠鏡の向いてる先を見始めた。

……しかし、無自覚というのは、本当に恐ろしい物である。


「……」

「どうかしたか?かなえ」

「え?べ、別に何も……」

「……ほほ〜」


一部始終を見ていたかなえに、ミサが話しかける。

かなえは、その場を何とかごまかしたが、ミサはそうはいかなかったようだ。


「なるほど……マコがうらやましいんだ」

「!!」


指摘されて、かなえは顔を赤くする。


「ち、違う……そんなんじゃ……」

「健太の体に密着してるマコが、うらやましいんだね?自分でもあんなこと出来ればな〜

 なんて思っちゃったり?」

「〜〜〜!!もう、ミサったら!!」


顔を真っ赤にして、かなえはミサに怒りだす。


「へへ〜!かなえ、顔真っ赤よ?」

「うっ!……」


もはや反論することが出来ないかなえ。

ミサは、してやったりと言ったような顔を見せていた。


「いやぁ〜若いっていいな!」

「先生……いたんですか」

「ああ、ずっとな」

「ストーカーですか……」

「冗談だ。だから引くな」


距離をとる健太達に、必死の説得を試みる外川。


「そろそろ昼飯の時間になるけど、お前ら大丈夫か?」

「あ、もうそんな時間なんですか?」

「ああ……あまり時間もないから、早めに食べておけよ」

「分かりました」


それだけを伝えると、外川は別の所に行った。


「それじゃあ、お昼御飯を食べにいく?」


健太がそう提案すると、


「賛成!」


マコが威勢よく賛成の意を見せた。

他の人達も同様の意見のようだ。


「それじゃあ、どこかで食べに行こう」


健太達は、昼飯を食べに向かった。
















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