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その15 オリエンテーション旅行 3番目

ついに彼女と対面か……?

と思ったら……。

電車で山梨県に到着し、その後は宿までバスだった。

バスの中ではカラオケをしてみたりビデオを見てみたりいろいろあった。

このクラスは人付き合いがいいのだろう。

何時間か経過して、目的地に到着した。



(プシュウウ)



「皆さんお疲れさまでした。山中湖に到着です」


バスガイドさんのその言葉と同時に、健太達はバスから降りた。


「お疲れさあって、この後歩くんだろ?そっちの方が疲れるっての」


大貴が降りて早々愚痴を呟く。


「まぁいいじゃないの渡辺。退屈だったんだしさ」


誰かがそう言った。

一同は、5分程歩いて宿に到着した。

至って普通の宿だった。

普通すぎて、


「地味だな〜」


と言葉を漏らしてしまうほどだった。

中を見るまでは……。


「すみません〜、今日から2泊3日で泊まらせてもらいます、相馬高校なのですが……」

「お待ちしました。少々お待ちください……フフフ」


受付のお姉さんが、不気味な笑みを浮かべながらパソコンをいじり、


「……お待たせしました。それでは、お部屋の方をご案内いたします」


一同を部屋の方へと連れて行った。

しかし、受付の人は何故不気味な笑みを浮かべていたのだろうか?















何がともあれ、部屋に到着した一同は、それぞれの部屋へと入っていった。


「いやぁ〜、思っていたより広いな〜」

「そうだね」


それほど広くない部屋で、そんなことを言っている2人だった。

すると、ある男子生徒が面白いことを発見するのだった。


「おい、この部屋。隣の部屋と繋がってるぞ」

「はぁ!?」


あまりにも突然で衝撃的な発言に、吉行は驚く。


「しかも、隣は女子部屋だ!!」

「ま、まじで〜!?」


健太を除く4人は、すでに興奮状態となっていた。


「どこまで心が通じあってるんだ、この4人。息ぴったりだし」


健太は小声でそう呟いた後、


「集合時間まではまだあるから、ちょっと散歩にでも行ってくるね」


と言って、部屋を出て行った。出る間際に、


「いい女でも捕まえてくれば〜?」


と吉行が茶化していたが、健太の耳には入っていなかった。















同じ頃、健太の部屋と繋がっている部屋、つまり隣の部屋のかなえの部屋では、


「ちょっと、相沢さん」

「どうかしたの?井上さん」

「隣の部屋が見えるのよ、というか、繋がってるのよ。この襖から」

「え?……あ、本当だ」


どうやらかなえ達も気づいたらしい。


「しかも男子部屋よ。……まぁ、木村君がいるから間違ったことは起きないだろうけど」

「そうだね」


他の女子達からの信頼も、良好である健太。

ここで、かなえがこんな一言を呟いた。















「この宿って、元々はからくり屋敷か何かだったのかな?」















「……いや、そういうわけじゃないと思うな」


井上にそう突っ込まれたのであった。

ちなみに、井上というのは、かなえのこの学校で出来た友人第1号であって、井上ミサのことである。

紫色の長い髪の毛が特徴で、こちらはれっきとした日本人。

ここからは、井上のことをミサと表記することにしよう。















健太は、宿の中を散策する目的で散歩をしていたのだが、


「あれ?ここは……どこ?」


すっかり迷子になっていた。

それだけこの宿が広いということを意味しているのだろう。


「この宿はまるで迷路だよ。もしかして、昔はからくり屋敷か何かだったんじゃ……?」


先ほどのかなえと同じことを言っていた。

すると、



(ドン)



健太は誰かとぶつかった。

その衝撃で、その相手は倒れこんでしまった。


「す、すみません!」


健太は、その倒れてしまった人に対して頭を下げた。

すると、


「ううん。平気だから」

「……え?」


健太にとって聞き覚えのある声がして、思わず健太はそう呟いてしまった。


「ま、まさか……」


健太は、深く下げていた頭をゆっくりと上げる。

その人物と目が合った時、


「あ……」

「け、健太……」


2人とも目を丸くしていた。

そして、衝撃的な真実が発覚したのである。
















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