表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/297

その140 再会 2番目

二番目です。

久々のあの人の出番です。

文化祭二日目も開始の鐘が鳴り、人の波がどんどん押し寄せてくる。

校内・校外を問わず、その人だかりはたくさんだ。


「結構広いのね……この学校」


高倉咲がこの学校に来た理由。

それは。


「……夕夏」


彼女は、夕夏の前の学校での親友だった(・・・)

しかし、とある事件がきっかけとなり、その関係もまもなく崩壊してしまったのだが。


「とりあえず、まずは夕夏が何組にいるのかを聞きに行かなくちゃ」


とはいっても、周りにいる人のほとんどが、本日文化祭があるということでやって来た他の

学校の生徒、もしくは親、もしくは一般人である。

学生ももちろんいるのだが、どう見ても自分より年上の人ばかりであり、一年生である夕夏の

クラスなど、とても分かりそうにもない。


「……こりゃ相当の時間がかかるわね」


早速ながら、咲はこの難航さを思い知らされることとなった。















午前9:45。

1−B執事喫茶も、まもなく開店を迎えていた。

その店には、昨日とは打って変わって、女子の来客率が高かった。

一番人気は、もちろん、


「お帰りなさいませ、お嬢様」


来客者がやって来る度に、ウエイターである男子達はその人物に向かってそう挨拶をする。

これが男子なら、お嬢様の部分がご主人様になるらしい。


「さてさて、一番人気の木村健太さん」

「……いきなり何さ、吉行」


吉行が何やらニヤけた表情で健太を見ながら、そう話しかけてきた。

ここで大貴がいたとしたら、『キモいからやめろ』とか言っていただろうか。


「さすがは健太の力だな。面白いように人が入ってくるぞ。しかも狙い通り同年代の女子ばかり」

「まぁ……そうだね」


答える言葉がみつからなかった健太は、とりあえずそう答えておいた。


「本当に休む暇がなくなって、ある意味なけてくるよ」

「忙しい分にはいいじゃないか。来なくて暇するよりは」

「……それもそうだな」


その情景を思い浮かべたのか、吉行はあっさり同意した。

ちょうどその時。



(ガラッ)



教室の扉独特の音と共に、来客者がやって来る。


「そら来た。健太、行くぞ」

「そうだね」


健太と吉行、その他今は手の空いている者は、来客者のところまで近づき、


「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」


お決まりの文句と共に、歓迎した。















数分前。

かなえと美奈、美空にマコの四人は、一緒に行動していた。

途中まで夕夏とミサも一緒だったのだが、行きたいところがあったらしく、二人と四人で行動することとなったのだ。


「それにしても、相沢さんの髪って、綺麗ですね」

「へ?そうかな……ありがとう」


突然美空は、かなえの髪について褒める。


「あら、あなただって、出るところが出てるじゃない」

「へ?……っ!!」


美空は、美奈のその発言がどのような意味を持つのかを理解したらしい。


「ど、どこを見て言ってるんですか!?」

「ん?胸」


えらい早くにそう答えた。


「美奈……解答が早いよ」

「……う〜」


その時、マコが唸りだした。


「ど、どうしたの?雛森さん」


何やら負のオーラが出まくりのマコに対して、勇敢にもかなえが尋ねた。


「……ずるい」

「へ?」

「ボクだけ……全然ない」


マコは、自分だけ『ない』ことに対して、不満を感じていた。


「ああ……胸の話ね」

「……強調しないでくれるかな」


やけに一部分のみを強調する美奈。


「なら、いい方法があるわよ」

「え?本当に?」

「ええ。というわけで、本日は特別にゲストを招待してるわ」

「用意がいいんですね……」


改めて美奈のスゴさを実感させられる美空だった。


「では本日のゲスト、最近名前が変更した、可愛い女子捕獲しちゃうぞ♪ワフ〜!(21)じゃないぞ♪そんなこと言う奴は逮捕しちゃうぞ部の部長こと……」

「ストップ!ストップ!ダメ、その人呼んじゃダメ、絶対!」


マコは全力で拒否する。

あの日のトラウマが蘇って来たのだろうか。


「ダメと言われても……もういるし」

「うぇぇ!?」

「ジュルリ……ハァハァ」


危ない息づかいと共に、その人物はやって来た。


「食べていいの?食べていいの?」

「どうぞご自由に」

「ダメだってば!!」


マコの抵抗虚しく、餌食となってしまった……。

まさにその時だった。


「あの……ちょっといいかな?」


突然、かなえ達は何者かに声をかけられた。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ