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その131 体調を崩して 4番目

今回で、『体調を崩して』編は終わりです。

「な、ななななななな……」


あまりに突然の出来ごとに、マコは言葉を失う。

美奈は、後ろのほうで、


「お〜」


と感心していた。

吉行と大貴も、ほぼ同じような反応。

美咲に至っては、


「な、なんてことしてるんですか、かなえさん!」


と、怒っていたりした。


「うん……熱はもうなさそうだね」

「……あの、別の意味で赤くなってるような気がするんだが」


大貴は、健太の顔が次第に赤くなっていることに気づき、かなえにそう伝えた。


「え?……あ」


今頃になって、かなえは自分が今何をしていたのかを理解した。


「ち、近いよ……かなえさん」

「ご、ごめん!」


慌ててかなえは、健太から離れる。

二人とも、顔が真っ赤になっていた。


「ふっ。青春……これこそが、青春!!」

「……誰だ?お前」


突如意味不明なことを言い出した美奈に、吉行はそう突っ込んだ。


「まぁ、元気そうで何よりだ。明日には学校に来れるのか?」


大貴は、健太が思っていたよりも元気そうなことに内心ホッとしつつ、そう尋ねた。


「うん。この調子だと、明日には多分学校に行けると思うよ」

「本当に?」

「うん、多分だけどね……って、うわぁ!」



(ガバッ)



嬉しさのあまり、なのかどうかは不明だが、マコは健太に抱きついてきた。


「あっ!ズルい、私も!」

「美咲も!?」


マコが健太に抱きついているところを見て美咲は我慢出来なくなったのか、美咲も健太に抱きついてきた。

そんな様子を見て、吉行は大貴に言う。


「……なぁ、大貴」

「何だ?」

「健太ってさ、本当に羨ましいやつだよな……可愛い子が周りにいて、しかも抱きつかれたりして……」

「そうか?逆に女性が多すぎると疲れるだけだぞ。前に経験したことあるが……いや、今も対して変わらないか」

「……」


忘れているだろうが、大貴も相当モテる男なのだった。

なので、今の健太のような状況になるのも、そう珍しいことでもなかったりするわけだ。


「……聞く相手を間違ってたよ、俺。室井さん……どうして……どうして俺は全然モテないんだ!!」

「あんたの性格でしょ」


天井に向かって叫ぶ吉行に対して、夕夏は冷めた反応を見せる。


「うわぁ……冷たいな」


思わず大貴はそう呟いてしまっていた。


「それにしても、本当に大丈夫なの?」

「うん。今の所は……」


そう言っている健太の声は、まだ少し枯れている。


「今日はお兄ちゃんは休んでて。夕食なら私が作るから」

「ありがと……美咲」


素直に美咲にお礼を言う。

言われた美咲は、顔を赤くする。


「食事当番制になってるんですの?」

「うん、そうだよ」


夕夏の質問に、健太が答える。


「あっ、そう言えば今日、文化祭で何やるか決定したよ!」

「文化祭の出し物が……?」


マコは笑顔で健太にそう言った。

そんなマコに付け足すように、かなえが言う。


「本当なら健太君が来てからの方がいいと思ったんだけど……時間がないって言われたから」

「それで?何になったの?」

「喫茶店よ」


何故か美奈が身体ごと乗り出して言った。


「しかも、ただの喫茶店じゃないわよ……何と、日替わり喫茶よ!」

「日替わり……喫茶?」


そんな単語など聞いたことがないと言ったような顔をして、健太は言った。


「単純に言ってしまえば、一日目はメイド喫茶で、二日目は執事喫茶に変わる。だから、日替わり喫茶というわけ」

「へぇ〜」


夕夏の説明に、健太は相づちを打つ。


「成る程……じゃあ、男子と女子で、担当日が別れるということ?」

「そういうことになるね」


今度はかなえが頷いた。


「そっか……楽しそうだね」


当日の様子を頭の中で浮かべながら、健太は呟いた。


「明日、仕事分担するから、早く風邪を治して、学校に来てね」

「……うん!」


かなえの言葉に、健太は笑顔で頷いた。

た。















そして、いよいよ文化祭が始まる。
















次回より、『文化祭』編が始まります。

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