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その129 体調を崩して 2番目

ね、眠い……。

一方、学校の方では。


「おはよ〜ってあら?今日は健太来てない系?」


入って来て早々健太がいないことに気付いたのは、吉行だった。

いつもなら、自分が挨拶すれば、返答する声が聞こえてくるはずだからだ。


「そうみたいなの……」


かなえが、微妙な笑顔のもと、そう吉行に言う。


「う〜む、あいつに限って学校をサボることなんてないし、風邪でも引いたか?」

「風邪ですって?」


そこにやって来たのは、つい最近までこのクラスに馴染めていなかった転入生こと、夕夏だった。

自らの象徴である金色のロングヘアーを右手でかきあげるような仕草をして、そう言った。


「一体だれが風邪をひいたと言うんですの?」

「この場にいない人物だよ。いつもならいるが、今日に限っていないだろ?」

「美奈がいないことなんていつもの通りじゃない」


どうやら夕夏は、大貴が言った人物が美奈のことを差していると思い、そう言ったらしい。


「違うわよ、夕夏。健太君の話」

「……そう言われてみると、確かにいませんわね……」


小さな声で、夕夏は呟く。


「健太君……大丈夫かな?」


マコは、心配そうな顔をして、健太の身を案ずる。


「けど、ひょっとしたら寝坊って可能性もあるかもしれないわよ?」


今度はミサがそんな考えを述べる。

その考えについて意見を述べたのは、



(ガラッ)



「その可能性はないから安心しろ。時間厳守を守っているあいつに限ってそれはないから」

「せ、先生!?」


たった今入って来た外川だった。


「早く席につけ〜」



(ガタガタッ)



ある程度早めに、一同は席に着く。

それを確認すると、外川は今日の連絡を開始した。


「まずは、もうみんな気づいているだろうけど、今日は木村がいない」

「先生、どうして健太はいないんですか?」


吉行が外川に尋ねる。

すると外川は、こう言った。


「今朝木村の方から電話があってな。今日は風邪をひいて学校を休むそうだ」

「風邪……ですか?」


聞いた本人である吉行は、思わず聞き返してしまう。


「風邪……大丈夫かな、健太君」


かなえは、恐らく風邪で寝込んでいるだろう健太の様子を思い浮かべながら、そう呟く。


「それで、今日一日だけ休んで、明日からは普通に学校に来るということだ」

「電話でしゃべってた時の健太の様子は、どんな感じでしたか?」


今度はマコが尋ねる。


「なんだか喉がガラガラでな……結構重いのかもしれないな」

「……」


黙りこんでしまった。


「そんなわけで、今日は木村は来ない。今日の連絡はこれだけだ。委員長、号令」

「き、起立!」


外川に言われて、慌てて美空は号令を出す。

そんな間も、吉行達の頭の中には、とある考えが浮かんでいた。


「(お見舞い、行こうかな……?)」















健太が寝込んでいる間に、こんなことがあったのである。
















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