その120 生徒会の人々 4番目
お〜ついに120話ですか。
この小説もなかなか続きますね。
「ところで〜、そろそろ始めない〜?」
歩美は、一同に向かってそう言った。
「始めるって……何をですか?」
何も知らない健太は、一同に向かってそう尋ねる。
すると。
「何言ってるの健太君。今日は健太君の歓迎会だよ♪」
「かんげい……かい?」
その言葉の意味が理解できず、健太はそう聞き返していた。
「歓迎会だよ。木村君がこの生徒会に入った歓迎会」
「あ……」
明久が言ったその言葉に、健太は感嘆の言葉を漏らす。
そんな健太の反応を、生徒会のメンバー達はさも嬉しそうにしながら笑う。
「というわけで……我が生徒会にようこそ、木村健太!」
充の合図と共に、端穂達はどこから用意したのかクラッカーを鳴らす。
(パンパンパン!)
クラッカーのうるさい音が、生徒会室中に響く。
その合図と共に、飲み物を用意する音羽。
「はい、健太君」
「あ、ありがとう、音羽さん」
健太は笑顔でコップに入ったコーラを受け取った。
「20分くらいしかないからね。本当なら食事も何か用意したかった所だったんだけど」
端穂は、申し訳なさそうに健太に言った。
「いいですよ。歓迎会を開いてもらっただけで、僕は満足ですから」
「ふん……さすがは木村健太。伊達に何人もの女性を落としているわけではないのだな」
「……どういうことですか?明久先輩」
明久の言葉になにやら引っかかる物を感じる健太だったが、何も言い返せなかった。
一方で、顔を赤くする端穂と音羽。
歩美は、何か意味ありげに健太の顔を見ていた。
「な、何ですか?」
見つめられていることに気づいた健太は、歩美にそう尋ねる。
すると。
「いや〜、なかなかいい顔してるよね〜健太君って〜」
「そ、そうですか?ありがとうございま……って何で頬を触ってるんですか?」
今度は歩美は、右手で健太の頬を触っていた。
「ん〜いい感触〜。やっぱり私、健太君のこと気に入ったわ〜」
「……おい、歩美。そのくらいにしとけ」
何故か明久は、歩美に対してそう言った。
「はいはい〜。ヤキモチを焼いてるのよね〜」
「……ハァ」
溜め息をつく。
「ま、明久はな、こう見えても実は……」
「会長、それ以上口を開くと、この学校から消えてもらいますよ?」
さり気に怖いことを明久は言っていた。
「あ、明久先輩って、そんな権限あったんですか?」
さぞ驚いている音羽。
「まぁ……この学校の人事を受け持ってるのは、ある意味で彼だからね」
「それ、絶対意味人事の意味間違ってますよね?退学云々の問題は、校長が何とかするはず
ですし」
まともな突っ込みを、健太は返す。
「それにしても、仲間が増えて、私本当に嬉しいです」
音羽は、その言葉の通りに嬉しそうに言った。
「うんうん。生徒会も賑やかになって来たな」
満足そうに充は頷く。
「賑やかにしたいのなら、もっと人数を増やしてくださいよ……」
「何度も言うが、俺は無駄を省きたい。そのためには、優秀な人材しか集めないのだよ」
瑞穂に説明する充は、どこか得意げで、そしてデレデレとしていた。
「何やってるんだか、まったく……」
そんな様子を見て、明久はそう呟く。
そうやって、健太は昼休みを楽しく過ごした。