その116 新たなる日常 5番目
放課後。
「ん〜終わった!」
吉行は、授業が終わるとすぐに教室を出ようとする。
しかし。
(パシッ)
ミサにその腕を掴まれた。
「ん?もう授業終わったし、別に帰ってもいいじゃねぇかよ」
「何言ってるのよ。まだHRが残ってるでしょ」
「……チッ。バレたか」
「バレバレよ」
どうやら吉行は、それほど早めに帰りたかったらしい。
「席につけ〜」
割りとすぐに外川はやって来た。
「先生、何か連絡はありますか?」
誰かが尋ねる。
「あああるぞ。文化祭実行委員の二人は、このあと会議室まで来てくれ。以上だ」
「文化祭実行委員と言えば……木村と相沢か」
「「はい」」
健太とかなえの二人は、声を合わせて返事をした。
「それじゃあ今日はこれで終わりだ。号令!」
「起立!」
(ガタッ)
委員長の号令と共に、一斉に立ち上がる。
「礼!」
その合図と共に、一同は教室を出た。
「それじゃあ、会議室に行こうよ、健太君」
「うん、そうだね」
健太とかなえの二人は、会議室に行く為に教室を出た。
と同時に。
(ガラッ)
隣の教室から誰かが出てくる。
その人物は、健太達にとってよく知っている人物だった。
「あっ。神内さん」
そう、えりなだった。
「もしかして……文化祭実行委員?」
えりなが尋ねてくる。
「うん。神内さんも?」
健太がそう尋ねた所、えりなは首を縦に頷かせた。
「けど、男子の方は……」
「ああ。今すぐに出てくるわよ……ほら」
言ったのと同時に。
「お?木村じゃねぇか」
「その声は……新庄君?」
そう。
えりなのクラスにおける男子の文化祭実行委員は、智也だった。
「まだ残ってるってことは、お前もか?」
「そんな所」
「……あ、夏美も来た」
かなえは、向こうからやって来る夏美の存在に気づいた。
「え、二ノ宮が?」
その言葉に、智也が反応を示す。
「あ、皆さん。こんにちは」
「こんにちは、二ノ宮さん」
笑顔で挨拶してきた夏美に対して、健太も同じように笑顔で返事を返す。
「まさか、二ノ宮さんも、文化祭実行委員?」
「実はそうなんです……しかも、男子の方が今日は用事があるそうで、帰ってしまって……」
「あ〜それはご苦労様」
かなえは夏美にそう言った。
「よ……よっ!二ノ宮!!」
オドオドしながら、智也は夏美に挨拶をする。
その後ろで、
「うわぁ、分かりやすっ」
というえりなの声が聞こえてきたが、気にしないことにした。
「こんにちは、新庄君」
笑顔で夏美は、智也に挨拶をした。
その時、智也は有頂天に達したという。
「そろそろ時間だし、早く行こうよ」
えりながそう提案すると、
「そうだね。それじゃあそろそろ行こっか」
「だね」
一同はその提案に同意して、会議室へと向かった。
微妙な形ですが、「新たなる日常」編は、これで終わりです。
次回は、「生徒会の人々」編が始まります。