その114 新たなる日常 3番目
久しぶりの二話投稿。
……別に明日投稿しないわけじゃないですよ?
「何?木村君。私は今、佐伯さんとハネムーン☆しに……」
「行かなくていいから!それに、何だか危険な匂いとかしてるから!!」
とりあえず健太は、毒牙から夕夏を救う為に頑張っていた。
「けど、何であなたがそこまで必死になるのかしら?別に佐伯さんとは何の関係もないはず。
だったら、私が佐伯さんに何しようと勝手でしょ?」
「いやいやいや、下手したら犯罪だから、それ」
健太は冷静にそう言う。
「同意の上よ」
「全然同意なんてしてないわよ」
夕夏は言った。
「あら?この世には事後承諾という言葉があって……」
「いや、それは駄目だろ」
思わず大貴はそう突っ込んでいた。
「……二対二か。五分五分ね」
「三対一だから」
夕夏はとりあえずそう突っ込んでいた。
「……今回は見逃してあげるわ。けど、次回は……」
「いや、もう追うな」
大貴はピシャリと言葉を打ち切った。
「……で?あなた達は一体何なの……って、木村君じゃない」
「ちょっと遅れたけど、おはよう、佐伯さん」
「……おはよう」
夕夏は、面倒臭そうに挨拶をする。
「何?あなた達も私に付きまとう気なの?」
「別に付きまとうって程じゃないけど……まぁ、友達にはなりたいかも」
健太は、そう夕夏に話を振る。
しかし。
「友達?私にそんなのいらないわ」
一言で健太の言葉を否定した。
「……え?」
この言葉に、さすがの健太も固まる。
「分からなかったかしら?もう一度だけ言ってあげる。私には、友達なんていらない」
「ど、どうして?」
健太は夕夏に尋ねる。
「友達なんてね、いずれ裏切られるのがオチよ。そんな関係なら、最初から築きあげなければ
いい。それに、私は一人でも十分よ」
「……寂しくないの?」
「……裏切られる方が、よっぽど辛いわよ」
(スッ)
夕夏は立ち上がると、そのまま教室を出て行ってしまった。
「……先は重い、な」
「……うん」
何か思いつめたような表情をして、吉行の呟きに健太は同意した。
「一人でいることより、作った友達に裏切られる方が辛い、か……確かに、そのとおりでは
あるな。言葉に筋が通ってる」
大貴は呟く。
「けど、それはとても悲しいことだと思うんだ」
マコは言った。
「友達を作らないってことは、人との関わりを持たないこと……つまり、そこからは何も
生まれず、何も失わない。言ってることに間違いはないし、ひょっとしたらこれも一つの
方法なのかもしれないけど……それは、より一層自分を苦しめてるだけだと思う」
かなえは、そう自分の意見を言った。
「孤独でありつづけるにはそれなりの理由があるはずだ」
「うん。それに気になるんだ。佐伯さんの言ってたことが」
健太は、先ほどの夕夏の言葉を思い出して、言った。
「恐らく、前の学校……もしくはもっと前からこんな状態なのかもな」
吉行は、言った。
「これからどうする?」
「……とりあえず、これからも話かけてはみよう。そうすれば、いずれは……」
健太は、そう決意を固めた。